Q0に対するスピーカーユニッ トのばね定数[N/m]
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以前に書いたように、パラメータQ0の物理的意味がどうしても分らないので、Fostexと Tangbandのフルレンジ75機種のパラメータQ0について調べてみました。
最初に、スピーカーユニットのばね定数とQ0との関係をプロットしてみました。ばね定数は、カタログには出ていないので、f0とm0とから計算しました。
このプロットを見ると、Q0が大きいほどばね定数が大きいようにも見えるし小さいようにも見えます。相関係数の符号を計算すれば良いという訳ではありませ ん。サンプル数が小さすぎるし、メーカーが2社だけなので、全体を表現できているとは考えられません。
ばねが硬いほど共振の度合いが小さく、全体として右下がりになると考えていましたが、必ずしもそうではないようです。
しかし、これだけで物理的意味を推定するには不十分なデータと云えましょう。
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Q0に対する低域周波数応答の 傾き
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次
に、Q0と低域の落ち方との関係を調べてみました。低域の落ち方は、メーカー発表の周波数応答曲線から、50Hz、100Hz、200Hzの3点の応答値
を読み、横軸を、周波数の常用対数値、縦軸を読取値[dB/W-m]として最小二乗法で勾配を計算し、その勾配値を縦軸にしました。
勾配の値が大きいほど、低域のレベル落ちが大きいということになります。
これも、Q0が小さいほど共振の度合いが小さいので、低域のレベル落ちが大きく、全体として右下がりの傾向を予測していましたが、グラフを見るとそういう 訳でもないようです。これも、右上がり、右下がりのどちらにも見え、相関は明確ではありません。
これも上記と同様に物理的意味を推定するには不十分なデータと云えましょう。
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Q0に対する坪量相当値
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次に、Q0とm0をa0で割った値(製紙工業の用語では坪量に相当)[kg/m2]との関係をプロットしてみました。
相当坪量が小さいほど軽く共振の度合いが小さくなります。
これも右上がりの傾向を想像していましたが、外れのようです。
同様に、これだけでは不十分と云わざるを得ないサンプル数なのですがどうも釈然としません。
上記はメーカーの発表値に基くもので、恣意的にまとめたものではありません。多数あるパラメータのうち2つだけを取り出して比較したのでは、充分でないの は当然ですが、それにしても、傾向が明確ではありません。
益々謎は深まりました。いつになったら適正容量値の推定に辿り着けることやら...
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