MCAP-CR
多自由度バスレフ型スピーカーシステムの研究開発
物理モデルに基くシミュレーションソフトウェア開発




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日記アーカイブ(2008年11- 12月)

2008/11/02
安曇野の響き
2008/11/08
Feastrexの使用を検討中/曲目選び(その2)
2008/11/09
HX132
2008/11/15
聞くことが最高のチューニング?
2008/11/16
共通ソフト
2008/11/23
名人アンプの修理
2008/11/26
標準MCAP-CR型初期モデルのTR080a
2008/11/27
測定方法の発展
2008/11/28
準MCAP-CR型の再評価
2008/11/30
ミューズの方舟2008スピーカーコンテストでの選曲
2008/12/06
ソースの変更
2008/12/07
名人アンプの修理(その2)
2008/12/10
あてにならない自分の耳
2008/12/15
ミューズの方舟2008
2008/12/21
アンプの交換
2008/12/23
Feastrex導入
2008/12/26
ミューズの方舟2008の会場で頂いたご質問について



 

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2008/11/02
安曇野の響き
11/1 は、安曇野の響きというイベントを訪問しました。安曇野の響きは、無 職人生(オーディオ、自作、酒、料理、安曇野)の主催者の方が開かれたイベントで、ご自身のアンプと超高級品であるFeastrexの15インチスピー カー の組合せを聞くことのできるイベントでした。
写真左側は、標準箱、中央が和音さんのMDBR箱、 右側がユーザーの方の開発中の箱という三様の箱で聞くことができました。
会場は、響きが強く、話もし辛い状態でしたので、なるべく直接音を聴くように心掛けました。それでも実力の半分も出し切っていなかったと思います。もっと 状態の良い部屋で聞けば実力を出し切ったはずです。
特に注目して聞いたのが、MDBRは、ミューズの方舟2008に出品されるものと同型となると思われる箱で、TR130bよりも一回り小さなものです。
こ のMDBR箱は、アフリカ産のブビンガという木材を使用して製作された美しい箱で、全体的にも良い響きを出していました。ドライバーの良さも手伝って、音 楽を楽しむのに好適な、自然な音を出していました。低音の出方を確認するために、自分がチェック用に使用している再生の難しいCDをコピーして編集したも のを持っていきましたが、残念ながら低音の出方はあまり良く分りませんでした。セッティングが少し弱いこと、ケーブルの接続状態がいまひとつであること、 部屋が広過ぎること等のマイナス要因があり、実力を出し切っていないようでした。個人的には、もう少し大きな箱にしたほうが、窮屈にならずに聞けると思い ます。これと同じものではありませんが、MDBRは、ミューズの方舟では、ベストの状態で聞けるだろうと思います。

標準箱は、容積が大き めの単一箱に、四角い穴を開けただけのバスレフ箱ですが、容積にゆとりがあるだけあって、普通の音楽を楽しむには十分な低音を出していました。音楽的には これがベストかなと思いました。容積のゆとりは、やはり必要だと思います。容積が小さいと、余分な音が付いてしまいますが、これだけゆとりがあると付帯音 が殆ど感じられず、ドライバーの実力を発揮することができます。
開発中の箱は、背面の音を消す工夫がしてあるということで、バスレフとは違う考え方ですが、背面に穴があり、バスレフの動作もしていると思います。このド ライバーだけは、励磁型ではなく、固定のアルニコマグネットを使用したものでした。

Feastrex のドライバーは、超強力型で使いこなしが大変なものかと思っていましたが、Fostexの限定品とは全く異る質感で、いろいろな箱で楽しめそうです。いず れはMCAP-CR型と組み合わせたいと思います。しかし、現在狭い我家に試作品がぎゅう詰め状態なので、自分なりに十分に完成度が高まったと実感して、 試作品 を処分するまではお預けです。

いろいろな方々とお話しができ、大変参考になりました。どうも有難う御座いました。

2008/11/08
Feastrexの 使用を検討中

 下記の『安曇野の響き』で聞くことの出来たFeastrexのドライバーを使用することを検討中です。家の中にスピーカーの置き場が無くなってきたの で、一 部を処分してからの導入となります。どうやって処分するかは検討中ですが、先ずは、ミューズの方舟で公開した後に、決めようと思います。
 Feastrex のドライバーは、価格的にはハイエンド商品に入るもので、一番安い5インチアルニコ型D5nfでも、FE138ES-Rのおよそ4倍の値段です。普通だっ たら手を出しませんが、音はさすがにハイエンドと思わせるものがあります。MCAP-CR型の5部屋構造のキャビネットで使用したいと思っています。最新 作の TR130bが良く出来ているので、同等の箱でも良いのかもしれませんが、D5nfは、マグネット部分が大きいのでTR130b型の箱では少々窮屈です。 次はトールボーイ型になりそうです。
 それと同時にCBS型も試作に入りたいと考えています。3インチから始めるか、TR130bで使用しなかったOmnes AudioのL5型で始めるか思索中です。ある程度振動板面積がないと効果が分りにくいためです。

曲目選び(その2)

 今日、ふらりと石丸電気のレコードセンターに寄ってみました。売れ残りの在庫が、円高還元セールと称して1枚500円で売っていました。こういうもの は、買 わなきゃ損とばかりに適当にショッピングカートに入れてレジに行ったら丁度20枚で合計10,000円でした。選んだ基準は、マイナーで、録音の新しいも の、また、できれば作曲が20世紀以降の新しいものです。オルガン等は、作曲年代が新しそうであればすぐに選びました。
今回はいいものが見付かりました。ひょっとしたらミューズの方舟で使用するかもしれませんので、ひとつご紹介します。

