LibreOffice活用講座
創造するコンテンツと技術習得を重視しよう
はじめに
このページを最初にアップロードしたのは、2014年の6月です。
その後、2024年5月現在において、LibreOfficeは、機能向上を繰り返してきましたが、操作方法はほとんど変わっていません。
この点がMicrosoftと大きな違いと思います。
すなわち、バージョンが変わる都度操作方法が変わって混乱する必要がありません。
これは、Microsoft Officeにない利点として強調すべきことだろうと思います。
LibreOfficeを使って思い通りのレポートを書いたり計算ができるのは楽しいですね。
手書きレポートの時代を知る自分には、こんな時代が来るとは思ってもいませんでした。
このサイトは、LibreOfficeを役立てることを目的にしています。
MS Officeが素晴らしいソフトであることは間違いありませんが、
まず最初に、Microsoft Officeでなければ仕事ができない、という幻想は捨てましょう。
自分は、長年エンジニアをやっています。
ソフトの仕事も経験がありますが、基本的には、物理的なエンジニアリングでした
仕事を通してオフィスツールを有効に活用している人が意外に少いことに気付きました。
高価・高機能なExcelをワープロ代わりにしか使わないような人は結構多く見ます。
手書きよりはきれいな文書を作るためのExcelでは勿体無い。
Excelは、ものすごく高機能で、全ての機能を使いこなしている人は、
世界中探しても居ないのではないかと思います。
しかし、LibreOffice CalcだってExcelに負けていません。
機能は、Excelを超えているかもしれません。
そんなスゴいツールがフリーウェアとして使える世の中になりました。
しかし、スゴいツールを使えば仕事が凄くできるわけではありません。
あくまでも、主体は、ユーザーである自分自身です。
ソフトの使い方を覚えるだけでなく、実践に活用すれば、仕事の質も上がるし、生活にも役立ちます。
ここでは、きれいな文書の作り方とかは考慮しません。
その代わりに、Calcを中心に実践的な使い方について紹介していきます。
LibreOfficeを使いますが、MS Officeにも共通の内容が多くなります。
操作方法は、多少違いますが、使用して成果を出す基本は同じです。
MS Officeを使う方は、操作方法の違いに気をつけてお読みください。
何よりも、重要なのはコンテンツです。
LibreOfficeとMS Officeの機能比較
LibreOfficeは、MS Officeと互角の機能を持ちます。
但し、計算はMS Officeのほうが速いようです。
VBAプログラムの実行速度はMS Officeのほうがかなり速いと思います。
とは云っても、コンパイルして実行するプログラムと比較すれば、どっちもどっちかもしれません。
コンパイルして実行するプログラムの速度をジェット機に例えれば、走るか泳ぐか程度の違いです。
さて、以下にオフィスの比較表を作りました。
表1 LibreOfficeとMSOfficeの機能比較
機能
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LibreOffice
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MS Office
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備考
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執筆
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Writer
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Word
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一般的にはワープロと呼ばれますが、論文等凝った文書の作成に向くので『執筆』としました。
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計算
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Calc
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Excel
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一般的には『表計算』と呼ばれますが計算一般に使用できるので『計算』と書きました。
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プレゼンテーション
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Impress
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PowerPoint
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描画
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Draw
|
なし
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MS OfficeはPowerPointで代用しましょう。
Drawは、図や写真を含む文書の作成にも適します。
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データベース
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Base
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Access
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目立ちませんがどちらも強力ツールです。
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メールクライアント
|
なし
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Outlook
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ThunderbirdやSeamonkeyでも良いでしょう。
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改めて比較してみると、大差ないですね。
どちらにもあるソフトは、使い勝手の違い程度の差ですが、Drawの有無の差は大きいと思います。
ソフトの内容以外にもちょっとしない差があります。
これも同じような表にまとめてみました。
表2 LibreOfficeとMSOfficeの標準対応比較
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LibreOffice
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MS Office
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備考
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Windows対応
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◎
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◎
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Linux対応
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◎
