MCAP-CR
多自由度バスレフ型スピーカーシステムの研究開発
物理モデルに基くシミュレーションソフトウェア開発




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日記アーカイブ(2011年3- 4月)

05/01
スピーカー再生 技術研究会のオフ会/次の作品はCBS-CR
05/02
CBS-CR型 の概念設計
05/05
オフ会が楽しみ/CBS-CRの進捗
05/07
CBS-CR製作中/SPEEDI
05/08
CBS-CR型の工作はほぼ完成
05/12
新しいCBS- CR(CBT120a)の音
05/14
過渡特性
05/15
ボローニャ歌劇 場日本公演/Phile-Web
05/21
今年は受難の年か
05/22
信じる者は救われない
05/29
Phile-web コミュニティの日記/英語のブログを久々に更新/節電
06/05
日光
06/11
CBT120a の修正
06/12
よしなしごと
06/16
固まった刷毛の 再生実験−5日後
06/18
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06/19
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2011/05/01

スピーカー再生技術研究会のオフ会

スピーカー再生技術研究会は、昨年、場所を借りるために発足した会であったが、現在は会員数80名を数えるまでになっている。会員登録していなくても、 メーリングリストに登録している方もいらっしゃり、結構大げさな会になってしまった。今年は、M-TKさんのご協力で中野支部が発足し、中野ゼロという大 きな会場を借りることが出来た。
オフ会の日程だけが決まっている。

2011年9月4日(日) 中野ゼロにてオフ会

オフ会の内容についてM-TKさんと昨日相談した。協力してくださる方がいらっしゃるので、協力頂ける内容は優先することにして、その他にどのようなこと が出来るか考えてみた。

  1. 会員有志の発表
  2. 一般参加(広い会場で自作品を思いきり鳴らしてみたい!)
  3. チャリティーオークション(遊休品や自作品を持ち寄り、会場でオークション販売、売上を全額被災地の復興のために寄付する)
  4. インシュレータのような小物の効果を確認
1.は当然のことで、これがなければやっている人は面白くないし、やっている人が面白くないと来た人も面白くない。
自分は、タモリ倶楽部で紹介されたペットボトルの"Die Bremse"を出そうと思っている。M-TKさんの意見では、タモリ倶楽部は結構視聴率が高いので、それなりの集客効果はあるのではないかとのことだ。 出品数が少なくて間が持たないのであれば、多重共鳴管MPRを発表しようと思う。掲示板ではなかなか意見が集まらないので新たに募集しなければならない。
会員でない方もどうぞお願いいたします。speaker.ken@gmail.com までご連絡ください。

3.は、来場者数が少くとも数十名いなければ成立しないと思う。出品数のほうが来場者数より多いのでは洒落にならない。どうせチャリティーするなら多いほ ど良い。

4.は面白いが、比較する高級品を持っていないのが問題である。カネを掛けずに工夫することがモットーな会だけに、ブルジョワジーな会員はあまり多くなさ そうだ。

いずれにしても、このページを読んでおられる方は、是非ともいらしてください。また、アイディアもお願いいたします。

speaker.ken@gmail.com までご連絡ください。

次の作品はCBS-CR

次の作品を作りたくなり、板だけ先に購入してきた。購入したのは職場の 近くのロイヤルホームセンターで、下記の4枚、いずれもクリアパイン集成材という安いものである。
幅mm
長さmm
厚みmm
数量
300
1820
18
1
250
1820
18
2
250
910
18
1
材料費は、合計で、税込5,793円、カット代が14カットのうち10カット分会員サービスで80円の合計5,873円であった。直線カットだけなので、 穴開けは自分でやらなければならないが、東急ハンズに比べると結構安く済んだのではないかと思う。全部で、サブロク1枚と少しの分量である。安い材料だが 結構重かった。

何を作るかは、購入できる材料の在庫次第ということで、電車の中で検討しておいてその場で決めた。最初は、高さ600mmの2副空気室の標準MCAP- CRでいこうと思っていたのだが、その場でCBS-CRに変更した。多自由度バスレフ型は、空気室のサイズだけ適当に決めておいて後はダクトで調整できる ので、こういうアバウトな計画で十分である。これが最大のメリットかもしれない。仕上がり寸法は、300W×286D×450Hであるが、共振周波数など は未だ決めていない。スピーカーユニットも何にしようか考えていないといういい加減さである。

スピーカーユニットの候補は、FE103En-S, FE108Σ, DCU-F122W, FF125Kといった手持ちの遊休品である。ParcのDCU-F122Wはうまく鳴りそうだが、Fostexは難しそうで自信がない。今のところは、 FF125Kで追い込んで、オフ会でチャリティーオークションに出せればと思っている。こんなの欲しい人居ないか...


2011/05/02

CBS-CR型の概念設計








主空気室
Main Chamber
123W x 198H x 250D









第1副空気室
S1 Chamber
123W x 198H x 250D





第2副空気室
S2 Chamber
123W x 198H x 250D









C1空気室
C1 Chamber
123W x 198H x 250D

CBS-CR型のレイアウト
新しいCBS-CRはどのようなユニットを使うか考えながら、13cm を含めて手持ちのユニットを眺めてみた。

FE103En-Sは高級感抜群で音もよさそうだが、この箱では、低域の量感が足りなくなる気がする。

DCU-F122Wは、振動板が特に美しいが、ダイキャストフレームが薄くて少し高級感に欠ける。これは別の用途にとっておこう。

Omnes AudioのL5は13cmで高級感があり外観は好ましいが、フレームが大きいため、メインチャンバーの幅を増やさなければならない。また、この箱には弱 めな印象がある。

FF125Kは、古いが見た目は悪くないし、大きなマグネットが貫禄たっぷりである。取付寸法は調度良い。低域の量感が不足する懸念は残るが、これでやっ てみようと思う。低域が薄ければ、振動板に灰色の塗料を塗って、偽WKにする手もある。