Drama spirituale in un atto e tre quardi, CD7336, Nuova Era
 トリノの教会での録音、テノール、ソプラノ、バリトンとオルガンの競演。現代音楽らしく、曲そのものはとっつきにくいのですが、背景のオルガンが凄まじ い 低音を奏でています。コンパクトスピーカーで再生しても何だか理解できないと思います。

こうやって買い続けているとときどきはいいものが見付かります。

2008/11/09

HX132


Omnes AudioのL5
 リンクで紹介している麻布オーディオで、Ciareという イタリアメーカーのスピーカーユニットを取扱い始めました。このうち、HX132というフルレン ジは13cm口径で、ミューズの方舟2008スピーカーコンテストへの出品作に使用する候補のひとつでした。これもリンクで紹介しているドイツの SpectrumAudioに買いたいと申し入れたところ、在庫切れなので、代わりにOmnes AudioのL5はどうか、と云われ、L5を購入しました。L5はHX132のコピーだということでしたが、スペックを見ると結構違います。HX132の ほうが能率が高く、軽やかな音を奏でそうです。L5はドイツ 製ですが、HXはイタリア製ということで、国柄による音色の違いもあるかもしれません。L5と同時に購入したイタリア製のCantare 5FRUは、L5とは全く違う軽やかな音を聞かせていました。イタリア製の5FRUはパガニーニ、ドイツ製のL5はブラームス、そのように感じさせ る違いがありました。欲しいなあとは思いますが、Feastrexを買うために節約しなければなりません。我慢、我慢。

 左の写真が、Omnes AudioのL5です。コピーとは云え、麻布オーディオのページにあるHX132とよく似ていますね。カタログの写真はあまり似ていないのに。
価格はL5のほうが少し安めです。
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2008/11/15

聞くことが最高の チュー ニング?

 ミューズの方舟2008スピーカーコンテストの期日が迫ってきました。他に参加される皆さんはどのような状況でしょうか。

私といえば、9月に完成させてから、特に何の調整もなく聞いているだけです。したことといえば、正弦波やスィープを聞いて、特性を評価したことくらいで しょうか。あまり音を良くするという調整は得意ではないのです。
吸音材も最初から変わらず、パッキング用のスポンジが少量入っているだけです。発表当日の資料も提出してしまっています。

 し かし、聞くということは、最高のチューニングなのかもしれません。箱も組立完了から既に2ヶ月以上経過しているのでエージングも進んできていると思いま す。音も慣れてきたせいか段々良くなってきたように思います。完成当初は、爆発的な低音は良かったのですが、中高域にやや粗さが感じられました。しかし、 今はだんだん滑らかになり、細かい音が出るようになってきました。室内楽はもとより、オペラもオーケストラもピアノもオルガンも合唱も、そして、ジャズト リオも雰囲気が良くなってきました。自分の子供のようなものなので親馬鹿ではありますが、相当の高級機と比較できるレベルになってきていると思います。

 当 日使用するソフトは、次々にいいものが見つかるのでなかなか決りません。共通ソフトも購入しようと思いましたが、石丸電気のソフト館になかったので、聞く こともできていません。これはぶっつけ本番になりそうです。同じ曲目のマーラーは、別なものがあったので聞きましたが、なかなか悪くないので、ワルターの ものも大丈夫だと思います。因みに、マーラーは好みではないので、できたらショスタコービッチやニールセンなら良かったと思ったりしています。

 ミュー ズの方舟の話題は、安曇野のほうで盛り上がってしまいました。リンクで紹介している大山さんのメルマガの中でもイベントのことは紹介されていることもある し、今回は入場者の方がかなり多そうな予感がします。常連の出場者の方々の完成度は恐ろしく高いので心配はないのですが、私も来て頂く方にがっかりさせな いよう、頑張らなければなりません。

2008/11/16

共通ソフト

 ミュー ズの方舟2008の共通ソフトが入手できなかったと書いておきながら、今日ふと思い立ってヨドバシアキバにあるタワーレコードに立寄ってみると、一応、共 通ソフトの中で決定済みのワルター指揮マーラーの交響曲第一番が売っていました。どんな音がするのか興味があったので購入してきました。
 早速聴いてみると、高域は良く伸びています(ひょっとしたら高調波歪かもしれませんが)が、低域はあまり伸びていません。イマイチの音でした。
 ソー スをFFT解析してみると、低域のピークは50Hz程度で、40Hzになると更に20dB位低くなっていました(下図)。30Hz以下も一応は入っていま すが、レベルは30dB程低くなっています(スピーカーからの再生音ではなく、ソースの音です)。
聴いて感じた通りだったので、こんなもの かと思いましたが、しかし、これが本当の音なのか疑問に思いました。というのは、かつてCDの出始めの頃に、宣伝に釣られてCBSソニーのCDを購入した ときに、音の悪さにがっかりしたことがあるからです。LPとは違って低域がカットされていて、全体的に死んだ音になっていたのです。恐らくラジカセとか低 級コンポ用に低域をカットしてあったのではないかと思います。そのときは、CDは本当は音が悪いのかと散々悩みました。しかし、その後、Odysseyの 輸入版を聴い たら、LPと殆ど同じような音になって蘇っていたので、CDは音が悪い、という疑問は解消されました。
 そこで、購入したCDと参加要綱に記載され たCDの番号を比べてみると確かに違っていました。私が購入したCDは、"SICC 404"、参加要綱に記載されたCDは、"SRCR 9970"となっています。同じ音がするのかどうかは分りません。私が購入したものは、CDの製造過程で、ミニコンポに合わせて低域はカットされたのかも しれません。スペアナの形を見ると、50Hz以下のレベル低下が不自然で、カットされたように見えます。また、中域もレベルが高くなくドンシャリ型にフィ ルターをかけたようにも見えます。本当は素晴らしい優秀録音なのではないかと思います。

