MCAP-CR
多自由度バスレフ型スピーカーシステムの研究開発
物理モデルに基くシミュレーションソフトウェア開発




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09/05
スピーカー再生技術研究会第2回オフ会
09/11
オフ会で聞けな かった多重共鳴管の試聴
09/25
ボローニャ歌劇 場日本公演
10/02
CDセットを購 入
10/08
マトリックスス ピーカー製作開始
10/10
三島の会
10/13
マトリックスス ピーカーの製作(2)
10/16
マトリックスス ピーカーとりあえず完成
10/18
マトリックス ピーカー用アンプ
10/23
とりあえず完成

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2011/09/05

スピーカー再生技術 研究会第2回オフ会


9月4日は、スピーカー再生技術研究会のオフ会でした。
中野ZEROという立派な会場を借りることができました。
左記のようにチラシも置いて頂きました。

ここまでやったら気合が入らないわけはありません。

発表は自分から。最初に挨拶をしなければならないこと、また、遅れ を吸 収する目的から、最初でなければならないのです。

発表作品は、タモリ倶楽部で放送された。ペットボトルスピーカー。形式は、見た通りのMCAP-CR型。小さくて軽いのに、恐ろしく場所を食う。ゲテもん 工作実験室の松さんも認めるゲテもん中のゲテもんである。

今井さんに特性を測って頂いたら、4〜5メートル離れた位置で殆どフラットった。これには自分もビックリ。偶然とは云え、本当かなあ...

音は意外とまともで、見た目と音のギャップには、面食らった方もいらしたようだ。

加藤さんは、リングダクトのダブルバスレフタイプ。リングの外側を スパ イラル構造にしたものとストレートのものと切り替えて比較できるよう、部品を準備してある。
スパイラル構造のもののほうが、癖が少なく上質な印象を受けた。これには裏話がある。
加藤さんが組立てたP-800の片側がどうしてもビビるということで、私が組立てたものに直前に交換した。このため半田付もなして、エージングゼロの状態 だったのは残念だった。少しピアノがざらついてしまったのはこのためだろう。
加藤さんは塩ビ管のMCAP-CR型も持ってこられた。写真がブレてしまってお見せできないのが残念である。副空気室が長かったので、少しパイプの癖を感 じた。パイプを空気室にする場合には、副空気室でに何らかの吸音処理が良いかもしれない。

今井さんは、測 定機 材一式を持ってこられ、測定の実演を行った。

ボランティアとして差し出されたのが、金子さんの、密閉型スピーカーシステムである。

金子さんの作品は、内部にダクトを設けた密閉式である。これは、自分のDie Bremseのうまくいかなかった初期型と同じ構造である。

この構造は、自分では改良する事が出来なかったが、さすがに金子さん、十分な低音を自然に再生できる方式に磨き上げられた。

今井さんの実験台になって、良い音特性に調整したところ、低域は豊かになったが、逆に高域が甘くなってしまった。これは、バランスが低域よりにシフトした ためだけではなく、振幅が大きくなってしまい、高域にドップラー効果の歪が出来たためではないかと思う。

金子さんの作品の特徴は、中高域が美しいことである。ゆとりのある空気室容量と、背面の傾斜だけでなく、内部のダクトが吸音効果を発揮しているということ で、これは納得出来る。

内部の構造を見たりできるのも、この研究会ならではのこと(自慢しておきます)。4つの孔の先は全部別の部屋である。



松 さんの、ASURAは圧巻である。長岡先生のヒドラの記事に感銘を受けて改良を重ねた。スピーカーユニットが全て外向きになったヒドラとは違い、ユニット が内側を向いたりして、音源がどこか分からないようになっている。長岡式ヒドラを更に追求して追い込んだ最終形かもしれない。

まるでそこで実際に演奏しているかのような音。見事なカシュー仕上げでプロの作品を超える。

音は、まさに自作で行き着いたハイエンド作品である。市販したら1,000万円超の音と言って良い。世界初公開のこの音を聞いた人は得したと思う。


西尾さんの作品は、ゴムでエンクロージャを自作している。

左は、Fostexの標準箱で、これも良いが、ゴムのエンクロージャで工夫した音のほうが心地良い。

レンジを欲張らず、自然な音を目指した西尾流である。

ご本人は、広い会場での音に、微妙な面持ちであった。いい音だと思うが、作った本人は、厳しい自己評価のようだった。


大沢さん開発の多重共鳴管は会場にいた人々を驚愕させた。

8cmユニットを小さなチャンバーに取付け、そこから一絞りして共鳴管を駆動する構造である。MCAP-CR構造を見て思い付いたとのことだが、この改良 は共鳴管の夜明けとも云うべきと思う。