今回の設計を左に書いてみて、空気室の呼び名が欲しいと思った。

とりあえず、左図のように副空気室を夫々、S1, S2, C1と呼ぶことにした。C空気室は、CBS-CR型固有のもので、主空気室には直接は繋がっていない。S空気室は、標準MCAP-CR型と同じく主空気室 に繋がっており、更に、C空気室にも繋がっている。空気室の繋がりのイメージを色で描いてみたがあまりピンと来ない。

CBS-CR型は、今回が2作目になる。前回は、標準MCAP-CR型と、AICC-CR型と比較するために作った(参照)のだが、予想に反して良い効果が得られた。 2010年のオフ会では、標準MCAP-CR型やAICC-CR型よりも特に好評だった。

CBS-CR型では、C空気室のダクトの共振が若干遅れるので、低音の重 みを出すことが出来る。多自由度バスレフの場合、あまりローエンドを欲張ると中低域の量感が減るので、S空気室ダクトの共振周波数はローエンドで 60〜70Hz程度に抑え、代わりにC1空気室のダ クトに40Hz位を軽く持たせようと考えている。

C1空気室のダクトは大きくせず、代わりに短くして効率を上げるよう設計する。また、ここのダクトは後ろを向けることで、位相の遅れ による悪影響を減らそうと試みる。

FF125Kという、バスレフ向きともバックロードホーン向きとも言い難いユニットへの挑戦は、果たしてうまくいくかどうか。うまく行けばオフ会でチャリ ティーオークションに出せそうだが...

2011/05/05

オフ会が楽しみ

5月1日に、オフ会のことを書いたら、ywjfnさんから、発表頂けるとのお申し出を頂いた。態々北海道から来て頂けるということだ。密閉型の改良型との ことで、とても楽しみである。他にも、参加頂ける方がおられると更に嬉しい。

また、集客方法についても画策しているが、なかなか妙案はない。聞いて頂ければ一般の方にも説得力があるイベントなのだが、来ていただけないことにはしょ うがない。中野ゼロという立派な会場を半分以上埋めるにはどうしたらいいだろうか。

2011年9月4日(日) 中 野ゼロにてオフ会

このページを読んでおられる方は、是非ともいらしてください。また、アイディアもお願いいたします。

speaker.ken@gmail.com までご連絡ください。

CBS-CRの進捗

新しいCBS-CRの設計がまとまったので、穴開け加工に入った。

穴開け自体は大した作業ではないのだが、自在刃の作業は危険がいっぱいで恐ろしい。手も足もコードも引っ掛けないよう細心の注意が必要である。穴開けは、 25mm×2箇所、44mm×4箇所、50×10箇所、104×2箇所で、作業は1時間ほどで終わったが恐ろしかった。本当は、スピード調整できるボール 盤が欲しいが、置き場所がないのが悩みである。とりあえず、ベランダでドリルを使って穴開けしたが、硬い板だったらとても無理だった。事故がなくて良かっ た。

削り屑の掃除も大変だった。外注出来れば良いのだが、設計しながらつくるのではしょうがないのだろう。

今日は、これにダクトを接着し、固定するところで終了である。次の週末では終わらないと思うので、完成まであと10日くらいだろうか。早く音を聞いてみた い。


2011/05/07

CBS-CR製作中




FF125Kを活用するCBS-CRの製作は、ダクトのコーティング工 程に入った。

コーティングは、紙ダクトを使用するためには必須の工程である。コーティングしないと、紙が毛羽立ってきたり、剥がれてきたりする。

最初に、240番の紙やすりで、大きなケバや、ささくれを削り取る。本当は丁寧に作業したいのだが、昨年スピーカー再生技術研究会のオフ会で発表した MCAP-CR/CBS-CR/AICC-CR三部作を作ったときから、腱鞘炎になって完治していないので、今回は軽く削るのに留めた。

コーティングには、ワシンの水性ニスを2倍位に薄めて使用する。細かい筆を使用して、ダクトの内外周や、ダクト穴の切断面に水性ニスを染みこませてゆく。 塗るのではなく染み込ませるのは、内部の繊維の結合力を多少なりとも補強するという目的と、コーティングの不足を無くす目的がある。濃い液を使うと十分に 染みこんでいかないので、効果が少くなってしまう。

塗っている途中は、紙に染み込んだ斑と、塗料の泡で汚らしい。見えないところなので、こういうものは気にせず、何度も塗り重ねる。塗っていく途中で、筆に 付いて来た紙の繊維は綺麗に取り除く。

垂らしてしまっても大した問題のない簡単な作業である。仕上げの腕も不要だ。

乾燥すると、泡はなくなり、表面がテカテカと光ってそんなに汚くはなくなる。

この後は、いよいよ部分接合工程に突入する。

製作の過程でCBS-CRの意外なメリットが見えてきた。

CBS-CRは、空気室を平面上に配置するのが基本なので、組立の間違いが少く出来そうなことである。空気室を立体的に配置すると大抵どこか間違えるが、 平面上に配置すると、ミスを犯しにくくなる。

普通はあまり気にしないのかもしれないが、ミスを防止する設計とか、ミスしても影響を少くする設計というのは、職業エンジニアが最も拘る点である。

SPEEDI

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の結果を速やかに公表しなかったことについて、マスコミが政府を叩いている。こういう ニュースを見るたびに、マスコミのレベルの低さを感じる。

SPEEDIによる放射性物質の予測は、各時間ごとの断面データに過ぎないので、この結果を見て逃げたり戻ったりするのは実用的ではない。光化学スモッグ のように、その場で気分が悪くなって倒れたりするような性質のものならともかく、瞬間的に浴びてもどういう効果があるか分からないような放射線量を瞬間的 に予測して避難に役立てようというのは馬鹿げている。必要なのは1時間先のデータではなく、月や年といった積分値での予測である。1時間程度の予測だった ら、実測値のほうが遥かに価値があると云って良い。1時間の間に重症を負うほど被爆があるならともかく、そうでないのだから、予測する意味どの程度あるの かも分からない。瞬間データを予測したって、その結果の使い方が分からない。だから、たとえ政府が速やかに公表したとしても、『だからどうするんだ?』と 別の怒られ方をするだけなのだ。現状のようなレベルの社会ではSPEEDIの結果を公表しなかったことには一定の合理性があると思う。公表しなかったこと が悪いのではなく、結果の使い方が分からないのが悪いのである。

自分が気になったのは、SPEEDI開発費の内訳と、シミュレーションのアルゴリズムである。

あまり使い道のなさそうなソフトウェアに開発費117億円というのは随分安そうな気がする。人件費が含まれていないのだろうか。だとすると何に117億円 も使ったのだろうか?