マーラー交響曲第1番ニ長調 ワルター指揮コロンビア 交響楽団 第4楽章冒頭から2分程のスペアナ
(Sony Classics SICC 404をwavファイルに変換してFFT解析したもの)

 共通ソフトが決った過程は分りませんので、上記のCDが同じ音だと仮定すると(多分私が購入したものは、低級コンポやヘッドホンステレオ用と思います が)、下記のような基準があったのかもしれません(違っていたらゴメンナサイ)。
(1) どのような作品が出てくるか分らないので、低域は適当にカットされたものにする。超低域がハイレベルで入っていると、歪んだ音を聴き続けることになるかも しれないし、下手すると13cmドライバーを壊すかもしれない。
(2) 粗捜し大会ではないので、再生しやすいソフトのほうが良い。
(3) 高域は多少ハイレベルでもドライバーが壊れることはないので大丈夫。

 低域の再生能力だけで良し悪しが決るわけではありませんから、当然のことだと思います。低域の再現性を示したければ、自由ソフトを使えば好いわけですか ら。

2008/11/23

名人ア ンプの修理

 昨日、リンクにも紹介している無職人生 (オーディオ、自作、酒、料理、安曇野)のKさんが尋ねてきて下さいました。オーディオ愛好の方が自宅に尋ねて来られたのはこれが初 めてです。私の装置の音を聴いていただきました。

最 初に、居間にある、サブシステム(?)を聴いていただきました。サブシステムとは云っても、実際は譲り受けたビンテージ物ばかりで、SIEMENSの EUROPONE、STUDERのD730、CRESCENTのRA1501-Aという組合せのもので、今となっては入手も困難なものが中心のシステムで す。このシステムで、教会録音もの、モーツァルトのピアノ等を聴いてみました。普段は、殆ど使用していないシステムを久しぶりにきいたところこれがなかな かの音でした。Kさんも興味深く聞いておられました。

その後、MCAPの音を聴きました。アンプには、伝説の伊藤喜多男さんが本人の手で 製作した8900型という真空管アンプを使用して聞きました。このアンプは既に30年ほど経過しており、ここ10年位は殆ど使用していなかったもので、使 用しているうちにノイズが出るという問題がありました。Kさんが来られるので、ここ1週間位使用していましたがコンディションは万全ではありませんでし た。それでも、MCAP-CR型の特徴はそれなりに感じて頂けたようでした。オルガン、オーケストラ、レクイエムなどを聴きましたが、ミューズの方舟に出 品する TR130b型は、低音の出方に対して、高域がもう少し弱いかなと言っておられました。また、その他に、QU080b型、TR130a型(どれも別のとこ ろで詳しく紹介しているものです)を聴いていただきましたが、QU080b型のほうがバランスが良いと感じられたようです。

ア ンプの調子が良くないことは分っていたので、通常使用しているAccuphaseのP-350に切り替えて聞いたところ、低域は薄いが、高域はこちらのほ うが良いとのことでした。8900は、自分で聴いていても、高域は荒れており、低域の量感はありものの瞬発力が不足していました。

さ て、Kさんは、アンプの専門家ですので、8900型を見て頂いたところ、3つのコンデンサが怪しい、ということを指摘頂き、修理方法を指導して頂きまし た。その後、ご帰宅のときに、パーツ屋さんまでお付き合い頂き、パーツを購入しましたので、今日ご指導頂いた通りに修理してみました。名人の作品に手を入 れることに抵抗はあったのですが、これは工業製品だから、と割り切って実際に修理してみました。
 Kさんが怪しいと指摘されたコンデンサーは左の写真の3つのコン デンサーです。

 特に怪しいのは左の2つなので、先ずは、これらを先に交換し、駄目なら右の青いものも交換してみると良いというアドバイスを頂きました。

 さて、良く見ると、どちらも上に抵抗があり、また、狭いところな ので、このような作業に慣れていない自分には不安があります。

 Kさんは、回路が同じく繋がっていれば良く、やりやすいように繋げれば、ということでしたので、暫く眺めていましたが、良い方法が思いつきません。

 結局、元の形にいちばん近い形で接続することにしてやってみました。

 何と、意外なことに、やはり同じように繋ぐのが最も作業性が良いのでした。流石に名人、修理のことも考えて作ってあるんだ、と妙に感心してしまいまし た。

実際に作業してみると意外に簡単に出来ました。

名人と同じとは行きませんが、とりあえず、コンデンサーはちゃんと付いています。コンデンサの容量は当然100μFと耐圧は、元も25Vから50Vに変更 になっています。

左右1台ずつコンデンサーを交換し、修理は完了となりました。
外見は全く変わりませんが、内部は左のように変わって います。
真空管アンプは素人でも教われば修理ができるのですね。


修理を終えて、音を出してみると、今迄より格段に良くなっています。高域も荒れていないし、低域の量感や瞬発力も十分です。今迄、2時間くらいの使用で症 状が出ていたので、今回はCD2枚分以上を聞きましたが、症状は全く出ていません。これで、いい音が楽しめます。

