Project MCAP-CR

多自由度バスレフ型研究所

Multiple-Degree of Freedom Bass-Reflex Laboratory


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オーディオ放言(5)


ブラインドテストのまとめ
2019/05/14
オカルトオーディオに騙されない
2017/04/01
基本に返って
2017/01/09
基本に返って(2)
2017/01/09
基本に返って(3)
2017/01/09
基本に返って(4)
2017/01/09
基本に返って(5)
2017/01/09
基本に返って(6)
2017/01/09
基本に返って(7)
2017/01/09
オーディオ装置への情熱
2016/04/30
比較
2016/03/22
デチューン
2016/02/10
バスレフと密閉
2016/01/22
巨大ユニットのリスク
2016/01/21

ブラインドテストのまとめ

ブラインドテストを拒否する人たちが、耳が悪いとか言って他人のことを貶すことがあります。
これも相手を特定しなければ言論の自由の範囲内ではありますが、誹謗中傷であり、慎むべきものでしょう。
頭の硬い人に、その都度反論するのも面倒なので、ブラインドテストについてまとめておくことにしました。

オーディオマニアの多くは、機器によって劇的に音が違うと主張します。
そんなに音が違うというなら、目隠ししても機器の違いを百発百中で当てられるはずです。
それを実証したら、機器による音の違いが分かる俺って耳がいい?!と賛美してください。
ところが実際には、そういう報告書というのは見たことがありません。
おそらく目隠しして機器の違いを百発百中で当てた事例はないでしょう。
機器によって音が全然違うと主張する人は、そんなことするまでもなくそれが明白な事実だと信じて疑わないからです。
かくして、そんな音の違いが分からないなんて耳が悪いね?(軽蔑)。
ということになります。

では、音の違いが判別できるのか、というテスト例はないのかと云うと、そこそこの例があります。
多くのテストでは学術的な完璧さは満たしていませんが、大抵は、『そんなの嘘っぱちだ!』と切り捨てるのは適切ではない内容です。
以下に事例を上げてみます。
(1)スピーカー再生技術研究会の有志によるアンプの差異検知試験結果
これは、自分も実施者に含まれる事例であり、音工房Zの大山さんも被験者の一人です。
途中で機器の故障がありサンプル数が不足しているのと、遊びの要素を入れて3機種で比較したため結論は出せていませんが、下記リンクにデータ付きのレポートがあります。
http://mcap-cr.com/rilsrt/documents/blind-test_report1.pdf
聴き分けできるというのが前提で、確認しながら音量合わせやソース選びも実施しました。
機器の値段差が数十倍で、高価な機器のほうは流石に音がいいね、と確認してからの試験でしたが、 機器を隠すと、ときには判別不能なほど差が分からない...
私もそうですが、参加した皆さんは、結構ショックを受けたようです。
結果に文句があれば自分で試験して結果を発表してください。
こういう結果を受け入れられない人は、ケチ付けて避難(正しくは非難の変換ミスですが意味上はこれでもいいかも)しますが、自分では決して確かめません。
機器を隠して百発百中で当てればいいだけなので、簡単なんですけどね。
どうして自分でやらないんでしょうね?(棒)。

(2)オーディオの科学(学者さんのサイト)にあるブラインドテストの記事(別なサイトです)
心理効果(プラシーボ)とブラインドテスト
いろいろな結果が紹介されており面白い記事です。
『聴き分けられる俺って耳がいい』という人は、是非ともお読みください。

こちらのほうは、差が小さいどころではなく、差が判別できないという更に厳しい結果になっています。
それでも、各機器の音が劇的に違うという主張をする方は、安心してください。
百発百中の試験結果を出すだけでいいんです。
多少間違っても有為差があればいいんです。
耳が悪いグループと、耳の良いグループがあるだけなんだと、ご自分の耳の良さで実証して発表してください。

また、その前に、ブラインドでなくてもいいので、自分で試してみてはいがかでしょう?
子供とかオーディオマニアでない人に操作してもらえばもう完璧です。
最低でも出力電圧くらいは測って同じにしてくださいね。



巨大ユニットのリスク

ときどき、あまり私が回答するには適切でない質問を頂きます。
適切でないというのは、私には経験のない世界のことに関するからです。
しかし、その世界についても、普段から疑問に感じることがあるので、分かる部分と、 合理的に推測できる内容についてだけ返信しています。
最近頂いたのは、巨大なスピーカーユニットを入手したので使いたい、という質問です。
同じ質問を、何年か前に別な方から頂いたことがありました。
今回ご質問の方の内容をよく読むと、前回質問頂いた方が手放されたものを箱ごと入手したようです。
前の方も別の方から入手したようだったので、使い切れずに人手を渡っているようです。

気付いてみたら2回めも同じ回答をしていました。

巨大ユニットとはFostexのFW800です。
80cmというユニットで、同社の40cmユニット4つよりも有効面積が大きかったと思います。
オーケストラを再生するには、振動板の面積が欲しい場合があります。
オーケストラは、全体で相当な面積を占めますから、その雰囲気を出すためには、小型フルレンジでは、 どうしても不足するので、面積が欲しいと思います。
私は、40cm位のユニットが欲しいと思う場合がありますが、 リンクで紹介しているkenboさんのブログを拝見すると、 概ね25cm以下でないと質の良い低音を得るのが難しいようです。
それでも、やっぱり、大口径ユニットに挑戦したいというのは、スピーカー再生に興味を持った人の宿命でしょう。
さて、話を戻すと、大口径ユニットの問題点のひとつは、実行振動質量が大きいことでしょう。
FW800の場合は、実行振動質量が385gもあります。
この振動板を駆動することは、加振機を運転するのと同じです。
FW800に100Wの入力を入れた場合には、100Wの工具を、直接壁に使用した、ということ以上の振動が発生します。
工具は対象の物体を壊すことによってエネルギを放散しますが、スピーカーユニットは何も壊さないので、 音にとして空気中に放出する微々たるエネルギ以外を振動として放散します。
これを木造住宅の壁に付けたりしたら、家中が振動するでしょう。

