MCAP-CR
多自由度バスレフ型スピーカーシステムの研究開発
物理モデルに基くシミュレーションソフトウェア開発




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2008/10/13
インターナショナルオーディオショーとハイエンドオーディオショーを聞いて
2008/10/18
リ ニアスィープ導入
2008/10/19
曲 目選び
2008/10/26
測 定の秋

 

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2008/10/13
インターナショナル オーディオショーとハイエンドオー ディオショーを聞いて

先週末は、インターナショナルオー ディオショー、今週末は、ハイエンドショーに立寄りました。
イ ンターナショナルオーディオショーは、高級オーディオショーで、数百万円以上するオーディオコンポーネントが所狭しと展示されていました。立寄ったのは、 10月11日(土)でしたが、大勢の人手で、ゆっくりと聞くことはできませんでした。場所は、有楽町の国際フォーラムで、各室に1社ずつ入って展示と試聴 をの場を提供していました。
おおむね駆け足で一通り見て聞いてきました。
最初に訪れたブースでは、隣のブースの音が良く聞こえてきました。1室を仕切って交互に聞かせていたようで、試聴できるブースは満員だったので入れず、こ ちらに入りました。洩れてきた音は国内メーカーの展示室の音で、正に、高級オーディオ装置の音でした。
こ こで思ったのは、『高級オーディオ装置の音とは何だろう?』ということでした。高級オーディオ装置の音は聴くとすぐにそれと分る場合があります。重厚感が あり、高域には艶があり、しっとりとしたオーケストラを奏でます。こういう音は、直接聴かなくても、洩れてきた音であっても、または、テレビの音声で再生 されたオーディオ装置の音でも分ります。
しかし、こういう音は、生の音とはまるで違います。生の音は、鋭く、激しく、ときには歪っぽく突き刺さる ように感じさせる場合があります。しかし、このような高級オーディオの音は、きつさ、激しさ、歪っぽさが一切ありません。高級なことは分りますが、一体何 なんでしょうか?生々しさを求めるのであれば、自分の装置のほうがずっと生に近い音です。自分の装置の音はこのようにオーディオっぽくはありません。そう いえば、長岡先生もそのようなことを書いておられました。自分の音は、長岡サウンドの系列なのかもしれません。

インターンナショナルオーディオショーでは、高級機の音を一通り聴きました。
自作では、とてもこういう音は鳴らせない、と感じさせたのは、Avangardeのホーンシステムでした。中域から高域にかけてのキレの良さはとても真似 できない。しかし...あの低域は許せませんでした。中高域の質に全く合っていません。表現が難しい音です。

中々良かったのが、SONICSの音です。数百万円よりはちょっと安めで、大音響ではありませんでしたが、心地良い音を響かせていました。自分の好みを座 標軸にすると、価格との整合性がまるでありません。自分はエコノミックな耳を持っているようです。


 今週末は、ハイエンド ショーに立寄りました。こちらは、同じく有楽町の交通会館の一角で小ぢんまりとした展示でした。ハイエンドだけではなく、いろいろと ありそれなりに楽しめました。インターナショナルオーディオショーと出展が重なっていたメーカーはあまりありませんでした。

 目的にしていたのは、六本木工学研究所のコーナーでした。こちらは、ハイエンドというよりは、ローエンドに近い価格帯のものを聞かせる展示でした。ペア で 20万円以下のスピーカーシステムと、数千円のパワーアンプ基板の組合せで聞かせるものです。スピーカーは全て小型で、ローエンドは精々80Hz位 かな、という感じでしたが、フルオーケストラでなければ、十分聞けるシステムです。ハイエンドと比べてもさほど聞き劣りする訳ではありません。

 興味深かっ たのは、アンプ基板です。電源と筐体は別に準備しなければなりませんが、価格が安い割には質の良い音でした。このような方式のアンプ基板の販売は、ユ ニエル電子と いうところでも行っており、私も、試したことがあります。こういう安い基板でも、電源を左右別々に準備すると、中高級品以上にクリアな音が聴けました。残 念ながら、高品位のパーツが入手できなくなったようで、今は歪率の値が一桁上がってしまっていました。今度は、六本木工学研究所で同様な高品質基板を出す というので、そのうち購入しようと思います。これはちょっと楽しみです。未だ、麻布オーディオのページには、このアンプのことが出ていませんでした。

 このアンプ、早く販売を開始して欲しいものです。出来たら電源も別に販売して貰えれば、組合せでいろいろ楽しめます。


六本木工学研究所のスピーカー システム
展示品の中では最高級品(それ でも20万位)