アルゴリズムは単に拡散の方程式を解いただけなのだろうか?各要素(英語でControl Volumeというのだが適切な訳語が分からない)の大きさはどの程度なのだろうか?スーパーコンピュータを使ったのだろうか?ドイツで発表されている予 測と同じアルゴリズムなのだろうか?そうだとすると何故同じものを使うのだろうか?...考えてみると疑問だらけである。壮大な無駄の気がしてならない。 これも自民党時代の遺物か。

2011/05/08

CBS-CR型の工作はほぼ完成




CBS-CRの新作はどんどん進んできた。

今回は、主空気室にワイン瓶のコルクを輪切りにしたものを貼りつけてみた。吸音材を使わずに実用になるかどうかの確認である。適当な厚みにスライスしたコ ルク栓をボンドでランダムに貼り付けてゆく。あまり綺麗に揃わないようランダムに貼り付けることにした。全部で、100〜200cc位の容積になったろう か。このあたりは適当である。擬似ロッククライミングの壁のようになった。見掛は面白いが、プラシーボ効果さえあるかどうか分からない。却って悪くなる可 能性もあるので取り敢えず聞いてみてからの楽しみである。

パイン集成材は、誤差が大きいので、空気室部分を組立ててから、出っ張っている部分を鉋と紙やすりで修正してからバッフル板とリアの板とでサンドイッチし た。端金にラップを巻いているのは、錆が付くのを防ぐためである。

大きめの端金は数を持っていないので、1本ずつしか組立てられない。自分の部屋には大きくて邪魔である。作ってみてから唖然とした。これでは、メーカー製 20cm3ウェイ位のサイズになる。12cm口径用のバックロードホーンよりはサイズが小さいが、これではスケールのメリットがあるとは云えない。特性が 悪ければ失敗作であるが、それは音を聞いてからの判断にしたい。

今回は、CBS-CR型のメリットを享受し、間違えずに組み立てることができた。

1本が先に組みあがったので、FF125Kを置いてみた。C1チャンバーからのダクトは、後ろ向きなので、写真では分からない。正面を向いたダクトのレイ アウトはあまり格好良くない。

寸法が300W x 450H x 286Dと大きいので、6畳間にはぎりぎりのサイズだろう。これより大きいと部屋の壁の影響が気になってしまう。バッフルも大きいので、音場感もメーカー 製より良い程度だろう。

音を出すだけなら無理すれば今日中に出来るが、仕事が溜まっているので、今日はここまでである。仕上げは先延ばしにして、来週末には音出ししてみたいと思 う。久しぶりのFostex FFサウンドを堪能したい。


9月4日(金)中野ゼロでのオフ会に、『チープに音出し』のケイさんも出 品してくださることになりました。ケイさん有難うございます。

皆さん、お楽しみにしてください。


2011/05/12

新しいCBS-CR(CBT120a)の音


今週は仕事がきつかったが、今日は少し早く引けた(とは云っても8時帰 宅)ので、懸案のCBS-CRを繋いで鳴らしてみた。半田付は大したことないが相変わらず綺麗には出来ないので箱の仕上げのときにもう一度やり直そうと思 う。
システムコンポに繋いでNHK AM第一を鳴らすと変な音だった。箱鳴りも結構強く感じた。このスピーカーユニットは、もう5年位鳴らしていないのでしょうがない。フリッツライナー指揮 シカゴ響のドン・キ ホーテは結構な迫力で鳴っている。流石にFostexの高級品だけあって筋金入りという感じの音である。8cmのCBS-CRと比べると低域 側は一回り大きくなった感じである。大きいだけのことはある。
パイプオルガンは結構低域が延びている。但し、後方を向けたC1チャンバーからのダクトの音は小さい。
このデザインはいいかどうか分からないが、音はそんなに悪くない感じだ。多自由度バスレフの音を知らない人が聞いたら中にウーファーが入っていると思うだ ろう。

名前がないと、分かりにくいので、CBT0120aという型名を付けてみた。音はもう少し鳴らしてから評価したい。


2011/05/14

過渡特性

新しく製作したCBT120aは、思いの外好みの音がする。FostexのFF125Kは、長岡先生のD-100にも使われているものである。 TR120aとして小型のものを製作したときは低音が不足していたが一回り大きく作ったため、空気ばねの可動範囲が拡がって低域の振幅が大きくなっている のだろう。CBT120a型の設計諸元は、下記の通りである。

CBT0120a型の設計諸元
項目
仕様
備考
M空気室
5.8L

S1空気室
6.0L

S2空気室
6.0L

C1空気室
6.0L

M〜S1ダクト
φ50mm x 46mm
簡易計算での共振周波数は143Hz
M〜S2ダクト
φ50mm x 76mm
簡易計算での共振周波数は110Hz
S1〜C1ダクト
φ50mmの穴のみ(板厚18mm)
ここの共振はあてにしない
S2〜C1ダクト φ50mmの穴のみ(板厚18mm) 同上
S1大気開放ダクト
φ44mm x 73mm
簡易計算での共振周波数は87Hz
S2大気開放ダクト
φ44mm x 123mm
簡易計算での共振周波数は67Hz
C1大気開放ダクト
φ25.4mm x 110mm
簡易計算での共振周波数は40Hz