このような商品は、用途の限られたプロ向けなので、アマチュアは、 ヨーロッパの城のような石造りの宮殿に住んでいるのでないかぎり、導入しないほうが良いでしょう。

大型ユニットの代替案は、もっと小型のユニットを複数導入することです。
例えば、10cm×4→20cm、10cm×16→40cmと、増やしてゆけば、深手を負う前に中止できます。
ウーファーよりもフルレンジのほうが安価なので、フルレンジを使用し、 高域は大きくカットすれば良いでしょう。
また、大きなユニットを使用する場合には、密閉型か、密閉に類するシステムにすべきです。
密閉なら、入力を工夫することで、超低域まで相当にフラットな特性を実現できますが、 バスレフで超低域までフラットにしようとすると、間違いなく過大入力でシステムを壊します。

上記の質問のなかで、FW800の箱の容積に関することがありました。
メーカーに問い合わせたところ数千リットルの容量が望ましいとのことだったそうです。
これは、上記お二方から同じ情報を頂いていますので、そういうことなのでしょう。

ただし、密閉型には適正容量は存在しないという説があります。
長岡先生は、以前、FOSTEXのFE206Sを使用した小型密閉型システムを発表しておられました。
その記事の中に、密閉型には適正容量がないと主張されています。
密閉の場合、イコライザーなどで低域を補正できるので、それでも良い、という主張です。

自分が8cmユニットで実験したところでは、容量を減らしすぎると、高調波歪が増えるので、 大きめのほうが良い思います。

密閉型に適正容量がある、という説は、一般的なユニットの試行に基く仮説だと思います。
理論的に攻めるには、何がベストであるのかを明確に定義しなければなりませんが、 どういう状態がベストなのかを明示した文献は見たことがありません。
見たものは、ベストの点ではなく、概ね良さそうな範囲を示しているに過ぎません。
このように、適正容量そのものは、曖昧な概念なので、あまりこだわる必要はないでしょう。
聞くに堪えない音にならなければなんでもアリだと思ってよいと思います。
私の場合は、技術文書の中で、 空気のバネ定数の式を示しています。
この空気のバネ定数が、ユニットのバネ定数と比較してどの程度の範囲であれば良いのか、 このような命題がありますが、そこは、各人のエンジニアリングセンスで判断するのが良いでしょう。
オーディオ基礎講座の中には、 FOSTEXの公式について紹介していますので、それを信じるのもよいでしょう。

いずれにしても、一般的でないことに手を出すのであれば、失敗も視野に入れ、 最後は自己解決する覚悟が必要です。


バスレフと密閉

前回の質問について、書き忘れたことがあるので、追記します。
ご質問者は、バスレフを考えていたそうです。
そして、FW800のバスレフ箱の容量をメーカーに質問したら、数千リットルが理想的、回答されたそうです。
その数年前のご質問者も全く同じです。
そして、その解決法として、部屋をエンクロージャーにする、という結論になったことも全く同じです。
すでに、400Lの箱があることも同じだったので、偶然の一致ではないと思いますが、それは別として、 私は、400Lの箱をそのまま使うことを勧めました。

本当に壁に取付けたら大変なことになるのは分かりきっていたし、 適正容量の考え方なんて、大した根拠の無いものだと考えるからです。

そもそも、80cmもの巨大ユニットを何故バスレフで使うのか、理解に苦しみます。
バスレフは、そんなに低音の再生音圧が高くないユニットの低域を、 ある程度持ち上げるもので、共振周波数以下はカットされてしまいます。
低音再生能力の高いユニットをバスレフで使う必要はありません。 バスレフの場合、共振周波数より下の周波数では、後面開放型と同じであり、 背面から放射された音波が逆相となり、正面から放射された音波を打ち消してしまいます。
大型ユニットをバスレフで使うメリットは、あまりありません。
密閉型で使えば、後面開放となるデメリットがありませんから、 グラフィックイコライザーなどで、低域を補正してフラットにすることができますが、 バスレフでこれをやると、共振周波数より下の帯域では、発振するのと同じことになり、 アンプが破綻します。

どうしても、バスレフにしたいのなら、共振周波数を下げれば良いのですが、 共振周波数を下げる方法については、迷信というか、神話というか、専門家の説が、 条件抜きで信じられているようです。
ご質問者の手法は、適正容量を決め、ポートの断面積を決め、最後にポートの長さを決めるようです。
そして、容量が決まっていた(箱がすでにある)場合には、 ポートの長さをパラメータとするのが正しいと考えられているようです。
ですから、長大ダクトのバスレフなんていうものを見かけたりします。
このことは、以前から指摘していますが、長大ダクトには、共鳴管の動作が伴います。
伴うというよりは、長大になると共鳴管効果が無視できなくなります。

では、どうするか、というと、ポートの断面積を小さくします。
すると、ポートの長さも小さくできます。
何ていうことはありません。
密閉型に近付くだけです。
バスレフとしての共振周波数を、音楽ソースの最低周波数より低くしてしまえば、 後面開放型の悪影響も無くなります。
いっそのこと、ポートを吸音材で塞いでしまうのも一考です。
バスレフとしての効果はなくなりますが、 その代わりに、悪影響もなくなります。

密閉型とはいっても、完全に塞いでしまうと、箱の内外に気圧差が生じる可能性があるので、 息抜き程度の孔は必要です。
そうすると、結局は、密閉とバスレフは近付いてきます。

