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FE108S
の突き抜けるような音は爽快この上なく、正に、自分のイメージする長岡サウンドそのままである。バスレフでは、低音が遅いと云われるが、この音を聴くと
まったくそのようには感じられない。低音が遅いといわれる理由は、所謂バスレフ向きというスピーカーユニットを使用するためだろう。バックロードホーン向
きと云われるものを使用すれば、極めて速い低音を痛快に再生するようだ。そもそも、既存の理論には怪しい部分があるので、既存の理論の盲信による思い込み
は禁物だろう。
FE108Superの痛快 な音は良いのだが、高域のキンキンした音は、やはり気になる。それに、歪も感じるので、何らかの対策が必要だ。
先ず最初は、空気室に入れることにより、反響を散らそうと思い、暫く貯めておいたコルクを使うことにした。これらのコルクは、カッターナイフで縦割りに し、空気室の内壁を波型にするのに使用する。綺麗な波型ではなく、適度に乱雑に並べたほうが良い。
よくもこれだけ貯めたと思う。これでも1年弱の量である。以前のコルクは飲む都度捨てていた。因みにワインはコルクの栓のもののほうが味がまろやかだと 思う。
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実際に並べてみたところ、作 業が思ったよりも難しく、やはり乱雑になった。
接着したつもりでもすぐに剥がれてしまうので、ヘアドライヤーで乾燥させながら何とかくっつけた。
音を聴くと、何も無い状態よりまろやかな音になった。これはなかなかの効果である。
この状態で、暫くきいてみたところ、ジャズやポップスでは問題が感じられなかったがオーケストラ等では、粗さが感じられた。耳を劈くような高域も、痛快 ではあるが、続けて聞くと疲れてしまった。
一晩寝て、コルクが接着され
ていることを確認してから、スポンジシートと台所用スポンジを壁に貼り付けてみた。写真の上側と両サイドには、林檎の下に敷いてあった厚さ5mm位のスポ
ンジシートを貼り付け、下側には、Ampelmann型 のスポンジを敷いた。これは、複雑な形をしているので、吸音には丁度良い。
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この状態で聞いてみると、突き抜けるような高音が大人しくなって、普通っぽい音になった。吸音材の効果は流石で、キンキンした感じが殆ど感じられなくな た。しかし、ここぞというところの強打と踏ん張りはさすがにSuperだけのことがある。
ずっと連続して鳴らしていたので、エージングの効果とも相俟って、聞きやすい音になってきた。突き抜ける高音は減退し、中低域の厚みが増してきた。バック
ロードホーン専用のSuperもMCAP-CRで使用できることが分った。まだ多少高域寄りのバランスだが、広い部屋で聞けば、丁度良いのではないだろう
か。大山さんのところで聞いたD-101Sの記憶と比較すると、低域側のレンジはこちらのほうが10Hz位広い。ローエンドの差が10Hzというのは、大
げさ
に云えば10倍位の差と思って良い。D-101Sでは再生できないオルガンの低音も十分に再生しているので気持ちが良い。大太鼓がガツンと来た後の、ブル
ルル...という震えも良く再生しているし、打楽器の低音は、凄く速い。この速さは、市販品ではなかなかお目にかかれない。高級オーディオショーで聞く音
は、艶があって心地良いものの低音がダブダブしていることが多い。それに対して、Superで駆動した箱の低音は、あっという間に自分の中を突き抜けて
行ってしまう感じである。
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