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機能制限付きウェブアプリで対応
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Mac対応
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◎
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○
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MSのMac版は、Windows版とは別物だそうですね。
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ファイルフォーマット
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ISO/IEC規格
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独自規格 現在は国際規格になっています
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PDF出力機能
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ハイブリッドPDFに対応
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2010以降で対応
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価格
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無償
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サブスクリプションに移行中 機能制限付き無料ウェブアプリあり
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価格コム 2014/6/20調べ
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細かな差はありますが、私としては、LibreOfficeの圧勝としておきましょう。
LibreOfficeは、使えば使うほど価値を感じます。
ここで、ユーザーとして知っておくべきなのは、LibreOfficeが国際規格に対応していることです。
『
LibreOfficeやOpenOfficeでMS Officeのファイルを開くとレイアウトが崩れる』という
ネガティブキャンペーンをよく目にします。
それは、上の表を見ると当然なのだと気付きます。
自社製品が売れなければ困るので、態々、対応させにくくしているわけですね。
営利企業なので当然のことではありますが。
しかし、このことを、性能の差であるかのように吹聴するのは正しくありません。
それよりも、将来にわたり、作成した資産が利用できるということが重要です。
LibreOfficeやOpenOfficeがPDF出力機能を持っているのも、こうした、ユーザーの資産を重視する表れでしょう。
そもそも、別の企業間で、MS Officeのファイルを共有する事自体が異常です。
読取り専用のPDFフォーマットとして、その時点での内容の保全を図るべきです。
親しい企業間にも、敷居があるべきですよね。
少し細かいことですが私個人の論評を書きます。
Writerは、図や写真の他、凝った数式をを貼付られるので、コンピュータで仕事をする人には、かなり便利なツールです。
数式エディタは、Writerの一部ではなく、"Math"という独立したモジュールになっており、"Calc"や"Draw"
等にも貼りつけることができます。
特に、Drawは、図と数式と文字の混在した内容を、自由なレイアウトで書けるので、論文とまではいかない、
報告書や理系や経済等学校の提出レポートの作成には便利です。
Drawの中に、Calcの表も直接貼り付けることができます。
図、写真や数式が多い文書は、Drawで作成するのも一案です。
年賀状はDrawで作成しましょう(
年賀状サンプル)。
Drawはレイアウトが自由自在なので、年賀状や挨拶状は簡単に作成できます。
サンプルは、ものの数分で作成したものです。ヘタクソだと突っ込まないでくださいね。
Drawを使えば、文書中に矢印や囲みを記入するなど思い通りにできるので、論文ほどの格調を要しない文書には
好適です。
英文など外国語で説明文書を作成する場合には、苦労して翻訳するよりも、
簡潔な文面と図で構成するほうが明確です。
外国語の場合には、上手・下手よりも、内容を正しく伝えることのほうが重要です。
Drawで文書を作成して素早くコミュニケーションしましょう。
LibreOffice "Math"で作成した数式は、Microsoft Officeの文書にも画像として貼り付けることができます。
Microsoft Officeに貼り付けたMathの数式は画像なので、後から編集することはできませんが、
LibreOfficeの文書に貼り付けた数式は、後から編集することができます。
MicrosoftOfficeにも数式エディタが付属していますが、バージョン2007以降は、操作方法が変わってしまったので
私自身は試したことがありません。Microsoft Officeのバージョン4.2から2003までの数式エディタの
使い勝手が良かったので、残念に思います。
LibreOffice Mathは、慣れれば使い勝手が良く、非常に便利です。
理系の人は、是非とも、Mathをマスターしてください。
その他、ビジネスユースには、OpenOffice "Impress"というプレゼンテーション作成ソフトがあります。
Impressは、Microsoft Powerpointとほぼ同様の機能を持つものです。
多くの人は、Powerpointを使いたがりますが、Impressの使い勝手が悪い訳ではなく、
単に、
使ったことがないだけの場合が多いでしょう。
たとえ、Powerpointに多少優れた機能があったとしても(多分殆ど差はないでしょうが)、
それにより、優れたコンテンツができるわけではありません。
優れたコンテンツは、人が創るものであり、ソフトウェアが創るものではありません。
それを云ってはおしまいですが、それが現実なのはどうしようもありません。
これらの主要ソフトの他に、Microsoft Office Professionalには、Accessという
優れたデータベースツールがあります。
LibreOfficeにも"Base"というデータベースツールがあります。
以前は、Accessからかなり遅れをとっていたと思いますが、バージョン4.2.4.2では、同じようなことができるようです。
今後試しながらこのページに書いてゆこうと思います。
Microsoft OfficeにあってLibreOfficeにないものは、メールソフトですが、
最近は、Webメールを使うことが多いと思いますので、メールソフトは不要な人も多いでしょう。
メールソフトのために、高価なオフィスソフトを揃える必要があるかどうかは、人それぞれでしょう。
自分としては、メールソフトとしてOutlookだけは使いたくありません。
妙な高機能のためか、使い方が非常に難しいと感じています。
以上の通り、LibreOfficeは、MS Officeに劣らない優れたツールであり、よほどの限られた状況を除けば、
MS Officeが必要ということはないでしょう。
ここでは、あまり書きませんでしたが、OpenOfficeはLibreOfficeとかなりの部分が共通です。
好みで、OpenOfficeを使用しても良いでしょう。
『
なぜLibreOfficeを使うのか』も合わせてお読みください。
LibreOfficeは、ここから入手できます。
LibreOfficeダウンロードのボタンをクリックすると寄付のお願いの画面になりますが、強制ではありません。
しかし、役に立ったら後からでも寄付をしましょうね
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