8cmとは思えない大音量で、超低音を再生する。共鳴管の出口にぶら下がった紙は、大沢さんのご愛嬌で、共鳴の効果を視覚で確認するためのもの。動画でも 撮影したが、サイズが大きすぎるのでアップロードはできそうにない。

共鳴管構造や長さを検討して試作を重ねただけあって、殆どフラットな特性に感じる。見事と云うしかない。

ここまで大音量が出せるのは、共鳴負荷がしっかりかかっている効果か。

音に無理を感じさせないのは、バックキャビティが単純な箱ではなく、曲面になっている効果だろうか。

これを聞いて、共鳴管を作りたくなった人は多いと思う。

ポート切り替え式のMCAP-CRは実験には持って来い で、 ゴム栓をしながら全面のポートを使ったり、背面のポートを使ったり切り替えてのデモとなった。

背面にはパイプが突き出ていて、そこに径違いソケットを付けたら、音が力強く変わるのは感じた。ホーン効果ではなく、ダクトの効率を上げるのに効いている ようだ。

また、背面のダクトを全部繋いでAICC-CRにしたら、やはりAICC-CRの音になった。これは面白い。

さすがに大沢さん。

残念なのは、時間が不足して、木製共鳴管システムを聞けなかったことである。

高橋さんは、タンデム駆動のISOBARIK方式にダブルバスレフ の組 合せである。ダブルバスレフは、長岡式ではなく、副空気室が小さめのFostex式である。

ゲーム音楽用の安価なユニットを使いながら、ISOBARIKの効果で、小さな筐体に仕上がった。PSTで高域を落としてフラットな特性を狙ったが、自分 には、そのままの音のほうが好みだった。このあたりの好みは人それぞれで、自分と同じ意見の人は周りにはいなかったようだった。

仕上げのセンスも抜群で、高橋さんの今後の研究に期待したい

手作りアンプの会でお馴染みの石田さんは、13cmのウッドコーン フル レンジをウーファーに使用した2ウェイである。中高域を落とすネットワークも凝っている。

流石にエキスパートに石田さんだけあって、市販品のような、市販品を超える音。自分のような素人が作ったネットワークの音は聞けたものではないが、エキス パートの作品は歪みなくピュアな音がする。

ネットワークを外した音を聞くと、少し高域がザラザラと感じた。ネットワークを通したほうが明らかに良いというのは、とても勉強になった。




最後は、復興支援のチャリティーオークションである。

会員内外から集まった、復興支援の供出品がずらりと並んだ。

出品数が多いので余りが出るか心配したが、全部捌けてしまった。

出品作の中には、マニア垂涎のFE88ES-RやFE108Sもあった。これらをヤフオクで買った人は、悔しがる超買得値で落札されていった。

超お得だったのは、松さんのASURAを、Stereo誌コンテストように設計変更したASURA?である。この見事な作品は、市販できないほどコストが かかったモデルである。これを落とした方は一生自慢できそうだ。

チャリティー総額は、108,600円!

皆様どうも有難う御座いました。

送り先と、領収書は、後程研究会のサイトで公開します。

こういうのはいい企画かもしれないので、来年も出来たらやりたいと思う。



オフ会が無事終了して最も大変だったのは後片付け。これは2回目な がら 疲れた。
昨年は、片付け用の時間をたっぷりとっておいたのでゆっくり片付けられたが、代わりに、皆で話し込んでしまい、打上が遅れてしまった。

今年は、17時までしか借りられなかったので、16:30に閉会して必死に片付けである。17時には無事に明け渡すことができた。

そして疲れを流す慰労会。美味い酒だった。

今年は台湾からもお客さんを迎え、台湾支部が出来そうな勢いである。

アマチュアの研究成果万歳!
皆さん本当に有難う御座いました。


2011/09/06

オフ会のおまけ

昨年もそうだったのだが、オフ会が終わって一気に緊張がほぐれると、体調を崩してしまう。
今年はいまのところ問題なさそうだが、微熱が出たので風邪薬を飲んだ。
歳が歳なのでしょうがないが、もう少し体を鍛えなければならなそうだ。