更に進めれば、多自由度バスレフの箱にして、箱の癖を消す手法もありますが、 計算なしでやってしまうのは危険の大きな方法です。

結論としては、大型ユニットは、 バスレフに近い密閉型か密閉に近いバスレフ型で使用するのが良いと思います。


デチューン

ブログのリンクで紹介している、おおたんの自作オーディオ・カイト・SVXにデチューンの記事が載っていました。
デチューンについてはご本人から直接伺ったことがあります。
そのときは自動車の話でした。
端的にまとめると、

自動車のエンジン出力を落とし、タイヤを細くし、ボディから気流制御用の部品などを外し...
とグレードダウンしてゆくと、結果として、街乗りでは軽快に走ることができるようになる。
というものです。
このことはオーディオにも当てはまり、
例えば、高出力のアンプのパワートランジスタチップを、低出力のものに変更すると、直線性の良い領域で使えるので、 結果として音が良くなるそうです。
自動車のはなしもオーディオの話も似たようなところがあって、例えば500馬力のエンジンを積んだ自家用車があったとしても、 500馬力を使う道路はありません。
アンプの場合は、たとえば1kWのアンプがあっても、それを活かせる部屋はあまりありません。
自動車の場合は、余裕のありすぎる馬力を使うと、事故に直結しますが、オーディオの場合は、 事故で死ぬことはあまりないでしょう。
隣人に殺されるかもしれませんが。

デチューンの目的はありすぎる余裕を適正値にまで下げることでしょう。
オーディオのように、性能の評価を数値化しにくい(もちろんカタログスペックはありますが)ものでは、 ゆとりというと、素晴らしい贅沢のような気がします。
しかし、一般家電品に置き換えると分かりやすいと思います。

例えば、家庭用エアコン。
集合住宅の場合には、様々な制約があるので、ゆとりをもたざるをえないかもしれませんが、 一軒家の場合には、いろいろと工夫が可能です。

部屋の容量の半分用のエアコンに変えてみる。

普通は、暑すぎたり寒すぎるのを嫌って、ゆとりをもたせますが、これを逆にしてみたらどうか。
日本のメーカーは、容量が足りないとクレームを云われるのが嫌なので、性能に余裕を持たせています。
本来だったら、暑すぎる日や寒すぎる日に能力が足りなくても良いのですが、 そういう日が一日あっても困る、そういう選択をしがちです。
集合住宅では無理もない話ですが、一軒家だったら、後から不足分を追加することも可能です。
大きなものを1台ではなく、小さなものを2台にすると何が違うのか。
エネルギ効率が全く違います。
ちょっと暑いとかちょっと寒い日には、1台だけ運転する。
能力が半分のエアコンなら、消費電力は半分より更に小さいことが普通です。
なぜかというと、エアコンは、冷媒の温度を高くする、すなわち、能力一杯で運転するほうが効率が良いからです。
大型のエアコンを半分の能力で運転すると、冷媒の温度が低くなりますから、効率が下がります。
また、動いたり、止まったりというのは、快適感を損ないます。
小型のエアコンであれば、こうした不快な運転モードにはなりにくいはずです。
ものすごく暑いとか寒い日には、2台運転にすればいいことです。
更に工夫するなら、冷房を主にするユニットと暖房を主にするユニットに分けることもできます。
冷房が主なものは、北側に屋外機を置き、暖房が主なものは南側に屋外機を置くことができます。
こうすると効率が更に上がります。

私の自宅は集合住宅なので、制約があってこういうことはできませんが、実家に勧めてみました。
実家は木造で、居間は17畳くらいですが、殆どの期間は、6畳用で能力が足りています。
足りなくなったら18畳用に変えるという使い方をしています。
18畳用ではなく、6畳用にして、2台運転、という手を使ったほうがもっと良かったのですが、 順番があってこのようになっています。
自宅の場合には、集合住宅の制約で、1台の屋外機に屋内機が2台のマルチエアコンになっています。
これは最悪で、エコポイントはつかなかったし、効率も悪い。
値段も高い。
更に、故障のときは最悪でした。
部屋ごとに別々なら、壊れても被害が小さいですが、これが2部屋同時に使えないとなると、地獄です。
能力が足りないなどの騒ぎではありません。

エアコンの場合は、オーディオと違って、能力を一杯に使うことがたまにあるので、事情は違います。
それでも、工夫すれば効率を上げることができます。

オーディオの場合は、能力の1/100以下で使うことが多いでしょう。
そう考えるなら、これをもっと実情に近いところで選択することが可能です。
アンプの自作が多いというのは、案外、効率の良いところで使いたいからかもしれませんね。


比較

何でも比較したがる人がいます。
どこかの国家でさえ、日本と比較しなければ気がすまなかったりするようです。

自分も若いころは比較が好きでした。
オーディオなんか比較の趣味ともいえます。
オーディオ雑誌には、昔から『ベストバイ』という比較があって、評論家が製品ごとに点をつけていました。
こういう点の高い製品を買うと得な気がするのですが、では、上のクラスの最低点と、下のクラスの最高点では、 どちらがいいのか?
悩むところです。
正解がある訳ではありませんが、長岡先生なんかそこのところははっきりしていて、コストが大きなほうを選ぶ、 なんていうことを書いていました。
結局のところ、ユーザーが自宅で評価するなんていうことは不可能なので、気持ちで選ぶことになります。
気持ちが良ければそれで高く評価して間違いありません。

  • A先生がいいと書いているから
  • B君もC君もほめているから
  • みんな使ってるから
  • 専門家のオーディオ店で薦められたから
  • 信頼のあるメーカーの製品だから
  • 高価だから
  • 安いがお買い得な感じがするから