 六本木工学研究所のデモ用システムは、左の通り、ハイエンドとは イメージが違います。

 写真の右上は、数千円のステレオアンプ、左側は少し高価なモノラルアンプで、共に、電源が別に必要になります。

 比 較的良かったのは、QuadralのTITANというスピーカーシステムでした。デザインは今ひとつですが、鳴りっぷりは中々のものでした。しかし、これ も高音圧での低域はいまひとつ気に入りませんでした。低域の再生は難しいのですね。

 段ボール箱等が雑然と並べられているのが気になります。

 二 つのオーディオショーを聞いて最も強く感じたことは、本当のハイエンドに近付くには、自作スピーカーが良いのではないかということです。ハイエンド装置の 場合は、ちょっとしたホールのような場所でも壊れずに鳴らせなければなりませんが、普通の家庭ではそこまでする必要はありません。だから普通の家庭では、 フルレンジドライバーを使用したシステムが最も効率良く再生できる装置なのだと思います。自分の使わない部分の性能を犠牲にして必要なところを贅沢にす る、自作とは、このようなワンポイントの贅沢で成り立つシステムです。一般性はありませんが、趣味なのですから、それで良いのではないでしょうか。


2008/10/18
リニアスィープ導入

今迄は、オーディオテクニカのCDにある内容不明のスィープ信号を測 定もどきに使用してきました。
最 近、フリーウェアのWaveGeneを用いてリニアスィープ信号を作成する方法が分ったので、念願だったリニアスィープ信号をを作成し、CDにコピーして 測定してみました。相変わらず、いい加減な測定もどきであることには変わりありませんが、FFT Waveというシェアウェアには適合した信号であるので、使用してTR130bを 測定してみました。ドライバーには、TangbandのW5-1611SAを使用しています。これは、ミューズの方舟2008自作スピーカーコンテストに 出品する予定のスピーカーシステムです。

リ ニアスィープにするとスィープ速度が低域から高域まで同じ速さなので、20Hzから20kHzまで同じ条件になるようにスィープすると1時間くらいかかり そうです。このため、低域側は10Hz-400Hzを120秒でスィープ、高域側は、100Hz-20kHzを120秒でスィープというように分けまし た。そこから、条件がほぼ等しくなる帯域を切り出して表示しています。

まず、最初に、低域側の特性です。20Hz-300Hzまでを横軸リニアスケールで表示しています。

低域側のレスポンス(20Hz-300Hz)

 40Hz 以下は下がっているように見えますが、聴感上はかなり強烈に出ています。20Hzでも暗騒音よりは20dB位は高い音圧が出ており、30Hzは聴感上は相 当な音圧で再生しています。40Hzでは、家中の壁が振動してビリビリしました。40Hz以上は、狙い通りのほぼフラットな特性と云えると思います。とこ ろどころディップがありますが、マイクロフォンを少しずらすと無くなったりするものなので、部屋の特性なのだと思います。このようなディップは、ピンクノ イズを使用した1/3オクターブバンド表示では判別できない場合があります。

 次 に、300Hz-20kHzの特性を示します。低域側とは違ってレンジが広く、スペクトル表示では見難いので、1/12オクターブバンドの棒グラフ表示と しています。また、横軸は、見やすいように対数スケールにしています。これでも、長岡先生の1/3オクターブバンド表示よりはずっと細かく見ることができ ます。

中域-高域のレスポンス(300Hz- 20,000Hz)

 310Hz -320Hz位にディップがありますが、これも部屋の特性だと思います。こうしたディップを差し引いて考えると、低域側と合わせて、40Hz-18kHz はほぼフラット、20Hzでもレスポンスがあるシステムということになります。特性上は、恐ろしくフラットで、文句なしと云って良いと思います。

 今後は、このリニアスィープを使用した測定方法を確立して標準化してゆきたいと思います。


2008/10/19
曲目選び

 ミューズの方舟2008スピーカーコンテストでお聞かせするためのソフトを何にするかは、難しい問題です。
今迄、いろいろと候補を考えていましたがなかなか結論が出ません。ソフトの選択の方針は、下記の通り決めています。

    MCAP-CR型の特徴を表現しやすいこと
        低音域の瞬発力が表現しやすいのはドラム。
        低音域の限界を表現しやすいのは、オルガン。
        中高域から低音域までの繋がりを表現しやすいのはフルオーケストラ。
    音が良いこと
        13cmを使用しているので音場感が良いのは当然だが、MCAP-CR型である必要はない。
        歪感が少いこと。室内楽の再生は楽だが面白みに欠けるが...
        オーディオショーで使用しているソフトに似ていること。やはりジャズか...