Kさん、どうも有難う御座いました。是非またいらしてください。今度はもっといい音で鳴らします。


2008/11/26

標準 MCAP-CR型初期モデルのTR080a型



TR080a型

K さんが来られた週末、クリスマスの飾りをするときに、テレビの周りを掃除したついでに、初期モデルのTR080a型を下記の名人アンプで鳴らしてみまし た。このモデルは、製作後、初めて音を鳴らしたときには、思わず声を詰まらせるほどの音だったものです。しかし、その後、テレビの音声用に使用するに留 まっていました。
何故かと云うと、サイズが丁度良かったためと、最初に測ったデータがいまひとつだったためです。
改めて聴いてみると、あ まりの良さに考え込んでしまいました。計測装置を引っ張り出して、スィープ信号をFFT解析してみてもあまりフラットではありません。それに60Hz以下 はレベルが低くなっています。ところが、オルガンを聴いてみても低音は良く出ているし、オーケストラもしっかり鳴らします。Tangbandの3インチ低 価格モデルのW3-316Aを使用したもので、キャビネットが4部屋構造のMCAPであること以外は特徴があるわけではありません。それに、板厚も9mm しかありません。それがどうしてこんなに好ましい音がするのでしょうか。全く分りません。
ミューズの方舟に出品するTR130bと比較すると、低域は負けますが、高域のキレの良さでははるかに上回っています。ブラインドで聴いたらこれほど小さ なサイズであることはだれも分らないと思います。
ということで、製作例にこのモデルの情報を 追加しました。英語だけですが、暇がありましたらお読みください。
スピーカーシステムの評価は難しいものだ、と改めて感じてしまいました。



2008/11/27

測定方 法の発展


私が実施してきた測 定の方法については、問題が多いと書いていました。しかし、リニアスィープ信号を導入して以来、納得のゆく結果を得ることができましたので、測定方法、表 示方法 を統一することにしました。これに伴い、以前の方法で計測した結果は、随時削除してゆきます。最終的にまとめた測定方法は、英文でPDFの形に纏めまし た。詳細は、MCAPAP000Eと いう文書に記しましたのでそちらをご参照ください。

以 前の方法との違いは、基本的にはオーディオテクニカのCDのスィープ信号から、フリーウェアのWaveGeneで作成したリニアスィープ信号に変更したこ と、および、これに伴って評価する周波数レンジを低音側と高音側に分けたことです。一続きの信号を使用すると、低音側ではサンプリングする時間が相対的に 不足 するので、低音側は遅めに、高音側は早めにスイープするようにしました。そして見掛けのレベルが一致するよう、FFTのサンプリング時間を、高音側では短 め、低音側では長めにとっています。こうすることで、随分と細かく観察できるようになりました。また、ログスィープでは、高音側が速くなりすぎてしまうの に対し、リニアスィープでは等速でスィープするため、高音側での歪も確認できるようになりました。オーディオテクニカのCDに入っていたスイープ信号はロ グスイープであることも分りました。

測定方法を纏めているうちに、別な発見 もありました。今迄は、実際に再生されている音をFFT分析するだけでしたが、CDの信号をリッピングしてFFT分析する知恵を付けたので、CDに記録さ れている音のスペクトルは確認できるようになりました。CDの信号のスペクトルと再生音のスペクトルを比較することで、システムの弱点が明確に現れるよう になりました。瞬発的な低音の再生能力は、アンプの電流供給能力によってもかなり左右されますので、この比較では、スピーカーだけでなく、アンプも同時に 試されていることになります。瞬発的な低音の再生能力は、長岡先生が書かれている通り、定常特性では現されないものです。このような比較をしてみると、実 際の低音感と定常特性との間に差があることも分ります。

相 変わらず問題なのは、部屋の特性が大きく影響を与えてしまう点で、部屋の問題と思われるディップが常に結果に現れてしまいます。アプリケーションレポート にある特性の大きなディップは部屋の影響と考えてほぼ間違いありません。部屋の影響を分離するのは今後の課題となります。できれば、方舟のような大きな部 屋が欲しいところですが、残念ながら、アマチュアにはとても無理な話です。

しかしながら、創意工夫を重ね、こうした試行錯誤による発見は、追々更新してゆこうと思います。資金がない分は知恵を絞って考えるしかありません。


2008/11/28

MCAP -CR型の再評価


CBS-CR型キャビネットを 新たに考案し、どのように料理しようか、楽しみにしていました。CBS-CR型は簡易計算方法が分かりませんので、方程式を行列形式にまとめ、特性方程式 の固有 値を求める計算をしてみました。行列形式にまとめ、剛性行列を見たところ大変気になることがありました。それは、行列の形が美しくないことです。以下が、 CBS-CR型の剛性行列です。

上側の3行3列はMCAP-CR型と同じ形をしていますが、他の部分では、対角状に並ばすずれていたり、縦横に並んでしまったり、どうも気になります。

実 際に、キャビネットのサイズを想定して計算してみましたが、どのダクトをどのような断面積とし、長さとするか、全く見当が付きません。すこしずつ変えてみ るものの、各固有値が離れてしまったり、実数解以外が多く出てしまったりして、どのような設計にして良いのか、試行錯誤の手前で止まってしまった感じで す。剛性行列は、対角行列なので、実数の固有値を持ちそうですが、質量行列の逆行列を掛けて固有値を計算するので、固有値が実数であることは保証されなく なるのです。この点はMCAP-CR型でも同じですが、MCAP-CR型では、実数の固有値が出るようダクトのサイズを推定することが可能でした。

MCAP-CR 型は、方程式の形が対角状に綺麗に纏まっており、どのダクトをどのような断面積・長さにすれば共振周波数を思うように変えられるのか見当が付きました。 CBS-CR型の場合は何故このようにならないのかというと、それは、空気室を並列に繋ぐダクトがあるためです。このダクトの存在が、パラメータを増や し、設計 を困難にしています。CBS-CR型でも、シミュレーションのパターンを増やし、銃弾爆撃型に試行してゆけばベストな設計ができるかもしれませんが、実用 的では ありません。