オフ会で鳴らした、MCAP-CR型のDie Bremseの周波数特性をオフ会中に今井さん測って頂いた。ちょっとびっくりする特性だった。


MySpeakerを使用し、数秒の短い信号での計測だったので概ね50Hz以下は計測出来ていないと思うが、びっくりするほどフラットである。距離は計 らなかったが3m位だったと思う。
どうしてこういうF特になったのかは分からないが、これが多自由度バスレフの効果なのかもしれない。

2011/09/11

オフ会で聞けなかっ た多重共鳴管の試聴


オフ会が終わってようやく次の週末になった。オフ会終了後の片付け は、 スピード勝負で、何が何か分からなかった。特に、持ち込んだ物品が多い人はメチャメチェである。気付いたら、挨拶もできないままに変えられた方もいらっ しゃった。そんな中、自分が大沢さんの作品一式をお預かりすることになった。
そして、昨日の土曜日、大沢さんが取りにこられるときに試聴を行った。先週末のオフ会にこられたモスビンさんに来て頂き、充実した試聴会になった。

大沢さんのシステムは、コンパクトにまとめられた二重共鳴管システムである。2本の共鳴管をそれぞれ2回折り返すことで小型化が可能になった。写真の通り デザインも洒落ている。写真では良く分からないが、端子も凝ったものである。スピーカーユニット には、Stereo誌の付録、P-800を使用している。

最初に聞いた印象は、優しく決め細やかないい音である。ローエンドは40Hz以下まで素直に伸びている。特にオルガンの再生音は抜群で、歪無く素直に再生 される。この他に、モスビンさんが持ってこられたマライヤ・キャリーのLP→CDコピー版、ピアノトリオ等いろいろと聞いて行った。





普通の共鳴管の特徴であるボーボー感は、自分には感じられなかっ た。モスビンさんもこの音には驚いたそうで、やはりボーボー感は感じられなかったそうだ が、大沢さんには、時々感じられるそうである。

自分には、共鳴管の良さが素晴らしく感じられた。塩ビ管と紙管を使用したオリジナルの多重共鳴管よりもソフトな音だし、スペースファクターも良い。オフ会 の会場で鳴らせなかったのが残念だった。

試聴にあたっては、東芝のHDD/DVDレコーダ(左の写真の一番下の 段にあるRD-XS 36)を準備しておいた。DVDレコーダの二世代目位で、既に販売されていない古い機種である。

CDを聞くのにこういう一般機器を使うマニアはいないと思うが、自分の耳には、このレコーダで再生するCDの音は仲々良く聞こえる。この機器の欠点は、モ ニターがないと、操作が難しいことである。一曲目は分かるがその後は、順次飛ばして聞くのだが、一体何トラック目を再生しているのか分からない。DVD機 器の欠点である。

普段はその下の写真にあるStuderのD730というCDプレーヤを使っている。これは見るからにプロ用機器で、CDの出し入れが素早く出来る。また、 挿入したらすぐに再生可能、ピッチコントロールが可能、ヘッドホンを繋いで直接聞くことも可能と、民生用機器とは対局の作りになっている。何年頃の製品か 分からないが、20年位前に義父が購入したもので、亡くなったのを機に自分が貰い受けたものである。残念ながら、これらのプロ用機能は自分には無用の長物 で、使いこなしはゼロである。

流石に古い製品だけあって、今では音を評価すべきではないと思う。残念でああるが、自分には、上の写真の東芝のDVDレコーダのほうが好みの音に聞こえ る。プロ用の機能を使いこなさないのであれば、あまり意味がないのかもしれない。東芝のDVDレコーダでは、放送局では使いものにならないが、この D730なら、放送局用途にも耐える操作性である。

プリアンプは、これもかなり古い製品で、TechnicsのSU-C1000 MK?である。購入当時最安のプリアンプだったので、迷わず選んだものである。バッテリードライブが特徴だが、バッテリーはとっくに朽ち果てたので、 100V電源で使っている。音は別に悪くない。

プリアンプには、CRESCENTのRA-1501Aという、伊藤喜多男さん手作りのものもあり、これも聞いてみたいということで、使用した。これも普段 あまり使用していないものである、

パワーアンプは、アキュフェーズのP-350という古い製品である。当時アキュフェーズのローエンド品で、しかもモデルチェンジで、4割引位で投げ売りし ていたので購入したものである。