  • どんな理由でも大丈夫です。
    正解がないのだから。

    但し、高価な製品は、絶対にアフターサービスで選びましょう。
    すぐ故障したり、対応が悪かったら最悪ですから。
    安価な製品でも、最近はあまり壊れませんが、保証期間が過ぎていたら、買い変えるほうが安い位の製品がいいでしょう。

    話が飛んでしまいましたが、何でも比較すればいいというわけではありません。
    どのような方式にも一長一短があり、利点は欠点でもあります。
    また、欠点は利点にもなります。
    たとえば、大型バックロードホーンは、重いのが欠点ですが、重いことで余分な振動が出にくくなります。
    多自由度バスレフは、構造が複雑で、製作に手間とコストがかかりますが、 複雑な構造は、強度を上げることができます。
    それに、それぞれの設計の出来映えも重要な要素です。
    設計の悪いバスレフと、設計の良い密閉とを比較して、密閉のほうが良いなんていう結論にはならないし、 その逆も言うことができます。

    どのような方式を選ぶにしても、その方式の利点を重視することが大切です。
    利点を重視しないと、最悪、なんていうことになります。

    最近は、スピーカー工作の頻度が減りましたが、その代わりに、面白いメリットのあるものができるようになってきました。
    それは、自分の興味の許容範囲が広がったということでもあるし、
    欠点を欠点と思わなくなったことかもしれません。

    肩の力を抜いて、自然体で取り組むと、そんな変なのは出来ないみたいです。

    何でも比較することに意味を感じなくなって、自分の楽しみ力が上がったということなのかもしれません。


    オーディオ装置への情熱

    私にもオーディオ仲間は多いですが、自分が離れている間はあまり手をかけなかったりして、 同期している部分もあるように感じます。
    いまの自分は、ちょっと覚めたところがあって、ブログの記事もオーディオとはあまり関係なかったりします。
    最近興味があるのは美術方面です。
    子供の頃は美術には興味がなかったのですが、いろいろと見ていくうちに重要さに気付きました。
    美術は、観察と表現の技術と云っていいのかもしれません。
    日本にはヨーロッパほどの所蔵作品の多い美術館はないようですが、 気をつけて見ていると、本家の美術館では、見落としてしまいそうな、味わい深い作品が、 貸し出されてきています。
    個々の作品の価値は、有名かどうかだけで決めるものではなく、それを鑑賞するそれぞれの人が 決めるものだと思います。
    ですから、日本の美術館に貸し出される作品の中には、なかなかの作品があったりします。
    そんな訳で、オーディオにカネを使うよりも、美術館やコンサートにカネを使うほうが健全かな と思ったりしています。

    オーディオについては、度々書いてきたように、投資は、部屋とソフトに費やすべきだと思います。
    アンプとかデジタル系のプレーヤーに投資しても、部屋に対する投資の半分の効果も出ないと 思ったほうが良いでしょう(ゼロといっても言い過ぎとは思いません)。
    10万円位だったら、部屋に投資しても何も出来ませんから、 代わりに機器に対する投資もありだと思います。
    しかし、数百万円を機器に投じるなら、部屋に投じるべきでしょう。

    美術品に例えるなら、優れた作品も、展示する環境によって価値が変わってくるということです。
    私は、ティントレットとかが好きですが、コピーであっても、自宅に飾りたいとは思いません。
    美術作品は展示場所を選びます。
    ティントレットはベネツィアの施設で鑑賞するのに適していますが、 一般家屋での干渉には適していません。
    それでも、印象派の小さめの作品なら、狭い家でも大丈夫そうです。
    オーディオでもそういうところがあるのだと思います。

    美術と音楽とは、それでも、少し違うところがあって、音楽は狭い家でヘッドホンで聞いても、 鑑賞することができます。
    これは、美術作品を美術書で見るのに似ているのでしょうか。
    部屋とオーディオのグレードを上げてゆくと、段々と原寸大のコピーに近くなっていきます。
    それでも、ダイナミックレンジの狭い、絵画で言えば、小さな作品だったら、部屋も装置も それなりで良いわけですから、オーディオ趣味は、聞きたい作品のダイナミックレンジで 分けるほうがいいのかもしれません。

    自分の場合は、ダイナミックレンジの広い、オペラのような作品が好きですから、 これを再生するには、広くて遮音の良い部屋と、そこそこのオーディオ装置が必要です。
    しかし、それは無理なので、そこは、生を聴くことにして、オーディオは、箱庭で妥協する という選択をしています。
    代わりに、室内楽とかは、まあまあの感じで聴くことが可能です。
    ポップス系はあまり聴きませんが、自分の装置で聴いてもハイエンドで聞いても差は少ないと 思います。

    このように現実的に考えてゆくと、オーディオ装置には、情熱が無くなってきます。
    だから、エンジニアリングや、生の鑑賞に傾いているのだと思います


    基本に返って

    価格コムの口コミ掲示板についてブログに書きながら、 私の意見を書きたくなりました。
    私は、オーディオ歴としては、もう40年以上ですが、オーディオ機器に対してマニアだったのは、 20年ほど前までです。
    その後は、機器に対する興味はなくなってきました。
    その代わりに、環境や、音楽、ホール等に興味が出てきました。
    そんなわけで、いわゆるオーディオマニアとは全く違う視点で書いていきます。
    ですから、高価なオーディオ機器に憧れている人が読んだらがっかりすると思います。
    楽しみ方は人それぞれなので、ゴルフ愛好者が高価な道具に憧れるのと同様、 高価なオーディオ機器を使用することは否定しませんが、 高価な機器を使わなくても楽しもうという方にはお役にたてるかもしれません