ローエンドを欲張ることは諦め、低域の量感重視としている。C1大気開放ダクトは1インチの紙管を使って少しだけローエンドを狙ってみた。結果としては悪 くない感じがするが、C1大気開放ダクトの効果はほんの味付けに過ぎないようで、殆どC1チャンバーなしの2副空気室MCAP-CR型のような感じになっ ていると思う。

残念ながら測定の勉強が出来ていないので、素人測定は諦めている。

タモリ倶楽部でも鳴らしたオルガンのCDでは、結構下まで再生されている。オーケストラも8cmのCBT080aと比べるとスケール感がある。Bobo Stenson Trioの"Cantando"を聞くと、ドラムのサイズが実寸に近い感じで再生された。ピアノトリオのローエンドだったら大型システムと比べてもスケー ル感はあまり変わらないかもしれない。Audio Basic付録のオルガンCDでは、ファ(44Hz)とド(32Hz)は少し弱いが十分に再生されている。カウボーイジャンキーズの足踏みも取り敢えずは 聞こえているので、必要なレンジはカバーされているようだ。

スピーカーユニットは元々10時間位しか使っていなかったうえ、何年も在庫していたので、エージング不足で、粗さを感じる部分があった。しかし、数時間の エージングでも粗さは少くなってきた。Fostexの強力型を使っているだけあって、トランジェントは良いように聞こえる。能率が高いのと音の切れが良い ので、プレゼンテーション性能は結構良いのではないかと思う。

長岡先生が良く『音離れが良い』と表現されていたのは、過渡特性が良いということだと解釈している。一般的には定常特性ばかり評価されており、過渡特性の 評価はなおざりになっていると思う。スピーカーシステムの場合、振動板の変位を制御している訳ではないので過渡特性を評価するのは難しい。振動板の制御性 能なら、ステップ入力での振動板の変位を測定することで過渡特性の評価が出来るが、音波の場合、ステップ応答は直流(定常的な気圧の変化)になるので、ス ピーカーシステムでは再生不可能である。そんな理由で聴感に頼らざるを得ないのかもしれない。

CBT120a型は、今までの作例の中でも出来が良いほうの部類に入れて良いと思う。残念なのは、サイズが大きくなり過ぎたことだろうか。

2011/05/15

ボローニャ歌劇場日本公演

VISAカードから送られてくる雑誌のイベント情報をたまたま見ていたらボローニャ歌劇場の日本公演を見付けて、9月24日(土)に演奏されるベッリーニ の清教徒の公演のチケットを衝動買いしてしまった。NHKのイタリア語講座でボローニャ歌劇場のチケットはイタリアで最も入手が難しいという話を聞いてい たので一度聞いてみたかった。チケットは高価だがウィーンの国立歌劇場やミラノ・スカラ座ほどではなく、妥協に妥協を重ねて許せる範囲だと思った(ことに する)。
今回購入の決め手になったのは、ファン ディエゴ フローレスが歌うことであった。彼のテノールは自分が生で聞いたテノールの中では一番だと思っている。以前にパヴァロッティやドミンゴも聞いたことはある が、フローレスのほうが自分の好みだった。声の美しさはピカイチである。そして、オーディオでの再生の難しさも特別である。高級装置を使ってもも歪っぽく 聞こえる彼の歌声は、生では右にでるものがないほど美しいのである。9月24日なら、9月4日のオフ会の後なので、落ち着いて聞けそうだ。

Phile-Web

9月24日(日)に中野ゼロで行うオフ会を少しでも多くの方に聞いていただきたいので、Phile-Webというところに日記を書いてみた。Phile- Webの仕組みはいまひとつ理解出来ていないのだが、日記を更新すると、登録者にメールで案内されるので、読んで頂ける機会がありそうな気がする。未だ使 い方が良くわからないが、そこからメールも送れるので、コミュニケーションの手段も増えて良いのかもしれない。

2011/05/21

今年は受難の年か

このところ、私生活ではいろいろなことが続いている。今年は何かありそ うなので、旅行などは控えている。
もうすぐ父の命日なので今日は墓参りに行った。途中、公園のベンチで休んでいたら鳥の糞をかけられてしまった。幸い暖かかったので服を脱いで洗うことが出 来た。
墓石に水を掛けていたらカメムシにかかってしまった。カメムシは嫌がるかと思ったら水がかかったのが嬉しそうで水に浸かりながら水分を採っていた。
臭いにおいを出されなくて助かった。今日はカメムシにとっても暑い日だったのだろうか。

昼食後、日比谷公園で行われているオクトーバーフェストに行った。
ドイツでは文字通り10月に行われるビール祭りだが、日比谷では何故か5月に行う。どうせ日本でやるのだからマイフェストでも良さそうな気がするが、10 月に拘るようだ。
ドイツの有名なビールが登場するので楽しみではある。今年はホフブロイのヴァイスビアとラガーを楽しんだが昼食後なので、美味そうなソーセージやカツは食 べられなかった。席を詰めて空けてくださった若いカップルと談笑しながら1リットルを飲みきった。
気候もちょうど良く美味いビールだった。
昨年に引き続き今年もスピーカー再生技術研究会のオフ会を開催できるので楽しみである。昨年は会場を借りるために慌てて作った会であるが、それでも協力し てくださる方がおられるので、何とか面白い会が出来ると期待している。
チャリティーオークションが出来たときのために製作したCBS-CRの新作も調子が良い。エージングが進んで益々良くなっている感じがする。仕上げをすれ ば更に良い音になるかもしれない。自分は気に入っているが、果たして他の方にも気に入って頂けるだろうか。判断基準が一つに決まらないのがスピーカー再生 なので、これでいいのだと思う。
研究会のページも若干更新したのでご参照ください。