結局、これら全部を聴くことになった。

ヴィンテージ品とヴィンテージにもならない中途半端に古い製品の聴き比べというのも、マニアには有りそうにない。

音は..というと、モスビンさんは、往年のヴィンテージ品の良さも評価されていたが、他2名はそうでもなかった。特にデジタル製品は新しいほうが良いこと が多いようだ。

大沢さん、モスビンさん、楽しい会を有難う御座いました。


2011/09/25

ボローニャ歌劇場日 本公演

昨日、ボローニャ歌劇場の日本公演を聞いた。演目はベルリーニの『清教徒』。この公演は、自分が最も好きなテノールのファン ディエゴ フローレスが出演 するはずだったので楽しみにしていた。それが直前になって、欠場になってしまっていた。こうした大きな穴があるにもかかわらず、埋め合せはなかった。昨年 パリのオペラ座での公演では、事務スタッフのストライキがあり、ステージを簡素化したために、入場料の一部を払い戻していた。それが、日本の主催者は、こ れほど大きな変更があっても何の埋め合せもしない。不誠実だと思うのは自分だけだろうか。

さて、このような不満はあったものの、実際に演奏を聞くと素晴らしいものだった。フローレスの代役は大変だったろうが、台3幕では、絶好調の美声を聞かせ ていた。ベルリーニの音楽も心に染みてきた。

日本公演で残念なのは、邪魔な拍手である。作曲家が一音一音に渾身の力を込めたって、重要なところが拍手で消えてしまう。邪魔な拍手はニューヨーク並であ る。折角の音楽が、しかもいいところで聞こえなくなってしまうのだ。途中で拍手する習慣はやめて欲しい。全ての音楽が消えて、静寂が続いた後に少しずつ拍 手すればいいのだ。拍手が遅いからと言って失礼になることはない。最後の一音が終わった後も音楽は暫く続いていることを理解すべきだと思う。

今まで聞いた中で一番邪魔な拍手が少なかったのは、ウィーン国立歌劇場だった。昨年のパリのオペラ座で聞いたフェネロンの『ファウスト』も邪魔な拍手が無 かった。どこで拍手するのか難しい音楽だったためもあるのだが。ボンのオペラ劇場も良かった。酷いのは日本とアメリカである。アメリカの場合はそういう国 民性の気もするが、日本の場合は、知ったかぶりが邪魔しているのではないかと疑っている。ソプラノに対して『ブラボー』はないだろう。 女性に対しては"Brava!"と云うことくらい勉強してから叫ぶべきだと思う。

2011/10/02

CDセットを購入

もういつになるか覚えていないが、暫 く前 に購入したCDセットがタワーレコードから今朝届いた。カラヤンの82枚組CDである。一旦入荷していたらしいのだが、品質チェックで間違いが見つかり、 発売が遅れていたものだと云う。

写真のような箱に入っておりずしりと重い。

早速聞いてみようと箱を開け、最初に聞くものを選ぼうとして、問題に気付いた。

CDの1枚ずつに番号を振っていない!英語、イタリア語、ドイツ語等、言語不統一なリストを読みながら、とりあわずバッハでも聞いてみようかと思い、CD を探すのだが、なかなか見つからない。
上の写真に一部見えている"BEN"というのは、シュトラウ スの『英雄の生涯』で、これが最初のCDであることは分かった。ここから順番に並んでいるだろ うと考えたので、バッハはその右の塊から探したのだが全然見付からない。しょうがないので、他のものも探すが仲々見付からない。CDジャケットの1 枚ずつを見ると、書いてあるのは、KARAJANとか、BERLINER PHILAMONIKERとか分かりきったことがデカデカと書いてあり、肝心な曲名は小さな字だったり、斜体だったり...しかも書き方、順番は不統一、 斜体の飾りフォントは凄く読みにくい。なんとか時間をかけて一枚づつジャケットの表示だけをチェックしたところ、小箱にあるCDの(ジャケットの)順番は 間違っていないことは確認した(中身は違うかもしれない)。小箱の順番が右回りではなく左回りに なっていたことにも後から気付いた。

確認しているときに更に重大な問題に気付いた。CD1枚ずつの収録時間が短い!かつて何かの雑誌で、CDの直径が12cmなのは、カラヤンの意向 で、ベー トーベンの第九が一枚に収まる企画にするためであると読んだことがある。すなわち、80分程度の収録時間があるというのは、LPに対する絶対的な優位性 だったのである。自分が所有している何千枚かのCDの殆どは70分を超えている。コンパクトに収まること、枚数が少なくなること、更には、割安にな ることは、自分にとってCDの優位性の絶対的な条件だった。

