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返済計算(3)−繰上返済

ここまでで、ローン返済状況の計算をCalcで実施してみました。
手計算では大変なものが、Calcなら、同じ条件で完済するまでの計算が瞬時にできました。
毎月の返済金額が固定の返済方法である元利均等返済ならば、簡単に計算できることは分かったのですが、 他の返済方法ではどうでしょうか?
下の元利均等返済での元金計算フローを見てみましょう。

残高が変わると、利息が変わるので、毎月の残高変化は違いますが、やっていることは、毎回同じです。

Calcでの計算の応用へ

上の図は、毎月の、残高の変動を表したフローです。
毎月の返済額を、定額(P円)としていますが、定額ならすでに計算してしまったので、 今度は、繰り上げ返済したらどうなるのか計算してみましょう。
これは、Pを定額でなくするだけなので、各月の返済額をPjとしてみましょう。
jヶ月目の返済時の、残高の増減を下に図にしてみました。

さて、上の図で、赤色が残高の増、青色が残高の減を示しています。
借入を増やさなくても、利息により残高が増えます。
ですから返済額が利息を上回らなければ残高が減りません(涙)。

ここで、
Pj=P+aj
と置いてみましょう。
aj>0
であれば、通常よりも返済額が多くなるので、これが繰り上げ返済と呼ばれるものです。
従って、繰り上げ返済は、(通常返済でも残高が減っている場合は)、全て、弁済して残高を減らす効果があります。
この月で、残高が一気に減るので、翌月以降は、利払がその分楽になります。
ということで、Calcの表を書きなおしてみました。

繰上げ返済を考慮した計算表
セル (座標) 計算式 備考
月(A8) =A7+1 前月+1ヶ月
固定返済額(C8) =$B$4 固定額を絶対参照
特別返済額(D8)
後で繰上返済額を入力する
利息分(E8) =$B$3*B7 利率は絶対参照で、それを前月の残高に掛ける
弁済分(F8) =C8+D8-E8 固定返済額+特別返済額−利息
残高(B8) =B7-F8 当月残高=前月残高−弁済分


ここまでのCalcの画面は下記の通りです。

後は、2ヶ月分以降を順次計算させます。
これには、A8からF8を選択し、下側にドラッグ&ドロップします。
具体的には、A8のセルを左クリックし、クリックしたままマウスをF8まで移動します。

ここまでが、”選択”操作です。選択するとそこだけ色が変わります。
ここで、左クリックを離します。離しても、セルの色は変わったままです。
そして、E8セルの右下に小さな黒い四角形■が現れます。
■の位置にマウスポインタを合わせると小さな十字+マークが現れるので、 そこで左クリックしてそのまま保持します(クリック&ホールド)。
左クリックを保持したまま、下側にマウスポインタを適当にずらしてゆきます。
Calcは、クリックを離したところまで、同じ計算を継続します。
この操作は、前回と同じですね。
ドラッグ&ドロップした結果は下記の通りです。


この時点では、まだ、繰り上げ返済を入力していないので、前回と同じです。
ここで、繰り上げ返済として、10ヶ月目に100万円を入力してみましょう。
入力画面と途中経過は省きますが、繰り上げ返済の結果どうなったかのグラフを下に付けました。


黄色が繰り上げ返済しない場合の総返済額で、緑が繰り上げ返済をしたときの総払い額です。
総額にして約59万4千円の差があります。これが繰り上げ返済で減らした利息の額です。
こんな感じで借金返済のシミュレーションは簡単です。 後は、利率が変わったりした場合でも計算対応できるようにCalcシートを改造してみましょう。

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