2011/05/22

信じる者は救われない

今日は、ブログハイエンドスピーカーのkenbo さんが東京に用事があったということでお会いすることが出来た。我が家は秋葉原地区にあるので、出会うのは容易である。電話を頂いてからアキバで待ち合わ せて容易に合うことが出来た。

お会いしたときに、kenboさんの新作の写真とか設計図を見せて頂いた。流石kenboさん、格好良いスピーカーである。材質は、広葉樹の高級材を使用 し、いつも通りの丁寧で格好良い仕上げである。今回はメインを置き換えるほどの出来で、スーパーウーファーももはや不要なくらいだそうだ。何と云うか、 やっぱり達人なのだと思う。

自分は達人には程遠いが、狭い場所で作る腕はなかなかなものかもしれない。あまり自慢にはならないのだが。

お話しする中で、話題になったのは、同じ自作を趣味とする人でも結構趣向というか色が違うということである。端から見れば、スピーカーの自作なんて皆同じ ように感じるかもしれないが、結構色が違うので異種グループが出来てしまうことがある。kenboさんと自分とでも色はかなり違うが、お互い違うものでも あまり拒否しないとところがあって、話が合う。どれが正しくてどれがダメとかそういう訳ではなく、評価が違うのが正しいのであって、自分のこだわりとか、 意見を見失ってしまうともはや趣味ではなくなってしまう。オーディオの性能は、まだ、簡単な数字で表されるところまでは行っていない。パソコンだったら性 能が全て数字で出るのだが、オーディオはそうではないので、自分のこだわりが重要になってくる。

だから、ウェブで怪しげな情報を見て鵜呑みにしていたら、趣味が趣味ではなくなってしまう。自分も、オーディオ放言の ところで好き放題書いているのだが、こういう情報だって、疑ってみなければ何も見えないと思う。どの石のインシュレータが良いとか言ったって、そんなの は、不確かさの中に隠れてしまう差なのかもしれない。人間のような不確かな感覚を元に構成された意見なんて、話半分どころか1%の評価で十分なのかもしれ ない。鵜呑みにしないでやってみれば済むことなのだと思う。

今回のCBS-CRが良いとか書いてみても、そ れは個人の趣向に過ぎないし、プラシーボ効果満点なのは云うまでもない。自分が好きなのは100%確かなのだが、一般的に良いとは絶対に言えない。長岡先 生の作品だって、プラシーボ効果の塊だったりするので、記事の中から自分の趣向に合っているかを推定し、実際に作ってみるか、あるいは、作った人に聞かせ てもらうかしなければ、自分にとっての確かなことは云えない。実際には使う環境が最も大事なのであって、ある特定の場所で鳴らしてウケが良かったなんてい うのは、信じないほうが良い。自分が使う環境で比較しなければ意味はないので、他人の情報を見るときには、音楽の好みとか、使う部屋の環境とかを合わせた ほうが良い。合わせずに盲目的に信じ込むと救われない結果になる。

9月4日のスピーカー再生技術研究会の オフ会も、いろいろな色の趣向の集まりなので、多分皆それぞれの好みを披露して頂けると思う。この会も自分のように、良く云えばおおらか、悪く云えばいい 加減な人間と松さんの ような、きっちりした人が始めた会なので、いろいろな色があって面白い。否定しあっていたらそれで終わってしまう。昨年の第1回オフ会は、皆、それぞれ尊 重し合って大人の会になった。今年もきっと大人の会になると思う。

信じる者は救われない、は言い過ぎかもしれないが、盲信は絶対に救われない。一歩引き、お互いに尊重して初めて救われるのだと思う。

2011/05/29

Phile-webコミュニティの日記

しばらく前からPhile-webコミュニティというところにも、日記を書いている。ブログとの差も分からないし、一体日記がどういう位置付けになってい るかも分からないが、取り敢えず、更新すると登録者に案内が行くようだし、検索にも引っかかるので、様子を見ながら続けている。ここの日記に書いてみた ら、"CBS-CR"でも検索上位にかかるようになった。この日記とは多少違うことを書いているので、覗いてみてください。5月15日の日記です。その後も2回更新しています。

英語のブログを久々に更新

英語のブログは、震災以降全く 更新していなかったので、昨日久しぶりに更新してみた。英語のページは書くのが面倒だし、感覚的なニュアンスの表現方法が良く分からない。エンジニアリン グは、数字で書けるので難しい表現は不要だが、オーディオのブログはどちらかと云うと文学的表現のほうが重要な感じがする。だからこそ、オーディオという 趣味が何となく異端に見られるというようなところもあるのかもしれない。

節電

原発事故依頼、自室では、KenwoodのミニコンポLCA-5MDをCDプレーヤーとアンプに使っている。自分が新たに作ったCBS-CRのCBT120aは、 能率が高いので、これで十分である。音もそんなに悪くないので、それでもいいかと思ってきたが、やはり、安物のデジタルアンプは表現の細やかさが足りな い。アニメ的に輪郭をくっきり出すので、クラシック曲以外は悪くないのだが、クラシック曲では、奥の深さ(何とも文学的表現だが)が出ないので欲求不満に なる。
節電のため、Feastrexの励磁型システムもずっと使っていない。これも少し欲求不満の元になっている。今後夏を迎えてどう対応するか悩みどころであ る。

買い物

先日買ったBUFFALOのBSKBU02ENBKという英語キーボードが手に馴染んだので、思い立って日本語版を買いに出た。日本語版の型式は BSKBU02BKでひとつ650円と激安である。これを2つ購入した。パソコン部品は商品寿命が短く、欲しいと思ったらすぐに買わないと無くなってしま うのである。

