MCAP-CR
多自由度バスレフ型研究所
Audio Engineering Laboratory




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スピーカー再生技術(3)
- バスレフ型とは(その1)

 前回までで、スピーカー再生の技術は、空気を動かして、圧力を変動させる技術であることと、低い周波数の再生のほうに醍醐味があることを論じてきまし た。また、振動板が大きければ、低音を再生しやすいことを説明しました。

 それでは、ここからは、具体的な方式として、バスレフ型をみていきたいと思います。

 スピーカーユニットは、右の写真のような形をしています。中央の白っぽいところが、振動板です。

 このユニットは、FostexのFE83Enという有名なものです。口径8cmという、小さなフルレンジスピーカーユニットです。フルレンジというの は、再生したい全帯域をこれひとつでカバーすることを狙ったもので、欲張りなユニットと思います。8cmというのは、メーカーが適当に決めた呼び径で、正 式な規格はありません。フレームのサイズから適当に呼び径を付けるそうです。

 この状態でこの小さな振動板を振動させると気圧の変動はどうなるでしょうか?
 
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  振動板が、写真の上側に動いたときに、上側にあった空気は押し上げられます。すると、振動板の上側では、空気が密の状態になります。しかし、それと同時に 振動板の下側にあった空気が、振動板に付いて引っ張られるので、この部分は、密とは逆の粗の状態になります。ですので、振動板が、速く動かなければ、うか うかしているうちに、空気の密の部分が粗の部分に吸収されてしまいます。このような小さなユニットの振動板の振幅は、せいぜい数ミリメートル程度しかない ので、速く動かすには、周波数を上げなければなりません。このため、ユニットが裸の状態では、低音が出ずに、甲高い音になってしまいます。この状態を表し たものが、下のFig3-1です。振動板が、前に動いたときに、振動板の前面が密、背面が粗の状態になり、音が、回りこんで吸収されてしまいます。




Fig.3-1 裸の状態
Fig.3-2 バッフル板
Fig.3-3 密閉型エンクロージャ

 上記のように、振動板の前面の空気の圧力変動と背面の圧力変動とで、干渉して消しあわないようにするためにはどうするか。簡単にいえば、壁で仕切ってし まえばいいわけです。それが、Fig.3-2の状態です。この状態でも、仕切りの反対側に、音が回り込みますが、Fig.3-1の状態よりは、かなりまし になります。バッフルの大きさ、すなわち、音が回り込む経路の長さによって、振動板の前後で打ち消しあう音の周波数が変わりますが、それは、他の方の説明 に譲ることにします。そんなに難しい話ではありませんが、どの本にも説明があります。

 更に進んで、バッフルを無限に大きくすることは難しいので、妥協策として、Fig.3-3のように、完全に仕切りで囲ってしまうと、音の回り込みがなく なります。これを、密閉型エンクロージャといいます。密閉型エンクロージャの場合には、振動板に対して、中の空気がばねの働きをしますので、若干音が変わ ります。これは、箱の容積が十分に大きければ無視できるので、大型にするか、あるいは、箱を小さくして動作を積極的に変えるようにします。また、空気抜き のために、小さな穴を開けたりしますが、エア抜きの穴があっても密閉型に分類されます。

 密閉型は、理論上は、振動板の前後をしっかりと仕切ることができるの で、有利な方式といえます。ただし、低音の干渉による低下を防止する効果があっても、増強する効果は大きくないので、低音を出しやすい、大口径のシステム 以外には、あまり使われません。

  密閉型の有利でない点を補うために使われている方式が、バスレフ型というものです。バスレフ型は、密閉型のような箱に穴とダクトを付けたものです。この箱 を空気ばねとして活用し、また、ダクトの中にある空気が、塊となって動くことで、第2の振動板として働きます。ダクトの断面積は、大抵の場合、振動板より 小さくするので、この第2の振動板の振幅は、振動板よりも大きくなります。このことは、あとで、シミュレータで検証してみましょう。

 バスレフ型の詳細は、次にお話したいと思います。

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管理人: 鈴木 茂

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