それが、何と、例の第九まで、2枚に分かれている始末。運命も1枚である。60分を超えているもの82枚もある割に、内容が少い。あまりに酷いので、収録 時間をまとめたら、平均48分45秒、最短31分7秒、最長76分41秒だった。最長はブラームスのドイツ・レクイエム、最短は、ベートーベンの交響曲第 4番であった。ベートベンの第4は、31分25秒の運命と合わせても、62分32秒と、余裕で1枚に収まる。平均70分にすれば、57.1枚に収まる分量 しか収録されていないのである。

今後CDを聴きこんで行くとき所在不明にならないようにするにはどうしたら良いか、考えただけでウンザリした。1枚目を聞く前に既に疲労困憊の状態になっ てしまった。

カラヤンに対して(カラヤンが開拓した音楽レコードビジネスに対して?)は、昔からいろいろ言いたいことがあったのだが、CDを聴き込む前に先制パンチを 食らった感じである。

タ ワーレコードからは、この少し前に左の写真にあるセットを購入していた。レーベルは、RCA、SONY Classical、deutsche harmonia mundyとバラバラだが、全て、今はSONY classicalで販売されている。こちらは、注文の翌日には配達されたものである。
各セット5枚から10枚のCDが入っている。小分けにされていて便利である。どれも録音が良く、演奏も素晴らしい。

上記のカラヤンのものと同時期か少し前の録音が多いが音はこちらのほうが良いと思う。

カラヤンについては、上記の云いたいことを含めて別の機会にまとめようかと思っている。
追記:オーディオ放言も先週更新しています。

2011/10/08

マトリックススピー カー製作開始




今 日からマトリックススピーカーシステムの試作に着手した。マトリックススピーカーシステムは、30年以上も前に長岡先生の製作記事を読んで一度作ってみた かったものである。先生の最初の作品は、MX-1という六角形断面のシステムで、低音は全然出ないが音場はリアルというものだった。製作は自分の腕ではと ても無理そうだった。そのうち、先生は何度か改良されていた。残念ながら一度もその音は聞いたことがない。

MX-1は、中央にモノラル信号の代わりとして、LとRを縦に配置、左側でL-Rの差信号、右側でR-Lの差信号を再生し全部を合わせてマトリックスシス テムが完成する。但し、ブリッジ接続のアンプでは使えない、インピーダンスが低い等、使い勝手の悪さがあった。

その後は、差信号の部分に2つのスピーカーユニットを使用して、[L+(-R)]、[R+(-L)]を再生する等ブリッジ接続アンプでも使用できるシステ ムを製作されていたが、あまりお気に入りではなかったようである。

今回自分は作るのは、もっと簡素化したシステムである。タモリ倶楽部と先日のオフ会で鳴らした、ペットボトルの作品"Die Bremse"は1本のシステムに2つのフルレンジユニットを中央から45度ずつ左右に振ってステレオ構成にしていたのだが、これが意外な位ステレオ再生 になっていた。良く考えてみると、右のユニットからは、左のユニットの背面の音が漏れて合成され、また、左のユニットからは右にユニットの背面の音が漏れ て合成されている。すなわち、意図したものではないが、マトリックススピーカーに必要な差信号が機械的に合成されていたのである。そういうことには気づか ず、効果を上げようとして2009年には、実験をした。その実験はうまくいったので、今回は更に進んで、微調整するためのアンプも作ることにした。

システムは、スピーカーシステムが1本、ここにLとRを夫々配置し、右側に-Lを小さめの音圧で加え、左側に-Rの信号を小さめの音圧で加える。これらの 逆相成分が控えめな音圧で加えられると空間で合成されて、L-R、R-Lになる。今回作るアンプは、逆相成分の音圧を制御出来るよう、バイアンプ構成にす るものである。バイアンプが必要かどうかは良く分からないが、レベルを変えながら実験してみたいので、このような構成にしてみた。費用は結構高く、材料費 だけでローコストのプリメインアンプが1台買えてしまう位になった。贅沢な実験だと思う。