今後、CBS-CR型に挑戦してゆけるのか、怪しくなってきました。

それにしても今回分かったことは、MCAP-CR型の実用的な優位性でした。先ずは、MCAP-CR型を完成させることが先のようです。

2008/11/30

ミュー ズの方舟2008 スピーカーコンテンストでの選曲


ミュー ズの方舟2008の開催日12月14日が迫ってきました。MCAP-CR型の初めての公開なので、皆さんどのように聞いて下さるのだろうか、ちょっとどき どきわ くわくといったところです。折角聞いて頂くのだから、何か印象をお持ち帰り頂かなければなりません。私は文学的表現が苦手なので、エンジニアらしく数字で 行きたいと思います。機材はともかくとして、数字の裏付けがなければ、なりません。そこで、数字の裏付けのある曲目を選択することにしました。

MCAP -CR型は、大型になり過ぎずにローエンドを伸ばせる方式なので、なるべくローエンドのはっきりした曲目を選ぼうと考えました。共通課題のマーラーは、 11/16に書いた通り、自分の買ってきたものが同じ品質のものかどうか怪しいのですが、同程度の仕上であるという前提で考えると、低音の再生能力は良く 分らないかもしれません。従って、もっとローエンドの低いソースを3点選びました。私の買ってきた同じ演奏のマーラー のCD(オリジナルのマスターテープは恐らく同じもの)では、50Hz以下はカットされたようにレベルが低いので、出品するTR130b型でも、3イ ンチのTR080a型で も大してスケール感が変わりません。むしろ3インチのほうが高域が美しいだけに良く聞こえてしまいます(下の11/16のスペアナをご参照ください)。

低音とは云っても、少くとも、瞬発的な低音と持続する低音に分けなければなりません。このため、太鼓型、オルガン型に分けて選択しました。

最初に太鼓型の瞬発的な低音のCDです。曲目として、2曲選び、音楽ソースをFFT分析に掛け、ピークホールドしたものを示します。
ど ちらもゲルギエフ指揮のキーロフオーケストラの演奏で、上のものは、有名な『春の祭典』のトラック3です。大太鼓の瞬発力が凄まじく、約36Hzの低音が 他の周波数よりも10dB位高いピークとして入っています。これ位の周波数帯の音が入っていないと、3インチのTR080a型でも大差ないか、むしろ TR080a型のほうが、良く聞こえてしまいます(TR080a型は不思議なことに測定上のローエンドよりも聴感上はローエンドがずっと低く聞こえま す)。

そ の下は、『The Gambler』(日本語題名不明)の2枚目のトラック7のもので、こちらは、大太鼓のチューニングを少し下げて、約32Hzがピークとなっています。こ の差が分らないシステムでは、どちらも騒がしいだけの音楽になってしまいます。ン十万円以上のスピーカーでも小型のものでは、絶対に出せない程度の差でし かありませんが、お聞かせするTR130b型では、この4Hzという差を明確に鳴らし分けることができます。私が使用しているパワーアンプP-350で は、低域の瞬発力が足りませんが、会場で使用するP-7100では、瞬発的な低音を十分に鳴らすことができると思います。下の記事(10/19)にある私 のシステムでのスペアナでは、『春の祭典』の36Hzのピークが低くなってしまっていますので、瞬発的な低音の再生能力は、この程度なのかもしれません が、会場では高性能のパワーアンプを使用するので、かなり豪快に鳴るだろうと思います。

『The Gambler』は、チェック用として有名かどうか知りませんが、『春の祭典』はチェック用CDとして持っているという方が多いと思いますので、比較も容 易なことでしょう。どちらも20Hz以下の低音まで入っている優秀録音です。


 オ ルガン型の持続する低音用のソースには、ハイデルベルクにあるハイリガイスト教会のパイプオルガンで演奏された、バッハの"Komm, Gott, Schoepfer Geist" BWV667を使用します。上記と同様に、ソースをFFT分析してピークホールドしたものを下記に示します。


バッ ハの作曲ですが、意外なことに低音のピークは32Hzで、それ以下の24Hz、21Hzにもピークがあります。低音がたっぷり入ったCDですが、小型シス テムでは、電気オルガンと大差ないようにしか聞こえないと思います。私のTR130b型でも24Hz以下はレベルが低いと思いますが、32Hzは十分に 鳴らすことができます。

当日は持ち時間が10分しかなく、そのうち自由ソフトの紹介に割けるのは精々7分位と思いますので、多分この3曲で時間切れになると思いますが、他にも一 応予備として1枚持ってゆこうと思います。

私 のシステムは、上記のように特徴を明確にして紹介したいと思いますので、バックロード型や共鳴管型との違いをお楽しみください。スピーカーユニットが安物 で、ナイロンフレームが盛大に振動しますが、そのような欠点を補って余りある音だと思います。FE138ES-Rを使ったらどのような音がするのか楽しみ ではありますが、今回はW5-1611SAでお楽しみください。TR130b型についての詳しい記載はこ こにあり、当日配布される資料はここに あるので是非とも事前にご参照ください。

それでは会場でお会いしましょう。声をかけて頂ければ励みになります。

2008/12/06

ソース の変更


私 は自家用車を所有していないので、ミューズの方舟の会場までは、タクシーを利用しなければなりません。このため、1週間前のこの週末に、出品作を梱包する ことにしました。最後に予定するソースを聴いていたところ、予定していたバッハのオルガンでは、聴きどころになる前に時間切れになるような気がしてきまし た。このため、オルガンの曲目を、最初のうちから聴きどころが出てくるものに変更することにしました。
新しく選んだものは、"ORGANI STORICI DEL FRIUTI"(GB 5096)の18番目のトラックにある、Ronchis作曲のAdagioで、以下が、このソースのFFT分析画面です。