最近は、Ethernetがマザーボードに付いているので拡張のEthernetボードは入手しにくい。先日は、AGPバスのグラフィックボードを購入し たが見つけるのに往生した。しかも価格はPCI-Expressバスのものと比べて2倍以上であった。以前は普通に購入できた部品も今や入手が大変なので ある。ハードディスクもシリアルATA規格が出来て6〜7年(8年以上?)経過したので、今や、IDE規格のものは非常に高価である。しかも、IDE規格 の最後のものは、Ultra ATAなどというシリアルATAの上位規格のような名称なので間違って買ってしまったりする。先日、PC部品を整理していたら、SCSIボードが3枚出て きたが、これも使い道がない。PC関連部品は、流行り廃りが激しく、古いものは入手困難で高価になるが、自分の持ち物はタダのゴミになる。

それで思い出したのは、昨年11月末におなじみのT-Zoneが廃業してしまったことである。自分には馴染んでいて買いやすかったのだが、無くなってし まってはしょうがない。T-Zoneの場所は、ドスパラになってしまったので、今はドスパラで買っている。アキバは、はかなさを感じさせる街でもある。

ついでに少し脚を延ばして麻布オーディオに出かけた。Parc Audioの13cmパルプコーンが気になっていたので見てみたが、今日は買わずに堪えた。代わりに吸音材を購入した。Parc Audioのウールのもので、少量で1,600円と高級品である。ポリエステルのふつうのものもあるということで、そちらはずっと安かったのだが、量が多 過ぎるし、ウールのものでも大した値段ではないので、高い方を購入した。音の差が分かるかどうか、多分判別できない程度の差だと思うので、大量に使うとき は、迷わず普及品を買うだろう。今回は、CBS-CRの新作CBT120aに後で使ってみる実験用途だけなので少しで良かった。

おまけ

ミニコンポの音が気に入らないと書いたら、気を悪くしてしまったのか、とうとうCDの排出が出来なくなってしまった。以前から同じような症状があり、分解 して整備したりしたのだが具合が今ひとつであった。今回はとうとうこれでおしまい、という感じになったので、とうとう諦めて、メインのコンポ(アキュ フェーズC-2000、ユニエルPA-036、日立DVL-P900)に繋ぎ変えた。やはり、こちらのほうが表現の幅が広く、細かい音が良く出る。問題は 節電対策だ。メインのほうが当然ながら消費電力が大きそうである。狭い6畳間ではパワーは不要なので、もっと小型のアンプを使うか、悩むところである。 ローエンドのプリメインアンプを欲しくもあるが邪魔な気もするし、どうしようかと悩んでいる。

2011/06/05

日光



昨日、今日と、1泊2日で日光を旅行した。

日光と云えば、妻も自分も40年以上前に訪れたらしいという不確かな記憶があるだけで、10年前から行こうかと言っていた名所である。また、昨年、ミステ リートレインのツアーで、思いがけず駅の周辺を訪れ、空気が美味いのと、少し気温が低めなのとで、もう少しゆっくり訪れてみたいと思っていたところだっ た。今回はエースJTBというツアーを購入して東武日光駅まで行き、そこからレンタカーを借りて一回りしてきた。

小型のレンタカーを借りて最初に訪問したのは華厳の滝だった。子供の頃の記憶しかない二人にとって、見たことあるのかないのか良く分からない景色だった が、子供の頃はエレベータが無く、滝の下の方からは見えなかったのではないかという意見で一致した。今回は、滝の水量が多く仲々の見応えだった。

滝のところにある売店を見ると、自分がインシュレータに使っている水晶やアメジスト等の石を売っていた。御徒町の石屋で売っているものより石の粒が大きめ だったので、買おうか迷ったが、小さな大瓶で800円もしたのでやめておいた。

中禅寺湖の周りを回っていたら、竜頭の滝という滝があった。名前が素敵なので見学したら、滝が美しいだけでなく、ツツジも美しかった。日光は世界遺産の街 だけあって、名所が多いものだと思った。

宿泊したホテルは、日光金谷ホテルというベーカリーが有名なところで、そこにはプライベートな河原があったりしてゆっくりと寛ぐことが出来た。川の流れを 聞きながらゆっくりと眠ることが出来て寛いだ。

有名な東照宮は、子供の頃の記憶は殆ど無かったのだが、世界遺産だけあって美しかった。鳴龍も素晴らしい音響建築だった。

たまにはオーディオ趣味を離れてこういうものも良いものだと思う。


2011/06/11

CBT120aの修正







 スピーカーシステムをひっくり返した。

 これは音を変えるためではなく、仕上げを修正するためである。

 このシステムは、ロイヤルホームセンターで、定尺幅の集成材を直線カットしてもらった以外はすべて自分で穴を開けたり削ったりして組み立てたものであ る。

 ロイヤルホームセンターのカット誤差は、0.5mmも無かったが、それでも、板の厚み誤差があるし、板が伸びたりして仕上げの寸法が狂った。

 狂いは、なるべく目立たないところに集中させるようにしている。具体的には、接地側とか背面に段差ができるように組立ている。

 今回は、この段差の修正作業に着手した。


 カットの寸法には殆ど狂いがなかったのにもかかわらず、接地面の段差は、最大2mm程度ある。今回は、内部構造材を十字型に組んでいるため、カットの僅 かな誤差、板厚の誤差、板の伸びが加算されてこのような大きな誤差になっている。

 以前は、このような誤差が出た場合には、出っ張り部分を鉋で削り、紙やすりで仕上げていた。しかし、せっかくの板がもったいないので、最近は、このよう な段差に檜の薄板を貼って化粧するようになった。

 檜の薄板の化粧は、作業が簡単な割には効果が大きい。鉋で段差を削るのは骨が折れるし、合板では醜くなってしまう。それに対し、檜は、柔らかくて削るの がラクである。貼る手間を考えても、広い面を削るよりは体力的な負担が少くなる。

  檜の薄板は、厚さ1mmのものと2mmのものをそれぞれ4本ずつ準備した。1mmのものは、東急ハンズで、2mmのものはロイヤルホームセンターで購入し た。それぞれ幅は公称20mmである。但し、東急ハンズのものは、公称値より1mm位小さいことがあるので、注意を要する。

