Project MCAP-CR

多自由度バスレフ型研究所

Audio Engineering Laboratory


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スピーカー再生技術(11)-バスレフ型の並列拡張型『MCAP-CR』(1)

さて、今週からいよいよMCAP-CR型に入ります。
前回までで、多自由度バスレフ型のうち、直列型の概要と利点については確認してきました。
私自身、直列型については、実験もしたのですが、あまりメリットは感じられなかったので、並列型の、MCAP-CR型を 自分で開発することになりました。 バスレフ型を一般的に拡張すると、手に負えないので、直列型を一般化した後に、並列型に焦点を当ててきました。 そして、並列拡張型の一般形となる、MCAP-CR型ができあがりました。
私は、スピーカー再生技術の向上を目指しているので、実験だけでなく、方程式の一般化にも取り組みました。 方程式の一般化はすで完了し、一部は、シミュレーションソフトウェアとしてリリースしています。 スピーカー製造メーカーがやってこなかったことなので、並列型の技術については、いまのところ、ここでしか知ることができません。 オーディオ文化が生き残ることができれば、このサイトにまとめられた技術は、遺産として、将来にわたって役立つことでしょう。

前回までにみてきたものが、原型となるバスレフ型と、副空気室を直列接続に拡張した形式です。 この直列に拡張した方式を、MCAS-CR(Multiple-Chamber Aligined in Series Cavity Resonator)と呼びます。 この名称は、私がつくったものですが、作例のほとんどは、ダブルバスレフまでで終わっており、一般的に拡張した説明は、見たことがないので、 私がつくった名称を一般的な名称としても差し支えないと思います。

今回から説明するものは、副空気室を並列接続に拡張する方式です。
これを、MCAP-CR(Multiple-Chamber Aligned in Parallel Cavity Resonator)と呼びます。 これも、私がつくった名称ですが、こちらは、私自身の開発なので、命名権は自分にあるものと思います。

MCAP-CR型とは、スピーカーユニットを装着する主空気室に、大気開放ダクトが付いた副空気室を、2つ以上接続する方式です。

言葉で書いても何のことかわからないので、並列接続型のMCAP-CR型と、直列接続型のMCAS-CR型の構成を比較してみましょう。

図を見ると、MCAS-CRもMCAP-CRもどちらも空気室が一列に並んでいます。
MCAP-CR型は、副空気室を並列に配置することが特徴ですが、この場合副空気室が2つしかないので、一列に配置されたように見えています。
MCAS-CR型は、副空気室がいくつの場合でもかならず一列に配置されます。

両者の構成上の違いはTable-1のとおりです。



Fig.22 MCAP-CR型
(副空気室=2)
Fig.21 MCAS-CR型
(トリプルバスレフ型)

Table-1 MCAP-CR型とMCAS-CR型との構成上の違い

MCAP-CR型
MCAS-CR型
主空気室の位置
中央

副空気室の位置
主空気室を囲むように端外側に配置
主空気室の隣から順に配置
ダクトの数
4(副空気室数の2倍)
3(副空気室数+1)
大気解放ダクトの数
2(副空気室の数)
1(副空気室の数に依存しない)

Table-1に示した構造上の違いが、パフォーマンスの違いになります。特に重要なのが、ダクトの違いです。

箱の共振周波数の最大個数は、ダクトの数に一致するので、共振周波数を増やす目的に対しては、MCAP-CRのほうが 有利になります。
また、内側のダクトの動作よりも、外側のダクトの動作のほうが直接耳に作用しやすいため、外側のダクトのほうが 内側のダクトよりも有利です。
このため、箱の働きを期待する場合には、MCAP-CR型のほうがMCAS-CR型よりも設計上は有利です。

以上、簡単にまとめたところで、MCAP-CR型の優位性がお分かり頂けたと思います。
次回は、MCAP-CRの性能上の特徴について説明します。


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注意事項

MCAP-CRは、2012年に特許が成立しています(特許第 5083703号)
契約による以外のMCAP-CRの商用利用は禁じます。
MCAP-CRの商用利用を検討される場合には、 ご連絡ください。
評価のために、実際に製作することは、商用利用とは看做しません。
また、商用以外の使用に制限はありません。

連絡先: mcapspeakers@gmail.com

管理人: 鈴木 茂

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