    まず、なぜ高価な機器を使用するマニアが多いのでしょうか。
    その理由を知っておく必要があります。
    オーディオの創世記には、デジタルオーディオがなかったので、音の入口となる機器が、 音質の重要な位置を占めていました。
    その当時は、音質を良くするためには、入口となるレコードプレーヤーの品質を良いものに しなければなりませんでした。
    レコードプレーヤーは、アナログレコードの溝に、物理形状として記録された音のデータを、 溝に添わせた針から伝えられたカートリッジと呼ばれる発電器(別な方式もある)で発電し、 電圧信号をアンプに伝るための再生装置です。
    プリアンプ側では、必要に応じて入力電圧を増幅し、音圧特性をフラットに戻す(イコライザー) ことにより、再生できる信号とします。
    これをパワーアンプで、増幅し、スピーカー再生装置で、音圧に変換して音を発生します。
    アナログプレーヤーは、物理的な振動を扱うので、正確に振動抽出してを音声信号に変えるには、 相応の技術が必要で、それにはコストがかかります。
    ですから、レコードを回す装置(ターンテーブル)は、正確に回転させると共に、 余分な振動を発生させず、床からの振動を遮断する必要があり、このために物量を投じなければなりません。
    また、カートリッジを装着するアームも、余分な振動を拾ってはならないし、 カートリッジは正確に発電する必要があり、 またレコード針は、溝に正確に追従し、 針を付けたカンチレバーは、振動を正確にカートリッジに伝えなければなりません。
    当然のことながら、高音質のためには高コストが必要で、 高級品のほうが高音質という当然の結果になりました。
    また、増幅系であるアンプも、創成期には、半導体の性能がいまのように良くはありませんでした。
    当然、良くするにはコストがかかりました。

    アナログレコードプレーヤーは、現在ではあまり使用されなくなったので話題にしないとしても、 アンプやデジタルオーディオには大きな進歩がありました。
    アンプ等は、低ノイズの半導体ICの恩恵を受け、ローエンドアンプでも素晴らしい性能になりました。
    デジタルオーディオも、出だしの頃は、信号処理が追い付かなかったりしたようですが、 現在では、汎用基板が高性能低価格となり、ローエンド機種にも高性能の基板が使われています。

    その半面、スピーカーシステムだけは、何十年ものあいだ、あまり発達していません
    スピーカーシステムを除くと、現在は、低コストで高品質が達成できる状況にありますが、 マニアと云われる人の多くは、未だに、 何十年も前のような、価格差による品質差があると信じているのだと思います。
    技術の発展による品質差の縮小に気付いている一部のひとは、あまり高価な機器を使わなくなっています。
    私も、高価な機器に憧れるのは止めた部類に入ります。
    以上のような状況を信じられない方は、以下を読むのは控えるほうが良いと思います。


    基本に返って(2)

    デジタルオーディオの出現は、それまでのオーディオの価格差による品質差を一気に縮めてきました。
    デジタルの初期には、チップの性能が十分ではなく、デジタルからアナログへの変換処理が 不十分だったこともあるようですが、現在では、小型の高性能汎用ボードが大量生産され、 低価格になったので、普及価格帯の製品も十分に高性能な部品をつかっています。
    CDプレーヤーのような、DA変換処理の簡単な製品では、音質差は出にくくなっています。
    そもそも、もはや単体のCDプレーヤーは必要なく、汎用品でもBluRayのように、 はるかに高度な処理が可能な基板を使っているので、計算が遅くて困ることはありません。
    見掛けは気にせず、音だけを気にするのであれば、こうしたBluRayプレーヤーを使用すれば、 良い音でCDを再生することができます。
    BluRayプレーヤーは数千円からありますが、最近は、アナログ出力が無かったりするので、デジタル入力のない アンプを使用する場合には、DAコンバータを別に購入しなければなりません。
    CDプレーヤーについては、上記のとおり、高価なものは一切必要ありません。
    ただし、BluRayのような汎用機は、専用機に比べると、操作性が悪いことが多いので、 気になる場合には、オーディオ用の専用機を購入してください。

    アンプについては、汎用基板以外の部品が使用されているので、性能を上げるためには、 コストの追加が必要です。
    ここで、性能というのは、出力のことです。
    オーディオアンプにおける出力の性能とは、安定して大きな電流を供給する性能です。
    オーディオアンプは、蚊の泣くような音量から耳を劈く音量まで一瞬に変化させることが必要です。 とくに、低域については、スピーカーシステムの能率が低いため、大きな出力のアンプが必要です。 とは言っても、大出力が必要な低域とは、おおむね30Hz以下の耳には聞こえにくい超低域のことで 40、50Hzの低音の再生には大出力は不要です。
    20〜30W出力のアンプで、警察沙汰になる程度の大音量は発生させられるので、 超低域を再生する必要がなければ、大出力アンプはまったく必要ありません。
    私の装置も、再生できる低音の限界は32Hz程度で、このくらいであれば、 10W程度で十分にうるさく再生することができます。

    以上のように、超低域を再生しないのであれば、 普及価格帯のアンプで十分な性能を発揮することができます。
    アンプの場合、高級機と普及機との違いを聞き分けることが難しいということは、 私も実験で確かめたし、他にも報告例が複数あります。
    神経を研ぎ澄まし、差を聞き分けられるよう鍛錬する目的がないのであれば、 普及価格帯のアンプで音楽を楽しむことが十分に可能です。


    基本に返って(3)