ロー エンドのピークは、33Hzで下のバッハとほぼ同じですが、30Hz以下のレベルは大きくありません。それでも最初から低音感が分りやすいので、こちらの ほうがいいと思います。こちらのオルガンは、下のHeidelbergのオルガンの音とは、随分違います。どちらかというとオンマイクに近いようで、風切 り音も聞こえます。オルガンの音色、録音の違いを聞くと面白いです。

全く関係ありませんが、最近は、伊藤喜多男さんのアンプを修理して聞 いていたりしたので、アンプの差に敏感になりました。オルガンについては、伊藤喜多男さんのアンプのほうが圧倒的に良く聞こえます。しかし、瞬発的な低音 だけは、AccuphaseのP-350のほうが僅かながら上回っています。この差は、電源の平滑コンデンサーの劣化度の差かもしれませんので、いずれ は、伊藤さんのアンプの平滑コンデンサーも新しくしようと思います。P-7100はどのような音なのでしょうか。P-350もそろそろ10年位になるの で、次のアンプを何にするか悩んでいます。長岡先生の仰るように、フルレンジシステムの音は、アンプの音だとつくづく感じます。



2008/12/07

名人ア ンプの修理(その 2)

昨日、ミューズの方舟2008に出展するTR130b型を梱包してしまったので、しまってあったTR200a型をメインシステムに繋いで使用しています。 TR200a型は、作例に 記してあるものです。このシステムは、スピーカーユニットにFostexのFE206Σ+FT96Hを使用しており、今まで製作したMCAP-CR型シス テムの 中では最も高価で大型のものです。当該記載にあるように、製作・仕上ともMAKIZOUクラフトで実施したもので見事なプロの仕上になっています。音は当 然のことながら、フォステクスサウンドで、張りの良さ、しなやかさが両立したうえに、瞬発的な反応の良さを兼ね備えています。フォステクスを愛好して止ま ない人が多いことは、この音を聴いただけでも良く分ります。

今回は、新しい基準でデータを取り直し、結果は、英文ですが、作 品集に 追加しました。新しい基準で見ると、中高域はフォステクスのカタログデータとも違い見事にフラットな特性ですが、低域のレスポンスはだら下がりで、 36Hzでは中高域に比べて35dB位低くなっています。この特性からすると低域の再生限界は70Hzというところですが、聴感ではそのように感じられま せん。FFT分析の画面を見ながらいろいろなソースを聴いていたところ、ソースによっては20Hzでも反応しています。また、オルガンの最低域の再生も中 々のものです。先に書いたTR080aを聴いたときもそうなのですが、聴感と自分で測定した特性とは一致していません。このあたりが特性の難しいところな のでしょう。確かに、長岡先生の作例についても、先生自身の表現を読むと、特性の暴れているものに対して先生の喜びが感じられるものがたくさんあります。

TR200a の音は素晴らしく、特に伊藤喜多男さんのアンプで鳴らしたときの音は低域がぐっと延びて実に良いのですが、FE206Σの能率が高い(公称96.5dB) のため、残留ノイズが気になりだしました。残留ノイズは、電源を切って、平滑コンデンサの中の電荷によって鳴っている状態では聞こえなくなるので、電源周 りで 発生していることは間違いなさそうです。そこで、平滑コンデンサーを交換してみようと思い、中を開けて見たところ、平滑コンデンサーを外すのは自分の力量 では無理なことが分りました。そこで、前回、Kさんに見て頂いたときに、『これも怪しい』と指摘して頂いた別のコンデンサーを交換してみました。


交換後のキャパシタ


交換前のキャパシタ

電源の平滑コンデンサは、複雑に絡み合っており、外すことも、直接見ることもできませんでしたが、上記のコンデンサの交換程度であれば自分の技量でも何と かなりました。
早速音を聴いてみると、ノイズは残っていますが、幾らか小さくなりました。心なしか音も良くなったようです。AccuphaseのP-350も決して悪い わけではないのですが、このアンプと比較すると低音が軽薄に感じます。

MCAP-CR 型は低音の再現能力が特徴なのですが、随分とアンプに左右されます。恐らく、フルレンジドライバーを使用した共鳴管型やバックロードホーン型もアンプに よって随分違うのだと思います。長岡先生が、アンプのテストには、必ずスワンを使われていたことは、正解のようです。

2008/12/10

あてに ならない自分の耳


ミューズの方舟に出品するTR130b型 を梱包してしまってからは、下記のように、TR200a型 を使用しています。リンクの部分にあるシステムの測定結果を比較すると、TR130b型のほうが低域までフラットで良さそうなのですが、TR200a型を 聴くと自分の測定結果とは全く違い、超低域まで相当な音圧を発生するように聞こえます。一体何が間違っているのか、首を捻ってしまいます。測定データはエ ンジニアリングに必要ですが、最後は自分の感性と好みなのでしょうか。感性や好みは他人には通用しないので、やはり測定結果が重要なのでしょうか。
その答えはミューズの方舟のイベントで見つかるかもしれません。今週末を楽しみにしています。


2008/12/15

ミュー ズの方舟2008

 私にとっては、MCAP-CR型を初めて公開する場だったミュー ズの方舟2008スピーカーコンテストが、12/14に開かれました。
自分の結果としては、想像していたよりも高い評価を頂けたので、ちょっとびっくりしています。それは置いておいて、私の感想を書きます。


ま ず最初の2作品です。


EさんのAn Experiment IV(写真右側)
そのままでも売れそうな仕上げのお金がかかったシステムです。
FE138ES-Rを使用したドロンコーンシステムということでした。最初はダブルバスレフにするつもりだったのが、ダクトからの中高域が気になるという ことで、ドロンコーンに変更したということです。音はあまり印象には残りませんでした。ゴメンナサイ。