今日は、秋葉原でアンプの材料を一式購入し、スピーカーシステム側は、危険な孔明け加工を実施した。

アンプの設計は出来ないので、ユ ニエル電子のPA -445というステレオアンプ基板を左右各1個使用する。電源は、考えた挙句に、トランス電源とし、整流基板には、同じくユニエルのVR-502を使う。 基板はキットだが、他は全部自分で手当てしなければならないので、半分自作のような感じである。PA-445は、4Ω負荷の場合、6W+6Wとまあまあの 出力だが、単電源のため、出力にコンデンサを入れてあり、ローエンドは100Hz以下のレベルが低い。これを少し改造する。正相用チャンネルはもう少し低 い周波数まで出せるようにし、逆相信号用は、中低音をカットするようにする。メーカー品の改造は危険だが、キットであれば、自己責任でいろいろ変えること が出来る。

アンプは小さめの筐体に入れたかったが、基板や電源が丁度良く収まるサイズが無かったので、左右を分けるか迷ったが、筐体屋さんがとても感じよかったの で、高い方の大型筐体を購入してしまった。これだと中身がスカスカの状態で収まる。 

今日は、ここまでで、都合により続きは来週以降までお預けである。

2010/10/10

三島の会


三島の会という名称がある訳ではないが、kenboさんのつてで三 島地 区のオーディオ愛好会のつどいに参加させて頂いている。今年は一昨年に続いて2度目の集いとなった。

最 初はkenboさん宅を訪れて、現在のシステムを聞かせて頂いた。以前とは違って、サブウーファーは使っておられないので、体に感じる風圧のような低音で はなく、自然な低音に変わっていた。塩ビ管システムもP800を使っていながら凄い音。流石に歴代チャンピオンである。

一昨年、残念ながら訪問出来なかった、DCアンプマニアさんのシステムを拝聴させて頂いた。

ご覧の通り、凄すぎるシステムである。隣のXXさんの背丈を超える4ウェイホーンシステムをマルチアンプで駆動している。

DCアンプマニアさんの拘りは、バッテリーアンプで駆動しているところである。

写真のような大型のシステムでありながら、ソフトで、しなやかな音。ソプラノも大きな音像にならない。自分の世界とは相当に違うのだが、真似できない音。

ううん。凄すぎる。


三島の会のメインは、温泉と豪華ディナー。

オーディオ談義を交わしながら、皆で和気藹々。楽しい一時を過ごした。

今年は昨年(の噂)とは違い、負傷者の出ない、静かな夜だった。

伊豆、土肥温泉の海の幸を味わいながらの語らいは至福の時だ。

普段は絶対に食することのない伊勢海老の活造りや、クエ等高級魚の刺身、鮑の踊り焼きなど、贅沢過ぎる。

たまにはいいか。と思いながら時間はあっという間に過ぎ、11時には皆寝てしまった。

朝は、6時に起床。海岸沿いを散歩して、朝食後、皆様に別れを告げて、お先に失礼してしまった。

大山さんお送り頂いて有難う御座いました。


帰宅後引き続き、マトリックススピーカーの工作を行った。

逆相ユニットの仕切りの斜めカットを、マイターソーで施した。松の集成材なので軽々切れるかと思ったが、かなり苦労した。

見込み違いと共に、体力の衰えも感じた。

夜には、ここまで進んだ。

この先は、明日の夜以降のお楽しみ。

今回は専用アンプの製作もあり、手こずりそうだ。

間に合えば、『集まれ!塩ビ管スピーカー』のオフ会に持参しようと思っている。

さて間に合うかどうか...


2011/10/13

マトリックススピー カーの製作(2)


週末に面倒な部分を終えていたマトリックススピーカーシステムは、 昨日 までに大凡の部材の接着を終えて、左の写真のような状態になった。

いつものように、端には角材を貼り付けるので、この状態では、角部が空白になっている。

端に角材を付けるメリットは、板取が楽になることである。自分の場合、幅が一定の板をホームセンターで横方向に切ってもらうだけなので、こうしないと面倒 なことが多い。また、合板から切り出す場合でも、こうしておくと、板取が楽になる。

接着には、写真のような余りの板が必要である。

今日は、角部に角材を貼り付けた。

角材は、90度方向に引っ張らないと、しっかり付かないので、写真のように端金を4面に掛ける。こうすると、角材がしっかりと圧着されて、しっかりと貼り 付くようになる。