    オーディオ再生について最も重要なのが、部屋ですが、ここは私も知見がありませんし、 コスト的にも最も大きいので、その次に重要なスピーカーシステムについて書きます。

    オーディオの自作で最も多いのがスピーカーシステムと思います。
    スピーカーシステムの自作は、電気的な知識があまりなくても、 感電事故を起こす危険は大きくありません。
    電気的な事故といっても、精々アンプやスピーカーシステムを壊す程度で、 市販のアンプには保護回路が付いているし、スピーカーシステムは、 ボイスコイルが焼け切れれば、アンプ側の負荷がゼロ(抵抗無限大)になるだけです。
    ですから、市販品と同等のものを作ろうと思っても無理でしょうが、 全然違うものを作ろうと思えば、面白いものが作れます。
    但し、箱の製作にあたっては、正しくない工具の使用方法によって、大怪我をしたり、 場合によっては、感電などの死亡事故につながる危険性があります。
    ですから、自作は、基本的にお勧めしません。
    自作をするのであれば、最初は、板の切断はすべて外注し、 電動工具を使用しないで済むようにするのが望ましいと思います。
    漏電による感電は死亡災害につながるし、回転式工具の事故は大怪我につながるので 初心者には向きません。
    私の自作の範囲において、電動工具は、ドリル、ジグソー、往復動のサンダーしか使用していません。
    その他は、危険だったり、騒音が大きかったりするので、使用を控えています。
    木ネジを締める充電式のインパクトドリルは、使用しても比較的危険がすくないと思います。
    工作については、書くと長くなるので、これ以上はやめておきます。

    スピーカーシステムについては、市販品で良いのですが、少しだけ注意することがあります。

    高級スピーカーシステムを購入すようとすると、店員に、
    アンプは何ですか
    とか
    そのアンプではこのスピーカーの性能を発揮しません
    などと云われる可能性が非常に高いです。
    このことも、高級オーディオマニアがすべての機器を高級にする理由でもあります。
    私のように、『プレーヤーやアンプの差なんか分からない』と考える人は、 高価な機器を勧められるのが苦手ですから、オーディオ店には足を運びません。
    上記のようなことを云われるのが嫌だったら、半導体回路のエキスパートになって、 アンプを自作するとか、自作しているふりをすれば良いのですが、これは少し面倒です。
    勿論、高価な機器には、所有の喜びやインテリアとしての価値があるので、 高価なだけの価値があるのですが、性能としての価値は、普及品と大差ない 場合が多いでしょう。
    音を良くしたいという要望に対して高級機を勧める勇気は私にはありません。
    ですから、高級スピーカーシステムを購入するのは、たとえ資金があったとしても、 私には苦痛です。
    高級なスピーカーシステムが欲しいのに、 高級アンプや高級プレーヤーを買わなければならないのでは、ムダが大き過ぎると感じるからです。

    こんな訳で、私は、スピーカーシステムの自作が必要になります。


    基本に返って(4)

    スピーカーを自作するには、その目的を明確にすることが必要です。
    しかし、趣味なのですから、目的が合理的である必要はありません。
    たとえば、
    おもしろそうだ。
    他の人がやってるから真似してみよう。
    という理由でもかまいません。
    工作が好きだ、とか、美しく仕上がるのが嬉しい、というのも良い理由だと思います。
    しかし、市販品より低コストで高パフォーマンスにすることを目的にすることはお勧めしません
    何故なら、自作には市販品より大きなコストがかかるからです。
    以下にコストの例を挙げます。
    工具が必要になる。工具には、1回しか使わなくても必要なものもあります。
    作業場が必要になる。
    工具や資材の置き場所が必要になる。
    空間には、大きなコストがかかっています
    たとえば、東京23区で、6畳間の空間を余分に使おうと思えば、家賃にして月に数万円高くなります。
    試作が必要になる。
    自作は、大抵の場合、一生試作です。
    プロの場合は、どこかで区切りを付けて完成とせざるを得ませんが、 自作の場合には、常に向上を目指しているので、常に未完成の試作品を使っていることになります。
    私の場合も、現状は試作が続いています。

    要するに、自作の過程を楽しむのでなければ、自作のコストは大きすぎます。
    すなわち、コストを抑えるために自作するというのは、合理的な理由にはなりません。

    ところが、自作には別の意義があります。
    上のほうに、スピーカー再生装置は、何十年も殆ど進化していないと書きました。
    何が変わったかと言えば、
    振動板の素材が変わった(りした)。
    小型化した。
    低能率化した。
    低インピーダンス化した。
    インテリア化した。
    バスレフが多自由度化した(メーカーは、やってませんが)。
    音場再生型が出来てきた(市販品はすくないですが)。

    振動板の素材が変わったのは進化ですが、結局紙の振動板は無くなっていません。
    紙のほうが良いと考える人も未だに多いという証拠であり、進化とはいえません。
    小型化は進化と云えますが、性能を犠牲にしているので、進化とは言えません。
    低能率化、低インピーダンス化は、性能の劣化に他なりません。
    インテリア化は、進化といえるでしょう。
    要するに、市販品は、殆ど進化していないと言っても言い過ぎではないと思います。
    そこに、自作の面白さがあります。
    バスレフの多自由度化は、ダブルバスレフ(3自由度)に始まりますが、市販品はすくなく、 4自由度以上のバスレフの市販品は、殆どありません。
    友人のFさんが、フランスでやりましたが、残念ながら亡くなってしまいました。
    ということで、バスレフの多自由度化にメリットを感じる人には、自作は良いかもしれません。
    また、音場型については、市販品が高みを極めたようには見えません。
    ここは、まだまだ研究の余地があり、自作が市販品のずっと先を行っています。
    ということで、ちょっと変わったことをするとか、工作を楽しむのでなければ、 自作にはメリットがありません。


    基本に返って(5)

