ここまでで、ローン返済状況の計算をCalcで実施してみました。
手計算では大変なものが、Calcなら、同じ条件で完済するまでの計算が瞬時にできました。
毎月の返済金額が固定の返済方法である元利均等返済ならば、簡単に計算できることは分かったのですが、
他の返済方法ではどうでしょうか?
下の元利均等返済での元金計算フローを見てみましょう。
残高が変わると、利息が変わるので、毎月の残高変化は違いますが、やっていることは、毎回同じです。
上の図は、毎月の、残高の変動を表したフローです。
毎月の返済額を、定額(P円)としていますが、定額ならすでに計算してしまったので、
今度は、繰り上げ返済したらどうなるのか計算してみましょう。
これは、Pを定額でなくするだけなので、各月の返済額をPjとしてみましょう。
jヶ月目の返済時の、残高の増減を下に図にしてみました。
さて、上の図で、赤色が残高の増、青色が残高の減を示しています。
借入を増やさなくても、利息により残高が増えます。
ですから返済額が利息を上回らなければ残高が減りません(涙)。
ここで、
Pj=P+aj
と置いてみましょう。
aj>0
であれば、通常よりも返済額が多くなるので、これが繰り上げ返済と呼ばれるものです。
従って、繰り上げ返済は、(通常返済でも残高が減っている場合は)、全て、弁済して残高を減らす効果があります。
この月で、残高が一気に減るので、翌月以降は、利払がその分楽になります。
ということで、Calcの表を書きなおしてみました。
セル (座標) | 計算式 | 備考 |
月(A8) | =A7+1 | 前月+1ヶ月 |
固定返済額(C8) | =$B$4 | 固定額を絶対参照 |
特別返済額(D8) | 後で繰上返済額を入力する | |
利息分(E8) | =$B$3*B7 | 利率は絶対参照で、それを前月の残高に掛ける |
弁済分(F8) | =C8+D8-E8 | 固定返済額+特別返済額−利息 |
残高(B8) | =B7-F8 | 当月残高=前月残高−弁済分 |