普通だったら、端金の面には、余りの板を充てがうのだが、この部分は、鉋で削りとってしまうので、端金の抑え痕は、気にしない。

これで2日間放置して乾燥させるといよいよ鉋掛けと仕上げが可能になる。

アンプのほうは、少しお預けである。今回はどちらかと言うと、アンプのほうが楽しみである。


2011/10/16

マトリックススピー カーとりあえず完成


この週末は、マトリックススピーカーの製作を急いだ。

急がなければ、『集まれ!塩ビ管スピーカー』のオフ会に間に合わない。

平日に接着を終えていた箱の端金を外した。角の角材は、少し大きめの誤差があるので、板より少しはみ出して丁度よい。ロイヤルホームセンターの材料は大抵 表示より少し大きめなので都合が良い。

上の4つの点は、架台を取り付けるためのネジである。箱の内側には爪付ナットが付けてある。最終的な接着を前に、爪付ナットの不良があるといけないので、 ネジを付けてから組み立てている。しかしこの後にこのネジが...

角の角材に鉋でアールを付ける。

適当にやっているだけだが、慣れたので、そんなに悪くない形に荒削り出来た。角材だと、目印が要らないのでやりやすい。

プ ロと違い、鉋の後に紙やすり掛けをするので、鉋の刃をたくさん出して厚く削った。スピーカー工作では、鉋で平面を削ることはあまりないので、刃の調整には 気を使わない。集成材だと削る方向があって、しかも、途中で削るべき方向が逆になったりするのだが、この栂の角材は、どちらの向きでも同じように削れて作 業効率が良い。

今回は、薄めたアクリルラッカーを重ね塗りした。

アクリル樹脂製ワックスのワンピカを後で塗ろうと思ったが、そこそこ綺麗だったので、仕上げにアクリルラッカーのスプレーを軽く吹いて終わりにした。

そんなに綺麗ではないが許せる範囲かと思う。

塗料を乾燥させる間に、基板の半田付を行った。

アンプ基板は、スペックのローエンドを少し伸ばすために、コンデンサーを3箇所標準より大きな容量のものにした。

整流回路のひとつは、ブリッジを浮かすのを忘れてしまった。ブリッジは発熱が大きいのだろうか。とりあえずこれでやってみて不都合があれば、後で交換すれ ば良い。失敗しても修正できるのはキットや自作ならではの利点である。

ラッカーが乾い たス ピーカーを架台に取り付けるときに、爪付ナットのひとつが固まってしまった!何とか外したが、ボルトが中に残り、結局3箇所しか、使えなくなってしまっ た。爪付ナットは、検査してから使ったし、ボルトを付けておいたのにこれでは困ったものである。

アンプは出来ていないが、普通のアンプに付けて鳴らしてみた。専用アンプは、逆相を再生するユニットの音圧を調整するだけの機能があるだけで、この調整を しないのであれば、普通のアンプでも問題なく使うことができる。メインのユニットは、左右を夫々再生し、右のサブユニットは左チャンネルの逆相を再生、左 のサブユニットは右チャンネルの逆相を再生する。こうすることで、L-RとR-Lが空間で合成されて付加されるというのが今回の実験である。逆相成分の音 圧をどれくらいにしたら良いのか分からないので、専用アンプを作ったが、うまくいけばこれでも良いのである。

ユニットは全てTangband製で、メインのユニットは、W3-582SCのジャンク品。麻布オーディオで1個980円で売っていたので、製造番号の近 いものを購入してきた。逆相成分用は、W2-802SEである。能率はどちらも86db/W-mなので、このままでは逆相成分が強過ぎるかもしれない。

音場が記録されているソースを聞いてみると、まあまあの広がりは出る。広めの居間より、狭い自室のほうが音場が広がる。壁の反射があるほうが効果が出るよ うである。

良かったのは、教会の鐘の音でが、スピーカーを離れて音が広がった。しかし全体では期待したほどではない。アンプの完成を急ぎたい。


アンプは、今日なんとか、放熱器に取付けた。

放熱器は、パソコン用のジャンク品で、かなり以前に1個100円で購入したものである。

孔は位置がずれるし、タップはまっすぐ入らないしで、結構面倒だった。

あとは次の週末の筐体への組み込みである。電子工作は、筐体の穴開けがいちばん面倒くさい。金属粉がたくさん散るし、ものすごく嫌な作業である。

自分で作るアンプの音は好きだが、面倒なのが嫌である。


2011/10/18

マトリックススピーカー用アンプ

新しいマトリックススピーカーシステムは、2009年12 月9日の日記に 記した設計思想で構成している。長岡先生のオリジナルシステムは、中央がL+R、右がR-L、左がL-Rで構成されている。これに対してこのシステムは、 左右を一応分けたうえで、右にサブユニットで-Lを加え、左にサブユニットで-Rを加える。空間で音波が合成されると、長岡先生のオリジナルに近くなるだ ろうという考え方である。ただ、うっかりしていて、メインユニットとサブユニットの音圧レベルをほぼ同じにしてしまったため、アンプで補正したいと考えて いる。