Hさんのエレファントノーズ(写真左側)
安いダイトーヴォイスのドライバー使用した曲がりダクトのバスレフシステムです。ドライバーは安いですが、とても上手に鳴らしていました。仕上げが綺麗 だったらもっといと思います。音楽を楽しむのにはいいバランスだと思います。

続 いて、K野さんの、violeena-fは、FE167Eを使用したバスレフシステムです。

意匠も素晴らしく、音も良い傑作です。音楽が鳴っていました。決して見掛け倒しではなく、音楽を楽しむのには十分なものです。

販売したら高く売れるだろうと思います。



次は、S藤さんのMy チューバです。

曲 面構成のバックロードホーン(ちょっと違うかも)で、これでいい音がしないはずがない、という力作でした。低音もたっぷり低いところまで出るだろうと思い ましたが、意外に低域は薄め、ローエンドも延びていませんでした。これは、キャビネットのせいではないと思います。FE138ES-Rは、低域を延ばしに くいドライバーなのでしょう。違うドライバーを使えば、量感たっぷりの素晴らしい音が出るはずです。

他の作品でもそうでしたが、FE138ES-Rは使いこなしが難しいようです。

続いて、ミューズの方舟会長、M田さんのチューバエウディです。

毎年作品を作り続け、しかも、常にハイレベルのM田さんの作品らしく、音のバランス、解像度、迫力共に十分です。

この作品が今回の音質賞でしたが、私の音質賞も、やはり、M田さんのチューバエウディでした。

後で、懇親会のときに、M田さんとお話しする機会がありましたが、毎回凄いプレッシャーだそうです。今回も相当のプレッシャーだったそうで、ご苦労が窺い 知れます。

毎年、盛り上げて頂いて有難う御座います。

続 いて、K辺さんの、PerfumeII(IIIか?)です。
今回の総合賞を受賞された作品です。

線の細い細やかな音作りで低音にはアクセントを付けています。

Fosterのドライバーは、私も購入しましたが未だ使ったことがありません。見るとびっくりするほどのチャチなドライバーをよくぞここまでと思います。

FE138ES-Rの1/20位の価格のドライバーですが、完全に食っていました。

チューバエウディ

続 いて拙作品のTR130bです。

自 分としては、良く鳴ったなあと思います。しかし、事前の確認時には、『春の祭典』の一発でダンパーが当たってしまい、本番では鳴らすのを止めました。時間 も足りないと思っていましたが、実際には十分な時間があったので、もう1曲ジャズでも鳴らせば良かったかな、とちょっと反省しています。

自分のアンプより良質な、力のあるアンプだったので、低音は思っていた以上に良く伸びました。32Hzの大太鼓、33Hzのオルガンは、自宅よりも雄大に 鳴っていました。

発表後に、ある方から、自分も作ってみたい、と云われたので、励みになりました。

また、自分が想像した以上に、良いと思って下さった方が多かったので、自分としては大成功と思います。

I 形さんのF08は、バックロードホーンだと思っていましたが、バスレフだということでした。

空間をたっぷりとったゆとりのある音で、音楽鑑賞向けの演出になっています。

センターキャップにスプレー糊を付けたという発想は、ユニークです。しかし、音が変わるのかな?

FE138ES-Rには、コイルを入れて高域を落としたということでした。フルレンジとは云いますが、やはり使いこなしの難しい、マニア向けのドライバー のようです。

K村さんの、サウンドゲートは、コストをかけないとい うコンセプトで、立派に作っています。ダイトーヴォイスのドライバーの高域が気になるということで、 抑えるための反射板を付けて、高域を散らしていますが、これは無いほうが良かったと思います。

K村さんは面白い方で、場が和みました。

S 須さんのスーパーMSは、アンサンブル型のスピーカー。

広い家に住んでいれば置きたい、超高級型です。現代美術館に展示するのにも良さそうです。

音のほうは、悪くは無かったですが、自分は普通のステレオスピーカーのほうが落ち着きます。





さて、結果は下記のようでした。全てTR130bに付けてくれた人が4人もいたのには、自分も驚きました。好みが合う人は意外に居るものですね。因みにこ れは、自分とか身内ではありません。
採点発表の経過を聞くと採点者の好みが分かれていることが良く分かりました。また、コメント欄も後で見せて頂きましたが、辛口のコメントは大変参考になり ました。

最後に、ミューズの方舟の皆様にお礼申し上げます。



2008/12/21

アンプ の交換

ミュー ズの方舟2008スピーカーコンテストも終了して、一段落ついたので、今度はアンプの交換を進めています。暫く使用していなかった、ユニエル電子のPA- 036というアンプを出してきて、ボリウムを付けました。これは、基板だけを販売していたもので、放熱板、筐体や電源は自分で何とかしなければならないも のです。アンプ基板の他に、ダイオードブリッジは、ユニエル電子で購入できたので、利用しました。
このアンプのパワーICは、ミニコンポ用のものだそうで、高級オーディオからはかけ離れたものですが、以下の工夫をすることにより、素晴らしくいい音にな ります。その工夫とは、江川三郎さんのパワードケーブルと同様の構成にすることです。パワードケーブルの特徴は、
(1)電源にACアダプタを使用する。
(2)電源とアンプの筐体を分ける。
(3)電源は左右別々にする。
の3点です。こうすることにより、定位が明確で、クリアな音になることは、以前に実験室にお邪魔したときに確認できました。
今回、また出してきたアンプは、なるべく同様にしています。


写真の中央下にある緑色の箱が、ACアダプタです。これは、プラスマイナス電源なので多少複雑ですが、ACアダプタに変わりはありません。アンプは、中央 左側、StuderのD730の下にあるメガネザルのような筐体にモノラルアンプ2台が収まっています。