    自作のコストについて、メリットがないと書きました。
    それだけでは不十分かもしれないので、理由を書きます。
    市販のスピーカーシステムは多々ありますが、スピーカーユニットという重要な部品の メーカーは、システムのメーカーが違っていて、同じだったりします。
    すべての部品をひとつのメーカーで賄うのは効率が悪いので、 メーカーは、別のメーカーから部品を購入します。
    メーカーは部品を購入する場合には、少なくとも数百単位であり、数千とか数万単位 というのも珍しいことではないので、部品の仕入れ価格は、エンドユーザが仕入れる 単価とは違います。
    実態はわかりませんが、メーカーの仕入れ値は、個人が購入する価格の1/10程度ではないでしょうか。
    例えば、Fostex社のFE103Enとか、1本4,000円位するのですが、同等品をメーカーが 購入するのであれば、たかだか400円でしょう。
    似たような無名メーカー品を見かけることがありますが、1本250円くらいからあります。
    私は東京コーン紙製作所のF77G98-6という8cm口径相当のスピーカーユニットを使用しています。
    これは、2本500円で購入したものですが、音は大手メーカー製品より劣っているとは感じませんでした。
    スピーカーユニット以外の製品でもエンドユーザー価格が300円なら、 大量購入のメーカー仕入れなら100円以下でしょう。
    Fostexの場合、1本ずつ立派な箱に入り、取扱説明書や取付ネジも付属していますが、 部品としての購入なら中身だけでいいわけです。
    数十個単位の箱で十分なので、これだけでもコストが全く違うし、 販売店のマージンが乗らないので、それだけでもコストが違います。
    販売店で十分なマージンを得ようと思えば、最低でも仕入れ値の2倍は必要です。
    これはぼったくりではなく、そうしないと、経営が維持できません。
    また、箱の板材や、ネットワーク用の部品についても同様で、部品コストは、 販売価格の精々1割ではないかと思うところです。
    それでも、組立費、品質管理費、開発費、一般管理費、マージン、問屋マージン、 販売店マージンが必要ですから、そんなに儲かるとは思えません。
    自作の場合は、開発費、労務費や一般経費を無視して論じている人が多いので、 実態としては、自作のほうが遥かに高コスト構造ということができます。
    これに、上のほうで書いたような、空間費用や試作費用などが乗ってくるのですから、 自作で安価に、なんてあり得ない議論となるわけです。


    基本に返って(6)

    自作のほうが市販品よりも高コストであるのに、なぜ、自作マニアがいるのでしょうか。
    アンプのような電気機器については、腕試しという以外に、 機器の中身と働きを理解できるようになるメリットがあります。
    音については、プラシーボ効果以外の利点はすくないと思います。
    コストについては比較にならないくらい自作のほうが大きいので、 身の丈にあった仕様の機器を自作するのでなければ、お金が勿体無いことになる場合が多いでしょう。
    身の丈にあった仕様とは、出力5〜10Wのパワーアンプ等です。
    メーカー製のパワーアンプは100W以上だったりしますが、超低音専用のアンプでなければ、 100Wの出力は、一般家庭での用途ではまず必要ありません。
    しかし、5Wのアンプを自作できれば、パワートランジスターの特性の良い範囲で使用できるので、 好ましいということができます。
    プレーヤー類については、メーカー品にないものを作る以外の必要性は感じません。
    アクセサリ類は要注意です。
    電源ケーブルを自作する人がいますが、資格のない人は絶対にやめてください。
    電源ケーブルにコストをかけても、その違いを聞き分けられる人はほとんどいないと思います。
    音が違って聞こえる人は、家族に手伝ってもらってブラインドテストしてみてください。
    ブラインドテストで違いがわかれば価値があると云えますが、さて、違いはわかるでしょうか?
    スピーカーケーブルや、インターコネクトケーブルについても同様です。
    RCAコード類は、差し込みがゆるゆるでなければそれで十分です。
    偽の金メッキなどは害しかありません。
    怪しい処理を施した製品は、原理が信じられるなら買ってもよいでしょう。
    私は、信じていないので買いませんが。


    基本に返って(7)

    いよいよ自作のメリットについて書きます。
    わたしは、スピーカーシステムは、何十年もの間、まったく進化していないと考えています。
    進化した部分は、ほぼ、アマチュアの発明によるものです。
    たとえば、紙箱吸音法は、一般の吸音材とは、私でさえ違いを感じます。
    石田さんのバックロードバスレフ型などは、原理的な追求は未完成であっても、 メーカー製品とは違うパフォーマンスを見せます。
    私の多自由度バスレフもメーカー製とは、随分違うパフォーマンスです。
    その他にも、音場再生の優れたシステムは、自作でなければ難しいかもしれません。
    わざわざ自作する価値のあるシステムの多くは、フルレンジ(広帯域)型のスピーカーユニットを 使用したものです。
    フルレンジ型は、ネットワーク等の部品が不要で、また、ウーファーやツィーターよりも 安いことが多いので、安価なユニットが、パソコンやラジオ、テレビ等に使用されます。
    フルレンジは、概して口径が小さいことが多いので、安物に見られます。
    このため、高級市販品に単独で使用されることは多くありません。
    では、ウーファー、スコーカー、ツィーター等を使用したマルチウェイよりもフルレンジのほうが 劣っているかといえば、聴感上は、必ずしもそうではありません。
    なぜなら、通常聴く音楽の多くは、10cm口径のフルレンジで、全帯域を再生できるためです。
    しかも、全帯域を同じスピーカーユニットから再生できるので、音場がまとまるし、 全帯域での音の質が揃います。
    このために、自然な音を再生でき、好ましく感じます。
    しかも、市販部品の種類が多いので、選択肢が多いのも特長です。
    更に、帯域を分割するネットワークで、悩む必要がありません。
    また、スピーカーエンクロージャー(いわゆる箱)を工夫すれば、 32Hz程度の低音域まで、再生が可能です。
    フルレンジシステムも、シングルバスレフ(通常は、単にバスレフという)では、 バスレフの共振(共鳴?)周波数付近では、癖が強すぎて、私は好きになれません。
    多自由度バスレフでは、癖がほとんど感じられなくなるので、低域の旋律を明確に再現できます。
    しかも、シングルバスレフでは望めない低域まで再生できるので、メリットが大いにあります。
    自作システムが最も有利なのは、音場型と思います。
    音場型は、長岡先生が、研究して来られましたが、決め手が何なのかは明確ではありませんでした。
    先生のシステムのなかに、ヒドラというシステムがありました。
    私の友人の松さんは、ヒドラを研究し、阿修羅という究極の音場型を製作し、 スピーカー再生技術研究会で発表されました。
    これは、スピーカーユニットの配置を実証検証し、最適配置された2ウェイ型でした。
    この音がハイエンドを上回るものだったので、実際に聞いた人たちは狼狽えました。
    私もそのひとりで、その音が忘れられず、いくつかのシステムを試作してきました。
    その結果、阿修羅までの手を掛けなくても、阿修羅と同等に近い音場を得ることに成功しました。
    それが、UP4Dというシステムです。
    UP4Dは、片側に4つのスピーカーユニットを段違いかつ4方向に配置した共鳴管システムです。
    これが、ホールの音場感を自然に再現できました。
    課題として残ったのは、低音再生能力でした。
    共鳴管の場合は、低音再生限界が共鳴管の長さで決まるので、どうしても長くせざるを得ません。
    最初に作成したUP4D型は、管の長さが1.8mで極端に細かったので、低音域が薄くなってしまいました。
    それを多自由度バスレフとして十分な低音域を実現したのが PUP5D-CRというシステムです。
    これは、UP4Dのように4方向に向けたスピーカーユニットの高低差が十分に取れない場合について 上側に向けたスピーカーユニットを追加した構造です。
    このシステムが、予想を遥かに上回る音場効果を実現しました。
    また、低域も32Hzまで再生でき、音も良いので、個人的には、もう少し改善できれば ハイエンドを上回るところまでいくと思っています。
    現状のままでも、これだけの音と音場を出す市販品はないと思います。
    自作して良かった、と思える逸品に仕上りました。