 このような部材を購入するときには、必ず大きめのものを購入しないと却って格好悪くなる可能性がないとは云えない。ロイヤルホームセンターで売っている 部材は、常に大きめだったので、こちらのほうが親切である。

 この部材は、最初は鋸で切っていたが、ハサミで簡単に切れることに気づいた。ハサミで切るほうが良いようである。

 寸法通りに切り出し、木工用ボンドで貼り付ける。貼りつけたあとは。良く押し、湿ったタオルで拭く。

 湿ったタオルで拭くのは、はみ出したボンドを取り除く意味の他に、部材の外側を湿らせる効果を出すためである。外側を湿らせないと、板が反って、剥がれ てしまうことがある。

 このよう薄板の場合には、剥がれてしまうことは少ないが注意するに越したことはない。

 接着後は汚いが、乾いた後に、鉋と紙やすりで修正すれば割と綺麗になる。

 修正作業は、来週にでもしようかと思う。

 音が出てしまった後は、落ち着いて作業ができるので、このようなのんびりした工程が可能である。音出しの前に仕上げようとすると、早く音を聞きたくて急 ぎの作業をするので、失敗しやすくなる。

 今日は、仕上げ塗装の準備のため、ラッカーが固まってバサバサになった刷毛の再生の実験を行った。

 塗装の後、毎回念入りに筆を洗うのだが、完全には綺麗にならず、毛が固まってしまう。このような刷毛は捨てるしかないのかと思うが、勿体無いので、薄め 液に浸けてみた。数時間ではどうにもならないので、このまま来週まで放置してみることにした。ビンはこのために態々買ってきた食料品用である。ロイヤル ホームセンターで199円だった。ピクルスでも漬けるものだろうか。ビンは大きいのだが、筆が長いので、筆はカットしなければならなかった。既に8時間く らい浸けているが変化はない、このまま捨てるしかないのだろうか。


 


2011/06/12

よしなしごと

 昨日うすめ液に浸けておいた刷毛を見たがあまり変化がない。ウレタン系の塗料が付いた刷毛の再生が難しいことは知っていたが、アクリルラッカーもダメな のだろうか。塗料については知識がないので、いいのか悪いのかは分からなかったが、アクリル系塗料は後からでもうすめ液に溶けると思っていた。溶けないの だったら、アクリルでも十分塗膜が強いということになるので、敢えてウレタン系を使う必要もないのかもしれない。ウレタン系よりアクリル系のほうが作業が 容易で仕上がりも綺麗なのである。しかし、結論を出す前に来週まで様子を見たほうが良いと思う。

 自宅用にメインで使用している、Nforce2チップセットのマザーボード+Athlon XP1700+という古いパソコン(OSはVine Linux version 5.2)の/homeディレクトリをマウントしているパーティションが手狭になったので、ディスクを交換した。データをコピーした後、ディスクを入れ替え て再起動...で完了と思っていたらそう甘くはなかった。再起動時にエラーが出まくって、修正に数時間を費やした。いったん問題なく使えると思ってもその 後にまた、エラーが出た。まだまだLinuxシステムの理解が足りないと痛感した。それでも最後には使えるようになったのだから、Linusさんに感謝し ないわけにはいかない。

 家族用には、Athlon64x2+4GB RAMをWindowsXPで使用していたが、最近は、Turion64のPCに、OpenSuse11.3という構成で使用している。Turion64 のマザーボードは、MSIのK8MM-Vというモデルで、VT8237Rというチップセットを使用している。メモリは1GBしかなく、あまり速くないと 思っていたが、ハードディスクをIDEからシリアルATAに変えて見違えるように速くなった。家族はMS Officeを使う必要がないため、このモデルで十分で、すでに、スペックが数段上のWindowsXPのPCを起動することも無くなってしまった。この ところ、我が家では、LinuxがメインでWindowsは限られた用途だけにしか使わなくなった。Linuxを導入したてのころは、ファイルのバック アップ等に不安があって、完全には移行しきれないでいたのが、今は、Linuxのほうが却って安心感がある。Linux用のウィルス対策ソフトは、有償版 があれば使用したいのだが、今のところ、無償版しか見付けていない。それでも十分である。Linuxシステムは何年も使用しているが、ウィルスに感染した ことは一度もない。理屈から云えば、Linuxシステムでは発症の可能性は低いものの、感染は普通にするはずなのに、全然感染もしないので、ウィルス対策 ソフトは、常に空振り状態である。ウィルスも高度化しなければ生き残れないのだろう。ウィルス対策ソフトが空振りというのは、平和な証拠である。

 Linuxの問題はディストリビューションが多いことである。我が家のPCだけでも、OpenSuse11.3、OpenSuse11.4、Vine Linux 5.2、Linux Mandriva 2010と4種類のディストリビューションを使用している。そのうち更に増えてゆくと思う。どのディストリビューションも一長一短で、どれが最適は、良く 分からない。同じようでいて結構違うのである。上記の4つは、分類としては全て、Redhat系である。Redhat系の他にも、Linuxには Debian系がある。最近は、Debian系がメジャーになってきており、上記の4つは、日本ではマイナーディストリビューションである。マイナーだと 使っている人が少いので、問題が起きたとき解決が大変になる。

 自分には、メインストリームにならないという生来の性質があるので、やむを得ないのだろうか。多自由度バスレフも、自分が生きている間は、メインスト リームにはならずに終わるのだろう。しかし、あと50年後には、間違いなくメインストリームになると思っている。そのためには、文書を残すことが絶対に必 要なので、今も細々と文書化に努めている。それも英文でなければならないのである。英語が嫌いな自分の性格に全く合わない。

