Project MCAP-CR 多自由度バスレフ型研究所 Audio Engineering Laboratory |
前回考察したダブルバスレフが普及しない理由をまとめます。
Fig.21 MCAS-CR型の構成
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左にトリプルバスレフ型の構成を再掲しました。ダブルバスレフの場合は"2"のダクトが大気開放側になります。 |
ただし、直列接続のバスレフ型には大きな欠点があります。
それは、前々回に説明したように、バスレフ構造そのものに、ハイカットフィルターの要素があることです。
すなわち、ダクト1、Sub1、ダクト2、Sub2、ダクト3を通過するうちに高域が減衰してしまうのです。
このため、振動板前面からの低域放 射がすくない小口径の場合には、ふつうに設計すれば、ダクトからの音は、カドが取れて、
振動板前面からの音とのマッチングがわるくなる可能性があります。
この問題点を解決するには、ダクトを同じ軸上に繋ぐのが良いようです。
こうした作例は実際に聞き、効果を確認できました。
とはいえ、実用的にはトリプルバスレフが限界でしょう。
自分は、実際にクオドラプルバスレフを製作しましたが、結局は諦めて、並列接続のMCAP-CR型にたどり着きました。
次回からは、ようやくMCAP-CR型について、考えたいと思います。