 これらの条件で考えると、最低3曲、できれば4曲位は紹介したいと思います。ということで、既に絞っているものを、FFTの画面を見ながら考えていまし た。

 候補のソフトをを含めてTR130b型の再生音のスペアナ画面をとってみました。赤い線がピークホールド値で、緑の線は、暗騒音です。暗騒音のピークは パ ソコンの音だと思います。我家は都心にありますが、暗騒音は十分に低いようです。

まず、音が良いという評判の、ゲルギエフ指揮の『春の祭典』(PHILIPS 468 035-2)のトラック3のスペアナ画面です。直接ではなく、再生音のスペアナです。


ゲルギエフ指揮キーロフオーケストラ 『春 の祭典』トラック#3

 次に、同じ部分を、シモノフ指揮ロイヤルフィルの演奏(First Music Co.,Ltd. FRP-1060)を再生したときのスペアナ画面です。

シモノフ指揮ロイヤルフィル『春の祭典』ト ラック#3

 シ モノフのほうは、大太鼓の周波数は31Hz位のチューニングですが、ゲルギエフのほうは、37Hz位のチューニングです。しかし、ゲルギエフ版のほうが圧 倒的に低音がたっぷり、大迫力に聞こえます。全体的には、録音の質はそんなに大きく違わないように思えますが、低音の入り方で随分と違って聞こえます。ゲ ルギエフ版のほうが、再生しやすいように思いますが、20Hzまでフラットに再生できるシステムだったらどちらが良く聞こえるのか分りません。

 他 にも色々と聞いてみましたが、聴感とスペアナ画面は意外に一致しないようです。オルガンの低音等は、40Hz前後がハイレベルで入っているもののほうが、 30Hz付近が少し低めのレベルで入っているものよりも、最低域が低いように聞こえます。楽音になると、サイン波とは随分違って聞こえるようです。

 まだまだソフト選びは始まったところで、これが最終決定のソフトではありませんが、本番の1ヶ月前には決めてしまいたいと思います。

 TR130b型は、未だチューニングはしていませんが、確実に良くなってきています。エージングが少しずつ進んでいるようです。


2008/10/26
測定の秋

 夏の間は測定に力が入りませんでしたが、最近ようやく測定ができるようになりました。
 夏 は暑いため、エアコンが必需品です。しかし、エアコンは測定に対して大きなノイズになります。特に、エアコンの風がマイクロフォンに直接当たると低域のノ イズが大きく出ます。暑さを我慢するのには限界があるし、窓を開けると外の音が入ってくるし、ということで、暑い間は測定が全くできませんでした。

 ま た、10/18に記したようにリニアスィープ信号の作成方法を発見してからは、部屋の癖は別として、それなりに納得のいく測定ができるようになりましたの で、今は、自分の測定の方法の標準書を作成しているところです。やはり、『測 定について』に記した内容不明のスィープ信号では特性が分らないことが確認で きました。

 さて、WaveGeneで作成したリニアスィープ信号を使用して、TR100a型の軸上1m の特性を測ってみました。ドライバーは、Tangband製10cmフルレンジのW4-927SCです。

 先ずは、20Hz-400Hzについて示します。


次に、、右側のスペアナです。



右 側は、壁に近いこともあり、反射の影響を強く受けているようで、特性が異っています。左側では、100Hz付近にディップがあるのに対し、右側ではディッ プの位置が150Hz付近になっています。また、右側では、70Hz前後にピークがありますが、左側にはそのようなピークがありません。このように見てみ ると改めて部屋の重要性を再確認せざるを得ません。このようにスピーカーシステムの特性を測るときには、部屋の特性を合成してしまっているので、結局は良 く分らないものです。これは、無響室を持たないアマチュアの宿命でもあります。

次に、高域側のスペアナを示します。高域側は、部屋の特性の影響を受けにくく、測定でも左右で大きな差が無かったので、右側のみ示します。



 驚 いたのは、高域のスペアナの形が、TangbandのW4-927SDに非常に似ていたことです。使用したドライバーは、W4-927SCですが、CとD との差は基本的にはロットの差であり、Cはダイキャストフレームであるのに対し、写真で見るとDはプレスフレームのようです。ところが、高域のレスポンス は、Tangbandのものと非常に似ているのです。流石に業務用のマイクロホンは、差が少ないのでしょうか。低域については、箱の癖、部屋の癖の影響を 受け、いびつですが、それにしても、W4-927SCの特性は見事にフラットです。ハイエンドも18kHzというスペックになっていますが、公称 20kHzとしても良さそうです。

 雑誌でもウェブでも、20Hzまでフラットという目が点になるほどの良い特性を見かけますが、それには測定上の落とし穴があります。そのことは別途書こ う と思います。



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MCAP-CRは、2012年に特許が 成立しています(特許第 5083703号)
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評価のために、実際に製作することは、商用利用とは看做しません。
また、商用以外の使用に制限はありません。

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管理人: 鈴木 茂

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