オーディオ趣味の世界に研究心を

スピーカー再生技術研究会について

発足の経緯

 2010年に多自由度バスレフ型の研究をしている鈴木とゲテもん工作実験室の松さんとがあるオーディオショップのイベントで偶然出会いました。
 それから、交流が始まり、『発表会をやろう』ということになりました。
 しかし、個人での発表会を開催するには、会場費負担が大きいため、適当な会場を探すのが、困難でした。そんなときに、ある方から 教えて頂いた会場が候補になりましたが、借りるためには、団体登録が必要でした。
 そこで、急遽団体を結成することになりました。これが、スピーカー再生技術研究会となりました。

結成後

 団体を結成するまでは簡単でしたが、人数を集めるのは容易なことではありませんでした。
 そこで、いろいろな方に助けて頂き、その結果、予定の人数はすぐに揃いました。
 お世話になった方々には、心から御礼申し上げます。

 結局、その会場を借りることはありませんでしたが、発足のきっかけは、そういう実用的な理由からでした。
 いまでは、会員数は3桁に達し、交流も盛んになっています

誰でも参加自由です

 会のイベントへの参加や、メーリングリストの登録のために、会員になる必要はありません。
 誰でも参加可能で、かつイベントへの出入りも自由です。
 これは、会の理念である、『広く公開する』ことを目的にしているためです。
 イベントは楽しくやっていますので、興味のある方は、ご遠慮なくご参加ください。
 発表するのにも、会員資格は必要ありません。

 皆様の参加をお待ちしています。

スピーカーはオーディオの主役

 スピーカーは、オーディオコンポーネントの中で、音源の次に重要なものです。 スピーカーシステムを決めなければ、オーディオコンポーネントを決めることが出来ません。 アンプは、スピーカーを駆動するためにあるので、決して、スピー カーシステムを超えることは出来ません。

 スピーカーシステムは、オーディオコンポーネントの中で、最も単純であり、かつ、最も難しいものです。
 スピーカーシステムの音は、どこを変えても変ります。また、正解が何かも分りません。  更に云えば、空気の温度、湿度や気圧が変れば、音が変ります。アン プも周囲の状況で音が変りますが、 スピーカーシステムほどの差はないでしょう。

 スピーカーシステムの音の差を聴き分けるのは、必ずしも難しくありません。
 スピーカーシステム以外の音の差は、注意して聴いて、やっとわかるほどの差であることもありますが、 スピーカーシステムの音の差は、殆どの場合、はっきりと分ります。
 なぜなら、スピーカーシステムは、空気を駆動するという、物理的な働きをするためです。 空気は、物理的に云えば、圧縮性流体なので、厳密に計算するのは容易ではありません。 それだけ、空気の性質を知るのは難しいと云えます。

 スピーカー再生技術研究会は、このようなスピーカーシステムの難しさを、面白さに変えるための研究を行います。

 研究は、会に参加する メンバーがそれぞれで行い、会の中で議論します。 議論することによって、会員は、更に研究を進めることができます。 勿論、情報を得るだけの消極会員であっ ても構いません。 議論は、オフ会時を除いては、電子メールで行われるので、時間の制約もありません。 面白くなければ、退会も自由です。

 研究した成果は、公開し、誰でも自由に利用できるようにします。

 成果をまとめて公開することにより、誰もが成果を引き継ぐことができます。  歴史に埋もれてしまった技術を掘り起こすのは容易なことではありません。 この研究会は、成果を誰もが利用できる形で残してゆきます。

 文書にして伝達できるものを『技術』、そうでないものを『技能』と云います。 技能は文書では伝達できないので、ここでは技術に焦点を当てます。

 理屈が明確に説明できないものは、アプリケーションを残し、仮説を残します。
 仮説が間違っていても、後に真実が明確になれば、その仮説は意味を持っていたのです。  大切なのは、将来を向くことです。

主役は自分自身です

 オーディオの趣向は、誰にも縛られる必要はありません。趣向の押付は価値を産みません。
 音響性能の測定は簡単ではないので、専門家であっても製品の評価のために定性的な説明をします。
 しかし、定性的な説明にどれだけの意味があるのか、実は分らないところが多いのです。

 主役が自分自身であることに気付けば、定性的な説明にも惑わされずに読むことができます。
 そして、自分の好きな方向にシステムを引っ張ってゆくことが出来るのです。
 音の良し悪しを競う趣味もそれはそれで結構なことです。しかし、『xx方式が最高』とか、そんなことはありません。
 音の良し悪しは、様々な条件に左右されます。方式を議論するときは、その方式の可能性を議論すべきです。
 そして、方式として残すために文書化してゆくことが必要です。

 興味の対象は人それぞれです。振動板、磁気回路、フレーム、箱、吸音等、興味の対象は、何でも良いのです。
 皆が同じことをする必要はありません。主役は自分自身だからです。

楽しみましょう

 趣味の一番の目的は楽しむことです。
 苦しみもありますが、苦労する過程を楽しみ、また、苦しみの先にある楽しみを分かち合いましょう。