D730 の出力から、このアンプに直接繋ぎ、入力ボリウムで、音量を調整するという、いたってシンプルな構成です。部品のコストの総額は、4、5万円程度だと思い ますが、自分の使い方ではこれで十分なパフォーマンスが出せます。普段使用しているアキュフェーズのP-350と比較すると、スペック上の出力は負けます が、クリアな音場、瞬間的な電流供給能力で差をつけます。欠点はケーブルの処理が大変なことですが、音は納得できるものです。
スピーカーは、もう十分楽しんだのでこれからは、アンプで楽しもうかと思います。


2008/12/23

Feastrex 導入


本 日、FeastrexのNF5Exが届きました。ン十万円の買い物で、自分にとって、生涯で一番高価なオーディオ商品の買い物でした。
M さんに、TR130b型キャビネットをお譲りするので、先ずは自分のドライバーを取付けて、鳴らしてみました。お譲りする方のドライバーは、励磁型の TypeIIで、私のTypeIとは取付穴の形状が異るのですが、MさんのTypeIIに合わせた穴を開け、励磁電源用コネクタも取付けました。
朝8時半から作業を始めて、音が出せたのはようやく午後6時を回ったところでした。励磁型は初めてなので、配線が間違っていないか心配でしたが、あっさり と音が出ました。

アキュフェーズのP-350を使用し、鳴らし始めは、がさがさの音でしたが、10分、20分と経過するうちにがさがさ感が取れてきて、1時間もしたころに は、美音を奏で始めました。子供の合唱は天使の声、伴奏のオルガンは、まるで教会にいるかのように鳴り響き始めました。



Mさんのドライバーは、ン十万円の桁が上がりそうなもので、しかも、エージングが進んでいるので、悪い音がするわけがありません。鳴らし始めの音でこれ だったら、Mさんはきっと喜んで下さるに違いないと確信しました。

問題は、Tangbandの5インチのように4つ穴ではないので、PC用のファンガードが取り付かないことです。突っついて傷つけないよう注意しなければ なりません。こういう高価な商品には、質の良いグリルが付属すれば良いのに...
何はともあれ、これで、年明けにはMさんのドライバーと交換できます。ああくたびれた。

2008/12/26

ミュー ズの方舟2008の会場で頂いたご質問について


ちょっと前の話題になりますが、ミューズの方舟でご質問頂いた内容について記します。私の発表が丁度休憩の直前だったので、多くの方々とお話しすることが できました。私にとっても頂いたご質問は、頭の中を整理するきっかけになりました。

(1) バスレフ箱にダクトを複数付けても共振周波数は増えないのでは?

  普通のバスレフ箱にダクトを複数付けても共振周波数は増えません。私がPDF文書で記したような計算を当てはめてみると、振動の固有値が重解になることが 確かめられます。簡単には書けないのでいずれ詳しく書こうと思いますが、簡単に説明すると、ダクトを複数付けても、その両端の空気が直接繋がっているの で、共振周波数が増えないと考えれば良いと思います。
 では何故、MCAP-CR型の場合は共振周波数がダクトの数まで増やせるかというと、それは、ダ クトの両側のうち片側は、他のダクトの面と直接同じ空間に繋がってはおらず、別な空気室(空気バネ)を介して繋がっているので、条件が同じにならないから です。ここが並列に空気室を並べた構造の特徴です。このようにしないと、共振の固有値はダクトの数よりも必ず少くなります。

(2) ダクトが随分小さいですね?

  ダクトが大きいほうが低音が稼げると考えている方が多いのですが、これは必ずしも正しくありません。ダクトから発生する音圧は、ダクトの中の空気の塊が振 動するときの最高速度の2乗に比例します。これは風圧の計算と同じことです。しかし、風の力は、それにダクトの断面積を掛けた値になるので、低音を発生さ せる源は、空気速度の二乗と断面積の積に比例することになります。振動板の面積と振幅が同じ場合には、ダクトの空気速度は、共振点以外では、概ねダクト面 積に反比例することになります。これを総合して考えると、例えばダクトの断面積を1/2にすると、低音を発生させる源は、2倍に増えることになります。即 ち、振動板の振動を著しく妨げるか、或いは、ダクト壁面での摩擦損失が余程大きくならない限り、ダクトの断面積は小さくても良いことになります。
 MCAP-CR 型の場合は、小部屋に分けているので、それぞれの部屋に合ったダクト面積を割当てることにより、お聞き頂いた通り、30Hz程度は楽々再生できるようにな ります。これもMCAP-CR型の特徴です。ダブルバスレフの場合、折角部屋を大きくしても、ダクトも大きくしてしまうと思ったほど低域が延びないという ことに なります。このことは、私が記したMCAP-CRの計算方法に基いて簡単に計算できますので、興味のある方は是非ともお試しください。

  ミューズの方舟のイベントで私が明言しましたように、スピーカーの設計は物理学なので、タネも仕掛けもありません。MCAP-CR型の技術情報は全て公開 してあ り、秘密も特殊なノウハウもありません。ですので、興味のある方は、ご質問頂ければ、時間の許す限りお答え致します。また、実際に設計してみようという方 がいらっしゃいましたら協力は惜しみません。

 皆様良いお年をお迎えください。

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注意事項

MCAP-CRは、2012年に特許が 成立しています(特許第 5083703号)
契約による以外のMCAP-CRの商 用利用は禁じます。
MCAP-CRの商用利用を検討され る場合には、 ご連絡ください。
評価のために、実際に製作することは、商用利用とは看做しません。
また、商用以外の使用に制限はありません。

連絡先: mcapspeakers@gmail.com

管理人: 鈴木 茂

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