    自作について私の意見をまとめると、市販品にないシステムを作る以外はメリットを見出しにくい ということになると思います。

    オカルトオーディオに騙されない

    このところブログに、オカルトオーディオを否定する記事を多く書いてきました。
    オカルトオーディオとは、ありもしない効果をでっちあげ消費者を偽計して不要な商品を買わせる手法、 または、そうした商品です。
    オカルトの中には、既に信じられてしまったケーブル伝説やハイレゾ伝説もあるといってよいでしょう。
    結局、ケーブルのブラインドテスト結果は見たことありませんし、ハイレゾ技法の効果は、ブラインドでは ことごとく否定されています。
    そうしたテスト結果を前にしても、

    『試験方法が間違っている』、『参加者の耳が悪い』...

    と否定する人達の存在が、オカルトオーディオの存続に繋がっています。
    まず私達が気をつけなければいけないのは、メディアは嘘を言う媒体であることです。
    デマメディアの代表は、朝日や毎日を代表とする新聞社、NHKや民法を含む放送局でしょう。
    捏造がバレにくい社会科学系の分野においては、デマを発散する大学教授までがいます。
    社会科学系は、デマがバレた後でも、デマを既成事実化して言論を弾圧することが可能です。
    真実の研究そのものをを禁じてしまった国家さえもあります。
    自然科学系は、デマを既成事実化しても、現象がデマを証明してしまうので、結局捏造はバレますが 社会科学系は、言論弾圧によって、デマを既成事実化して固定化します。

    オカルトオーディオについてのデマは、既にバレているのにもかかわらず、デマだと信じない人がいるので そのまま続いています。

    『裸の王様』という物語が有りました。
    能力の優れている人にだけ見えるという衣服が、子供の発言によってバレてしまったという話です。
    子供は、先入観がすくないので、感じたままを表現します。
    オカルトオーディオに効果があるなら、子供に判別してもらえば分かります。
    しかも、子供は、耳が良いです。

    オカルトオーディオの本質は、消費者に、特別なステータスや能力を感じてもらうことで成り立ちます。
    いわば、洗脳によって、使う喜びを感じさせることによって成立します。

    人間の感覚は、極めて曖昧なものですが、その中でも聴覚は、曖昧さが大きいことは経験で分かるでしょう。
    聞こえないはずのものが聞こえたり、ぼうっとしていると聴き逃したりします。
    視覚については、もう少し曖昧さがすくないですが、それでも見間違いはときどきあります。

    人間の聴覚は、思い込みやその他の感情によって影響されるので、暗示をかけられて、信じてしまうと その通りに聞こえます。
    『ほら、このケーブルで聴くと、この音が聞こえるでしょう』と言われて確かに聞こえたりします。
    その後、元のケーブルに戻して同じものを聴くと今度はそのケーブルでもその音が聞こえるはずですが、 その実験は、やりません。
    聴覚に影響する大きな要素は音量ですが、音量が違うという判断は必ずしも簡単ではなく、音色が違って 聞こえたりします。
    そこで、測定しながら音量を合わせてゆくと音色の違いを感じなくなります。
    というか、人間が感じるほどの音色差があれば、そのどちらか、または、その両方が間違っていると 考えて差し支えありません。
    ケーブルのように電気回路のない製品においては、これは完璧にあてはまります。

    オカルトを排除してゆくと、だんだんと、自分にとって必要な投資どころが見えてきます。

    音楽ソフトを除くと、効果の大きい投資は、

    スピーカーシステム または リスニングルーム > イコライジング処理 >>> アンプ >>>>>>>>>>>>>> その他の機器

    といった感じで、どこから投資すれば良いのかは明確です。

    疑問に感じたら、家族や友人に手伝ってもらってブラインドテストで確かめましょう。
    くれぐれも下記に気をつけてください。

    (1) 音量を厳密に合わせる
    (2) 同じものを連続して聴く場合にも都度つなぎ替える






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