カスタムアンプは、2チャンネルアンプ2台で構成する。ユニエル電子のPA-445というステレオアンプ基板を若干改造して用いる。PA-445は、4Ω 負荷の場合、6W×2という十分な出力を得られる。単電源回路なので、出力側には直流成分カットの電解コンデンサが入っている。この電解コンデンサは音に は望ましくないが、フルレンジユニットを使ったスピーカーシステムの場合にはローカットが出来て便利と云えば便利である。また、逆相成分を受け持つスピー カーユニとにはローカットのコンデンサーを使用しても、位相が変わらないので都合が良い。
下の回路図(片チャンネル分のみ)は、三洋電機のLA4445というパワーICの取説にあるサンプル回路図と、ユニエル電子の取説を組合せて書いたもので ある。ユニエルのPA-445は、殆ど三洋の取説通りだが、少しずつ定数が異っている。オリジナルと比べるとアンプの負荷を軽く、故障しにくく設計してい るように見える。
そのままでは面白くないので、以下の変更を加えている。
  1. 出力の直流カットコンデンサを470μFから1,000μFにしている。これはローカットの周波数を下げるためである。
  2. 1番端子のコンデンサを47μFから100μFにしている。これは片側のみローカットの周波数を下げ、出力側コンデンサの容量増に対応し てい る。
  3. 6番端子に可変抵抗と固定抵抗を加え、片チャンネル(逆相用)のゲインを調節可能にしている。可変抵抗を最大にすると約-10dBゲイン を下 げることが出来る。
  4. ア ンプ基板側の脈流カットコンデンサは、付属のものが、470μFで16Vの耐圧だったが、耐圧に余裕がないので、手元にあった耐圧25V、100μFのも のに変更した。容量は少くなるが、整流基板のコンデンサに余裕があるのであまり問題にはならないと思う。それよりも安全第一である。




2011/10/23

とりあえず完成



集まれ!塩ビ管スピーカーのオフ会に持参するシステムの製作に手こ ずっ ていた。

昨日は、一日中アンプの製作に時間を使ったが、結局完成しなかった。そればかりか、夜中に続きをやっていたらスピーカーターミナルを半田付の過熱で溶かし て壊してしまったので、そこでお開きになった。

今朝は、破損したスピーカーターミナルの部分以外を仕上げてからアキバに出かけてスピーカーターミナルを購入した。

午後2時位に帰宅して早速続きに取り掛かったところ、4時前には一旦完成した(と思った)。ところが、繋いでみると音が出ない。あれこれチェックしてもお かしいところは無さそうだ。取説を何度も見ると入力側にコンデンサを入れるように推奨されていたので1μFのフィルムコンデンサを入れたが改善はされな かった。結局、問題は、プリアンプの出力ではなく入力に繋いでいたととが分かり、CDプレーヤーの出力に直接繋ぐとあっさりと音が出た。馬鹿だなあ...

アンプを作りながら考えたことがある。自分がケーブルに拘らない理由だ。アンプには、電解コンデンサを大量に使うし、基板のパターンは幅の狭い銅箔だし、 半田付の端子は小さいので細い線しか繋げない。今回のアンプに至っては、基板側のグラウンド端子が小さいので、スピーカーのマイナス側は、シャーシーに繋 ぐという荒業をしている。こんな状態で高級ケーブルを使っても音が良くならないと思う。

最後はこんな感じに仕上がった。CDプレーヤーは、安物で音が悪い DVDドライブを使用している。すぐに使えるものがこれしかないためである。それでも、トータルではそんなに音が悪いようには聞こえない。

逆相成分を増幅するチャンネルのゲイン調整機能は意図した通りに働いているようだ。様々なソースを聞き比べてみると、ソースにとって、逆相成分の適切なゲ インが異るようである。ものによっては大きく聞かせたほうが良く、適当に絞ったほうが良いものもあった。一旦逆相成分のゲインを決めたら触らなくても良い という想定だったのが全然違ってしまった。ということは、このような4チャンネルアンプが無ければ正しいマトリックスは出来ないということなのかもしれな い。

とりあえずは完成して良かった。



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