MCAP-CR
多自由度バスレフ型研究所
Audio Engineering Laboratory




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スピーカー再生技術(5)-バスレフ型とは(その4)

 前回は、バスレフ型スピーカーシステムが、ヘルムホルツ共鳴器の原理を応用していることについて書きました。しかし、そこで終わってしまっては、バスレフ型の本質が分かりません。バスレフ型のもうひとつの重要な特徴は、共振による位相反転です。

 共振による位相反転については、オーディオ放言のコーナーの中で、『位相反転動作』として書きました。そこで書いた内容を含めてもう少し書いていきます。

 スピーカーシステムの中で、最も重要なのは、スピーカーユニットそのものです。自分は、そこではなく、ユニットを収める箱に注目して研究していますが、 主役は、間違いなく、ユニットそのものです。バスレフ型も、ユニットの能力を引き出すことを目標とします。箱はユニットの不足を補うものという考え方もで きますが、やはり、能力を引き出すといったほうが聞こえが良いでしょう。

 そこで、バスレフ型のモデルとして、ヘルムホルツの共鳴器に振動板を加えた、ばね−錘モデル(Fig.6)が登場します。

 ばね−錘モデルは、錘をばねで吊るしたもので、支点が振動するものです。



Fig.6
ばね-錘モデル
 Fig.6において、下の球は、ダクトの中の空気の塊(質量)を表し、ばねは、空気室を表します。そして、手は振動板、振動板には駆動装置(人間の身体=アンプ)が付いています。

 そして、ここで、手を上下に動かすとどうなるかを考えてみましょう。

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 まず、最初にゆっくりと動かすことを考えてみましょう。
 手をゆっくり動かすと、ばねと錘も動きますが、ばねはあまり伸びも縮みもしません。そうすると、手と錘とは同じように動くことになります。これを図に書いてみるとFig.7のようになります。


Fig.7 固有振動数よりも十分に低い周波数で動く場合

 ここで、固有振動数という用語が登場しました。これは、バスレフ型スピーカーでいえば、バスレフの共振周波数に相当します。この状態をスピーカーシステ ムに例えると、振動板が飛び出すときは、ダクト内の空気が引っ込む動作です。この結果、振動板で発生した圧力変動をダクトが打ち消す動作になります。

 すなわち、バスレフ型スピーカーでは、共振周波数以下は、再生できない(少しは出ますが)ということになります。

 つぎは、手の動きを速めて、みましょう。上下動をだんだん速くしてゆくと、あるところで、手と錘とが、逆向きに動くようになります。

Fig.8 固有振動数で動く場合

 これが、バスレフ型スピーカーの共振周波数での動作となります。この状態では、振動板は飛び出すときには、ダクトの中の空気も飛び出すので、圧力変動は 相殺されずに加算され、結果としてこの周波数での音が大きくなります。バスレフの共振周波数は、低音になるように設計するので、結果として、バスレフ型は 低音がよく出るようになります。

 そして、さらに手の動きを早めるとどうなるでしょうか。すると、今度は、錘があまり動かず手だけが動くようになります。


Fig.9 固有振動数よりも十分に大きな振動数で動く場合

 この状態では、バスレフ型のダクトは動作していないことになります。すなわち、バスレフ型は、振動板背面の中高域を吸収していることになります。

 以上を一言にまとめると次のようになります。

バスレフ型スピーカーでは、共振周波数で音圧が高くなるが、それより低い周波数では、音圧が極端に下がる。また中高域は箱で吸音される。

 ここまでは、一般の本にも書かれた内容が多くありました。この次は、シミュレーションソフトを使用して、バスレフ型の動作を検証してみましょう。

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管理人: 鈴木 茂