 狭い我が家には、20cmシステムは無理なのだが、数年前にヤフオクで落札したFE206Sが1対、20年位前に購入したFE206Σが1対、更に同じ く20年位前に購入して、エッジが風化したEAS-20F20が1対ある。20cmシステムは、大きいので低音再生に有利、と思っていたのだが、ところが どっこい、ボイスコイルの系が大きく、中高域の音圧が特に高いので、低音は却って寂しくなる。多自由度バスレフで頑張っても、サイズが巨大になるので、狭 い家には合わないのだ。それに、20cmシステムを聞こうと思ったら、最低でも5mは距離を取らないと、音のフォーカスが甘くなってしまうので、狭い家に は全く似合わないのである。これらの20cmユニットは一体どう使えばいいのか、悩みは尽きない。ときどき設計は試みるのだが、サイズを想像しただけで腰 が引けてしまうので、20cmシステムは自分の空想の中だけに生きている。


2011/06/16

固まった刷毛の再生実験−5日後
 アクリルラッカーが固まった刷毛を薄め液に漬ける実験を始めて5日が 経過した。
 観察しても、刷毛の様子に変化はない。変わったことと云えば、刷毛の柄に薄め液が浸透したことと、薄め液が何となく茶色っぽくなってきたことくらいであ る。薄め液に木の色素が溶け込んだのだろう。
 どうもこれではこの刷毛が使用可能かどうか判別できない。あと何日か置いてもダメそうな感じである。
 やはり、塗料を一旦乾かすと仲々溶けないのだろう。ということは、アクリルラッカーの塗膜は十分強いということになる。
 今後はウレタンではなく、アクリルを主に使っていこうと思う。


2011/06/18

W6-658A

 今日は、Stereo7月号の発売日だったので、ヨドバシ アキバの書店で早速購入してきた。
 5月22日の日記で、kenboさんにお会いしたのは、この号の『スピーカー競作2011』の記事のために、kenboさんが音楽之友社に行かれる前の 時間だった。そのときにkenboさんのシステムについては既にお聞きしていたが、どのような記事になるのか興味があった。

 kenbo さんの新作は、FW-168HRという高級ウーファーをkenboさんオリジナルのバックロードバスレフ(BLBR)方式に仕上げていたものだった。これ を読んで、自分も16cmにチャレンジしたくなった。と、自分がTangbandのW6-658Aという6インチウーファーを持っていたことを思い出し た。これは、麻布オーディオでジャンク処分をしていたもので、1本あたりたったの1,600円位だったように記憶している。
 このウーファーは、マグネットが90mm径と非力そうだが、それはそれで良いところもある。フレームサイズは、外形が176mmとさほど大きくないので 使いやすい。この価格にもかかわらず、ダイキャストの立派なフレームである。HzHという販売店のサイトでは、50.5euroだったので、激安での購入 だった。

 しかし、これとて使えばただでさえ狭い我が家が益々狭くなる。一体どうすれば良いのだろうか。

2011/06/19

Stereo誌7月号のおまけ



 今年は、Stereo誌7月号のおまけを組立ててみた。昨年は、4冊 も購入しながら、不精のため結局1組も組み立てなかったので、今回が初めてであった。

 取扱説明書のままにやっていけば取り敢えず組み立てることは出来る。しかし、初めてなので、ボンドの塗布量などがよく分からなかった。組立はすぐに出来 たが、写真の通り、ボンドがたくさんはみ出ている。我ながらヘタクソだとおもった。取り敢えず音は出ると思うが、全然期待していない。

 FosterのFF80BKと同じかと思ったが、こちらは、フランジ外周の折り曲げが少いようだ。折曲量は多いほうがフランジの剛性が高くなり有利だと 思う。

 昨年、FF80BKを8本購入して、最初のQNDR型を作ったときは、柔らかい音色が気に入っていた。今回は殆ど同じと思われるものを、自分の手で組立 てたので、音は悪くなると思うが、いずれ何か作ってみようと思う。このサイズだと、テレビの脇に置いて使うのには丁度良いかもしれない。

 裏面には、『Stereo』と『FOSTEX』のロゴが入っている。空気漏れ防止のスポンジゴムが最初から付いているのは親切である。

 手作りアンプの会では、このユニットを使ったイベントを企画しているようだが、自分はそこまで入れ込もうとは思わない。FF125Kを使ったCBS- CRの音を聞いて以来、8cmには限界を感じるようになってしまった。



2011/06/26

黒檀のインシュレータ




 昨日、暑さ対策グッズを買いに東急ハンズ銀座店まで行った。

 暑さ対策グッズは、襟に巻くタイプを2種類、小さな扇風機を2種類購入した。襟に巻くタイプは今使っているところで、意外に涼しい。襟が濡れて気持ち悪 いところと、外装を取り外して洗濯できないのが欠点である。

 ついでに木材を見ていたら、黒檀の丸棒があったので、直径20mmのものを1本購入してきた。黒檀は、他の木材と比べて特に密度が高く、ずっしりと重 い。

 仕事が忙しいので、今週は触らないつもりだったが、ストレス解消のため(?)に切ってみた。例によってマイターソーを使う。少しずつ回しながら切れば、 ささくれが減るかと思ったが、断面に段差がついたので、最終的には、ささくれを認容してまっすぐ切った。

 黒檀の切粉は、コーヒーのようで妙な感じである。素材が固いためか、鋸での切粉も粒子のサイズが揃っているようである。

 約4mmと7mmの2種類の厚みに切り分けて薄いほうからCBT120aに敷いて試してみた。

 今まで使っていた水晶粒と比べてもそれほど表現の細かさが失われた感じはしない。低域はむしろしっかりするようだ。水晶粒との差は、誤差範囲かもしれな いが、そんなに悪くない。

 細かいことを云えば、形状・サイズや、置き方でも変わるので、黒檀の絶対的な評価は不可能だが何となく評価するとかなりいい。

 今回黒檀を使ったのは、Philewebで、紫檀ブロックが良かったと教えて頂いたためである。東急ハンズ銀座店には、紫檀の丸棒は置いていなかったの で、黒檀にしてみたものである。

 819円という金額は、オーディオ趣味としては安いが、塵も積もれば山となるので、無駄な気もする。趣味なのでカネの続くうちはいいことにしよう。

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