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集まれ!塩ビ管スピー
カー会長のたてちゅうさんの作品。赤茶色のほうは、Fostexのコンテスト一次審査通過作品で、その両側にある背が高い塩ビ色の作品と2機種を持参され
た。
自分が気に入ったのは外側のほうで、音の輪郭が鮮明、低域が力強くパワフルに聴かせるタイプである。流石に元祖の音だけある。デザインもブリュッセルに
ある小便小僧を連想させてカワイイ。しかも大事なところは交換して音の違いを楽しめるようになっている。
ダブルバスレフのようだが、頸の細い部分がダクトとしての動作をしているかどうかは良く分らない。全体がバスレフや共鳴管がミックスされた微妙な動作を
していると思う。ダクトの中にカーペットのような吸音シートを貼ってあるなど、音を追い込んだ後が伺える。 |
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KO
球さんは、TB製3"フルレンジを使用したシングルバスレフとFE87E使用のダブルバスレフの2作品をプレゼンテーションされた。
最初は、TBユニットを使用したシングルバスレフでである。シングルバスレフでも低音は十分出ておりバランスが良い。ローエンドは60〜70Hz程度と
思われるが、これだけレンジが広いと、これで十分ではないかと思いたくなる。音楽を楽しめる作品と思う。
次はFE87Eを使用したダブルバスレフである。両者の寸法は殆ど同じで、ダブルバスレフだからと云って、特別に大きい訳ではない。ローエンドを特別に
引っ張っているようでは無さそうで、低域のディップも感じられなかった。ちょっと聴くとダブルバスレフとは思えない、癖が無くとても良い音である。
この2つのシステムを聴いて、バスレフのサイズは小さい目のほうがいいのではないかと思うようになった。先日、音楽の友社で、評論家のセンセイ方が作った
バスレフを多く聴いた。このときは、大き目のサイズのものも数点あり、バスレフの癖を嫌というほど聞かされた。小さなサイズのバスレフは、低域の補償効果
も程々だが、その分癖も少い。ベースのブンブンした感じが無く、音楽が生きてくる。これらの作品は、丁度良い大きさで、癖が最小限に抑えられているところ
が素晴らしい。
低音については量より質が重要ということは、プロの作品を聴いても良く分らないが、こういうイベントでは思い知らされるのである。 |
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M-TKさんの
Twin-Hornは、アカデミー湯島の下見で音を聴いて知っている作品である。剛性の高い塩ビ管を使用した輪郭鮮明な音で、低域もMCAP-CRの特長
である癖の無さ、ローエンドの伸びが味わえる。
Stereo誌の書類審査をパスしなかった理由が未だに分らない。自分が専門家や評論家の悪口ばかり書いているので、MCAP-CRが嫌われた、という
ことはないだろうに(多分彼らは自分やMCAP-CRなんて知らないと思う)。
Twin-Columnは、床に直置きが失敗で、高音域が延びてこなかった。テーブルの上にでも置ければ真価を発揮できたのに、と残念である。 |
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コニさんのH2K-Jは、正真正銘のマルチシステムである。音出しの時に、好みのうるさいFさんは、レベル合せがまだだ、と仰っていたが、自分は、鮮明な
音にビックリしていた。Audio Basic付録CDの波の音などは、すぐ前で弾けていた。実際に波打ち際に行って聴くより、リアルな音と思った。
上から中音用、高音用、低音用のユニットが並んでおり通常と違うが、この並び順が絶妙のバランスとキレを演出している。ネットワークの音がせず、振動板
の無理な動きによるドップラー効果の歪もない素晴らしい音である。
やっぱりマルチの良さは聴かなければ分らない。 |
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こたちゃんさんは、
Yoshii9タイプの上を向いたシステムである。塩ビ管剥き出しでは奥様に怒られたので、ルーズソックスを穿かせて化粧したのだと云う。しかし、本当の
ところは、塩ビ管表面の音軽減させたかったのではないかと思う。
携帯電話に収録された圧縮されたソフトを使ったのだが、妙に音がいい。というか、良すぎる。何故?
ユニットが上を向いた効果により、多少正面から離れても不自然にならないのは、QNDR型に通じるところがある。 |
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古舘さんは、研究会の
オフ会でも鳴らされたMCAP-CRシステム、Stereo誌グランプリのTQWTシステム、JSP型システムの3機種をプレゼンされた。
MCAP
-CRシステムは、アカデミー湯島で聴いたときよりもソフトでマイルドな音。ずっと良くなった、と思ったら何も変えていないと仰る。カーペットの床、高い
天井、机のない空間といった、高音を吸収する要素がぴたりと合ったようである。やはり部屋は重要ということだ。
JSP方式は、TBのW3-927SEを使ったシステムである。ユニットの音は知っているので箱とのマッチングを聞いていたが、ちょっと高域が強く感じ
た。JSP方式は、バスレフの癖を軽減する有効な方式であることが確認できた。 |
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なーおさんのシステム
は、塩ビ管部分がダブルバスレフ、下の合板部分がスパイラルホーンという構造である。
高域から低域まで特に滑らかな音。バスレフ型の共振を感じさせない音には感心させられた。昨年のミューズの方舟さんのイベントでは、スパイラルダクトが
癖を無くす効果を確認していた。スパイラルホーンもやはり癖を無くす効果があるようだ。
上手に纏まったいわゆる『良い音』は、さすがと感じた。 |
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kenboさんのメイ
ンシステムは、ご覧の通りの高級システム。オーディオの小賢しい知識のない金持ちに1千万円の高級スピーカーと並べて音を聴いてもらったら、同じ値段でも
こちらを買ってゆくだろう。外見もGreat!とにかくどこをとっても見事なシステムである。
kenboさんご自身は、不思議な人徳のある方で、このスピーカーシステムも人柄を反映した音がする。他のシステムが霞むので、比較して聴いてはいけな
いが、オーソドックスな最上システムを知るためには、聴いておくべきシステムである。
ご自宅からの搬入と搬出も大変だったということで、聴かせてくださったkenboさんに感謝! |