MCAP-CR
多自由度バスレフ型研究所
Audio Engineering Laboratory




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スピーカー再生技術(8)-バスレフ型の拡張型

 前置きが長くなってしまいました。今回こそは、バスレフの拡張型について、考えましょう。このページをお読みの方はすでにお気づきと思いますが、バスレフの拡張型として主要なものは、多自由度バスレフです。他にもありますが、それは、ここでは考えないことにします。
 
 拡張型について考える前に、バスレフ型の特等について、再びまとめます。バスレフ型の特徴としての動作は、以下の通りです。
  1. バスレフダクトが、補助的な振動板として動作する。
  2. バスレフダクトが補助的な振動板として機能するのは、共振周波数と、位相反転する周波数である。
  3. バスレフダクトの位相反転動作は、共振周波数を上回る周波数帯域で発生するが、周波数を高くなるとと効果が小さくなる。このことは、バスレフダクトには、ハイカットフィルターとしての効果があることを意味します。
  4. バスレフダクトの共振周波数を下回る周波数においては、ダクトという振動板が、音圧を引き下げるという副作用がある。
 以上のことを頭に入れて、バスレフの拡張型について考えてみましょう。

 バスレフ型は、このマイナー講座で、ばね−質点系振動モデルで表現できることを見てきました。ということは、ばね(=空気室)と質点(=ダクト)を増や してゆけば、共振周波数を増やせることが、想像できます。これを最初に実現したのがダブルバスレフ型というモデルです。ダブルバスレフ型の作例は、長岡先 生の著書やアマチュアの作例では多く登場しますが、ダブルバスレフ型の商品は数多くありません。スピーカーシステムという商品のほとんどは、バスレフ型 で、たまに、密閉型を見ることができるくらいのものです。ごくまれにバックロードホーン型も見ますが、バックロードホーン型は難しいので、大規模なメー カーで大量生産した例は多くありませんね。
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  中には、バックロードホーン型をバスレフ型の拡張型だと主張する人もいるのですが、そのような意見は、本質を理解していないために出てくるのだと思いま す。なぜなら、バックロードホーン型は、ばね−質点モデルで表現することはできず、また、位相反転動作を期待する方式ではないからです。このページでバッ クロードホーン型を扱わない理由は、ばね−質点モデルで表現できないためです。たったそれだけの理由なのですが、それほどバックロードホーン型は難しいと いうことです。

 それでは、ダブルバスレフ型の構造を見てみましょう。
 Fig.19〜21に、シングル、ダブル、さらに、トリプルバスレフ型の構造をまとめました。


Fig.19  シングルバスレフ型

Fig.20 ダブルバスレフ型

Fig.21 トリプルバスレフ型

 シングルバスレフ型については、Fig.19のとおり、主空気室がひとつ、ダクトがひとつです。ダブルバスレフ型は、Fig.20に示すように シングルバスレフ型のダクトにさらに副空気室を繋げます。そして、追加した副空気室に、は2本目のダクトを繋げます。同様に、第2の副空気室と第3のダク トをダブルバスレフ型に追加すれば、トリプルバスレフ型になります(Fig.21)。このようにみてゆくと、さらに、クオドラプルバスレフ型とか、副空気 室n個の直列接続バスレフ型まで、一般的に拡張できます。

 さらに、動作について検証してゆきましょう。ダブルバスレフ型は、振動板が動くことにより、主空気室内部の圧力が変動し、それが、ダクト1を介して第1 副空気室に伝わります。そして、ダクト2を介してリスナー側に伝達されます。このように書くと動作は単純ですが、振動板には、空気室の圧力変動による反力 が加わり、また、ダクトの動きが、空気室に圧力変動を与えると共に、空気室の圧力変動の影響を受けるといった具合なので、必ずしも単純な動きではありませ ん。こうした動きを運動方程式で確認したい方は、技術文書の項をご参照ください。

 ダブルバスレフがシングルバスレフと違うのは、空気ばねが2つとダクトが2つある点です。これらが複数あることで、質点の自由度が増えます。自由度が増 えることにより、共振周波数の数を増やすことができるようになります。こうして、低域の音圧が不足する周波数帯に共振を与え、低域のレンジを伸ばすことが できるようになります。

 しかし、比較的単純なダブルバスレフでさえ、あまり普及していないのが実態です。次は、ダブルバスレフが普及しない理由について考えてみましょう。

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管理人: 鈴木 茂